東武でSL復活へ
各地でSLを復活させる動きはありますが、ここに新たな鉄道が加わりました。
それは、東武。東武は「東武グループ中期経営計画2014~2016」で、日光・鬼怒川地区等の沿線観光地の活性化を挙げています。そのためのアイテムとして、SLを復活することを発表しました。実現すれば、約50年ぶりに復活することになります。大手私鉄に広げても、1984年に運行を終えた西武山口線以来、約30年ぶりです。
SLの運行区間は東武鬼怒川線下今市-鬼怒川温泉間(12.4キロ)、東武随一の観光地である日光・鬼怒川地区の活性化に役立ちそうです。そして、使用するSLは、C11形207号機。JR北海道所有の車両です。1941年に日立製作所笠戸工場で製造され、その後はずっと北海道で使用されてきました。1974年にいったん廃車され、北海道日高郡静内町(現:新ひだか町)で静態保存されてきましたが、2000年にJR北海道が復活させ、今に至っています。JR北海道の経営が厳しく、不要不急のSLを運行する余裕はありません。東武での復活運転は、SLの働き場所を用意するという意味でも、いい話なのかもしれません。
東武は大手私鉄で、SLが走りそうなイメージは一見するとありません。しかし、歴史の古い私鉄で、明治時代に開業しています。最初はSLが使われていたのです。ピークの1947年には60両もいましたが、その後は徐々に減り、1966年6月26日の佐野線でのさよなら運転を最後にSLは全廃されました。C11も、2号機が1945年から1963年の間、走っていました。
ダイヤ、料金、客車については未定です。客車は自前で用意するのか(自社の電車を改造することも含めて)、ほかから借りるかはわかりません。利用状況を見て、継続的に運行したいという考えを持っており、将来的には会津鉄道などへ乗り入れることも考えているようです。
(追記)
JR北海道が東武に無償で貸し出すのは、将来的にはC11形207号機の運行を復活させる可能性があるからです。そのためには、どこかで走らせておいたほうが良いと判断したのです。
(参考:東武ホームページ http://www.tobu.co.jp/file/pdf/600f37f037a7d2fbc1d0fe205c15e469/150810.pdf?date=20150810092953、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20150811k0000m040043000c.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ10I4R_Q5A810C1TI5000/、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150810-OYT1T50093.html、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/tobu-sl/、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASH8046SWH80IIPE00L.html)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- JR東海もこの夏は普通列車がお得(2025.06.21)
「JR北海道」カテゴリの記事
- 室蘭線でただで定期券も配るモニター事業(2025.06.22)
- 「青春18きっぷ」は値上げせず、「北海道&東日本パス」は小幅な値上げ(2025.06.03)
- 白糠に道内で22年ぶりの踏切(2025.05.11)
- 青函トンネル以外の共用走行区間でも時速260キロ運転へ(2025.05.05)
- JR北海道、2025年度中に特急全車指定席へ(2025.04.30)
「東武」カテゴリの記事
- 伊勢崎線の豊洲方面直通に関する続報(2025.05.10)
- 東上線の新型車両は舟のかたち(2025.05.15)
- 東京メトロ有楽町線延伸区間と東武伊勢崎線、直通運転へ(2025.04.18)
- ライトラインと東武宇都宮線、乗り入れ検討へ(2025.04.28)
- 「東上線1日フリー乗車券」、期間限定で発売(2025.03.23)
Comments