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大阪市長選、「敬老パス」負担緩和の動き

 大阪市営地下鉄・バスの民営化に向けた手続きを定めた条例が、23日の大阪市議会で成立しました。大阪維新の会のほか、自民、公明などが賛成しました。今回成立した条例は、新会社の基本方針を議会の議決事項とするためのもので、直接民営化に結びつくものではありません。新会社の基本方針などは改めて条例をつくる必要があります。これは11月の市長選の後になりますが、今まで全く前に進まなかっただけに、前進したとも言えます(もっとも、自民などが大阪市営地下鉄・バスの民営化に反対していたのは、以前にも書いたように市長が橋下氏だからで、その橋下氏が市長を退くことになれば、その最大の障害は除かれることになります)。

 もっとも、自民などが橋下氏の考えている民営化をそっくりそのまま行うわけではありません。地下鉄は大阪市が100%出資する株式会社のままにして、上場はしません。バスは地下鉄会社の子会社となります。不採算路線でも見直さずに残すようです。そして、「敬老パス」の有料化ですが、年間3000円の負担金は続けるものの、2014年8月から徴収することのなった1回50円の負担は廃止します。代わりに上限を設定するようです。公共交通に乗って出かけたほうが健康には良いでしょうが、それを言うならほかの世代も同様です。選挙で票になる高齢者の受けを狙った策と言えます。高齢者が少なかった時代ならともかく、今は子供のほうが貴重です。子供の運賃を安くする施策のほうが重要でしょう。子供に公共交通に乗る習慣を身に着けさせるのです。次の選挙ではなく、次の世代のことを考えないといけません。

 大阪市営地下鉄・バスが上場しようと、大阪市100%の会社になろうと、あるいは公営のままでいようと、肝心なのはサービスの向上なのです。その根本を忘れてはなりません。

(追記)
 大阪市の「敬老パス」ですが、2018年度から年間3000円の負担金を廃止し、1回50円の負担だけにする方針です。

 なぜこのようにするかと言えば、「敬老パス」の利用者が減っているため。無料だった2012年度末は約33万人いましたが、2015年末には約24万人に減っているのです(有料になったら減るのはある意味、当然のことですが。逆に、無料だったのがおかしかったのです)。なお、減収となる負担金相当分は、2018年4月に民営化される地下鉄の新会社が負担します。その額は約7億円です。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20151024-OYO1T50012.html、http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20171024-OYO1T50001.html、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASHBB3DQTHBBPTIL002.html、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/151021/wst1510210030-n1.html)

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