北陸新幹線に乗る(1)
北陸新幹線の陰に隠れて目立たなかったが、この3月14日のダイヤ改正から、東海道新幹線の最高速度が時速285キロに引き上げられた。ただ、時速285キロを出す便は1時間に1本程度に限られ、しかも最速は1日に上下合わせて10本もない。今回乗った名古屋6:41発「のぞみ288号」はその数少ない便のひとつだ。事前に「エクスプレス予約」の「EX−IC」で予約したので(早朝の便なので、金券ショップで買うよりも若干安い)、駅で切符に引き換える必要はない。「EX−IC」のカードを自動改札にかざせば、勝手に乗車列車と座席番号を記した紙が出てくる。指定された座席に着いたらすぐに発車、直前に駅で予約状況を調べたら十分空席があるとのことだったが、ほぼ座席は埋まっていた。隣も座っている。
名古屋を出たら、次の停車駅は新横浜。1時間以上の間、どこにも停まらずに朝の静かな時間が流れていく。富士山も見えた。さて、「のぞみ288号」が新横浜に着こうとするとき、車内にアナウンスが流れた。朝のラッシュ時は自由席特急券しか持っていなくても、新横浜からは指定席の空席に座ってもいいとのこと。新横浜で降りる客は少なからずいるが、新横浜からは値段の問題から指定席に乗る人はいない。新横浜までは満席でも、そこから先は必ずどこかは空きが出る。しかし、自由席は少ない上に、通勤客で混む(もちろん、自由席でも特急料金はかかるが、東京にダイレクトに行くことを考えたらそれなりの価値はあるのだろう)。そこで朝のラッシュ時に限り、(自由席の少ない)「のぞみ」「ひかり」の指定席も開放することにしたのだ。最初からそれを見込んで指定席のところに並ぶ人がいて、車内に入ってくる。朝の便に乗ったから気づく話だ。8:09、朝のラッシュの品川に着く。結論から言えば、時速285キロの速さは感じられなかった。
品川からは京急に乗って羽田空港へ。乗ったのは主要駅に停まる「エアポート急行」(品川8:22発)。ノンストップか京急蒲田のみ停車の「エアポート快特」に乗ることが多いから、このようにこまめに停まる列車はある意味新鮮だ。空港まで行く列車にしては荷物の少ない人が多いと思ったら、最初の停車駅の青物横丁で降りる人が多く、座ることができた。沿線の会社に行くためだろうか? そのほか降車客が目立ったのは天空橋。モノレールへの乗り換え駅としか思っていなかったが、空港の施設があるのだろうか? 羽田空港国際線ターミナルで降りる。
外国人向けだろうか、江戸情緒が再現された一角もある羽田空港国際線ターミナルをちらっと見てから、リムジンバスで新宿に行く。3月に開通した中央環状線山手トンネルを通ってみたかったからだ。リムジンバス乗り場の前に券売機があったので、現金で購入。9:05発は、かなり空いた状態で国際線ターミナルを出た。ところが国内線ターミナルでたくさんの人が乗ってくる。国内線ターミナルで客を乗せたら、いきなり首都高速湾岸線に入る。空港と直結しているのだ。ただ、交通量が多いようで、リムジンバスはノロノロ運転。様子が変わったのは、中央環状線山手トンネルに入ってから。これまでの遅れを取り戻すかのように、ぐねぐね曲がった山手トンネルを走り抜けていく。このリムジンバスの運転士は結構飛ばすようで、少し怖い。ただ、首都高速を出てからが時間がかかり、結局、定刻より5分ほど遅れて新宿に着いた。
用事を済ませて、中野から再びスタート。まず始めに東京メトロ東西線に乗る。乗ったのは中野12:43発の快速東葉勝田台行き、東葉高速の車両で運行される。中野を出たときはガラガラだったが、高田馬場で乗ってきて座席が埋まる程度に。しかしそれも徐々に減っていき、大手町に着くころには元通りに。大手町で再び座席が埋まるぐらいに乗ってきた。快速は東陽町以東で通過運転する。地下の南砂町は遠慮がちに通過していたが、高架になってからは思いっきり飛ばす。
さて、東京メトロ東西線に乗った目的は、妙典で行われているホームドアの実験を見るため。妙典は快速通過駅なので、手前の浦安で普通に乗り換える。3駅目が妙典。しかし、あるはずのホームドアはない。階段を降りて駅員に聞いたところ、実験を終えて9月7日の月曜日に撤去したとのこと。仕方ない。西船橋に向かう。
西船橋からJR東日本と東武を乗り継いで新鎌ヶ谷へ。東武野田線は古い車両が使われることで知られていたが、最近はイメージアップで「アーバンパークライン」とか言うどこの国かわからない名前を付けられ、車両も新しいのが投入されつつある。乗った船橋14:07発も中古とはいえ、ステンレスだ。
新鎌ヶ谷で遅い昼を食べ、次に乗ったのは、千葉ニュータウン中央へのバス。新鎌ヶ谷と千葉ニュータウン中央の間は北総鉄道があり、成田空港への「アクセス特急」もある。しかし、問題は運賃が高いこと。東京に直結するときに用地買収に手間取り、黒字であるにもかかわらずそのときの借金に苦しめられているのだ。ニュータウンの運賃が高いのは半ば自慢のようなものだが、都心まで片道1000円もかかるようでは問題だ。地元自治体が補助を出して運賃を下げるしか方法はないのだが、地元自治体の動きは鈍く、少ない補助もカットする始末。これに業を煮やした地元住民が考え出したのが、北総鉄道に並行して走るバスを運行すること。次のバスは新鎌ヶ谷14:50発、駅の南東にポツンとあるロータリーから発車する。ところが、発車時刻になってもバスはやって来ない。遅れているようだ。
しばらくしてバスはやって来た。余裕がない、タイトなダイヤのようだ。小型のバスから7人が降りて、代わりに私を含めて3人が乗った。300円均一で、ICカードに対応していないので、運賃箱は簡素なもの。透明なプラスチックの箱があるだけだ。入金された金額を数える機能はなく、原始的に運転士の眼で確認する。両替機はなく、運転士が行う。新鎌ヶ谷を出るといくつか交差点を曲がった後、バスは北総鉄道に並行して走る国道464号線に入る。駅の近くには郊外型の店があるが、駅と駅の間は何もない。とても東京のベッドタウンとは思えない。大体、新鎌ヶ谷から5分もしないところに梨畑が広がっている。バスはほぼ定刻に着いた。(続く)
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