近鉄南大阪線・吉野線に一般車両改造の観光特急
近鉄鳥羽・志摩線の観光列車「つどい」に触発されて、近鉄南大阪線・吉野線にも観光列車を走らせる計画があることは以前にも書きましたが、それが実現することになりました。近鉄が大阪阿部野橋-吉野間に新たな観光特急を走らせることを発表したのです。運行開始時期は2016年秋です。
しかし、この新しい観光特急、車両を新たにつくるわけでも、特急用車両を改造するわけでもありません。何と、3両編成の一般車両(6200系、製造から40年ほど経った車両)を約2億円かけて改造するのです。意外な話です。ただ、一般車両とは思えない大幅な改造が施されていて、落ち着いた上質な内外装がなされています。「上質な大人旅」がコンセプトで、外装は濃紺と金色のラインです。内装も「上質な大人旅」のコンセプトに恥じない、2列+1列の「デラックスシート」です。緑を基調とし、ひじ掛けには木材を使っています。1号車と3号車が該当します。2両合わせて70席程度です。真ん中の2号車は、沿線の特産品などの軽食や飲料を販売するバーカウンターを設置するとともに、ゆったりとくつろぐことができるラウンジスペースを設置します。沿線には、フルーツの生産地やワイナリーがありますので、車内では地元の特産品を活用したオリジナルスイーツやワインなどを販売します。また、この新しい観光特急には、専属のアテンダントが乗車し、軽食や飲料の販売、沿線の名所・ビュースポットの案内放送などのサービスを行います。
運行計画は次のようになっています。運行開始時期は先ほども書いたように2016年秋、週6日運行します。原則として週1日休みますが、春休み、夏休み、ゴールデンウィークなどは毎日運行することもあります。昼間時間帯に大阪阿部野橋-吉野間を1日2往復運行します。大阪阿部野橋が10時ごろ発、14時ごろ発、吉野が12時ごろ発、16時ごろ発で、所要時間は約1時間20分です。停車駅は現在の特急と同様で、尺土・高田市・橿原神宮前・飛鳥・壺阪山・吉野口・福神・下市口・六田・大和上市・吉野神宮に停まります。乗車には、運賃のほか、特急料金と特別車両料金として、大人は720円、子供は370円が必要です。なお、この新しい観光特急の名称は決まっておらず、これから公募する方針です。
(追記)
6200系を改造してつくった近鉄南大阪線・吉野線の観光特急車両は、16200系と名乗ります。
(参考:近鉄ホームページ http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/yoshino%20.pdf、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASH9B640RH9BPTIL01Y.html、「鉄道ジャーナル」2017年1月号 鉄道ジャーナル社)
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