信楽高原鐵道の車両が紀州鉄道へ
信楽高原鐵道は新型車両(SKR401号)を導入しました。液晶表示による料金案内や英語での案内表示を新たに採用し、故障などをコンピュータで一括管理するシステムを取り入れ、安全性をさらに向上させています。
その新車の導入により、これまで走っていたSKR301号は10月3日で運行を終えました。1991年の衝突事故をきっかけに1995年12月に導入されたこの車両は、先頭にバネなどを使って衝撃を和らげる装置や、通常のブレーキとは別の非常用ブレーキを設置し、ひじ掛けにはソフトカバーを巻いています。ところがこのSKR301号、老朽化によって坂道の多い信楽高原鐵道で走り続けるのは難しくなりました。新車導入により廃車される予定でしたが、紀州鉄道は勾配の少ない路線ならまだ大丈夫と判断し(紀州鉄道は営業距離が2.7キロと短く、駅と駅の間が短いことからあまりスピードも出さないようです)、信楽高原鐵道に譲り受けを打診しました。信楽高原鐵道もそれを受け入れ、8月に無償での引き渡しを決定、トレーラーに載せられて20日に御坊に到着しました。
紀州鉄道は現在、レールバス2両のみを保有していますが、半年前から1両しか使っていません。もう1両は検査の時期を迎えていますが、費用が高いので休車させているのです。ですから、唯一稼働している1両に何らかのトラブルが発生すれば営業運転ができなくなります。新しく御坊に来るSKR301号は長さが16メートルと4メートル長くなり、幅も少し広くなります。シートもロングシートからボックスシート主体に代わり、収容力も優れているようです。レールバスではなく普通のディーゼルカーになりますので、乗り心地はよくなります。SKR301号は塗装を少し変え、早ければ年内にデビューすることになりますが、その後は主力がSKR301号になり、レールバスは予備用の扱いとなります。
(追記1)
旧信楽高原鐵道の車両は、2016年1月31日に紀州鉄道での運用を開始しました。御坊市に伝わる宮子姫のイラストが描かれています。
(追記2)
大型のKR301(SKR301から形式が変更されています)は基本的に月曜日から金曜日午前中まで使われ、レールバスのキテツ2は金曜日の午後から日曜日まで使われます。
(参考:日高新報ホームページ http://www.hidakashimpo.co.jp/news/2015/10/post-4128.html、http://www.hidakashimpo.co.jp/news/2015/10/post-4343.html、朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://digital.asahi.com/articles/ASH9X5452H9XPTJB012.html?rm=365、http://www.asahi.com/articles/ASJ1Y3C3QJ1YPXLB001.html、「鉄道ジャーナル」2016年5月号 鉄道ジャーナル社)
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