「ドクター東海」の検測装置取り替え
東海道・山陽新幹線の検測車、「ドクターイエロー」はあまりにも有名ですが、在来線にもそういう車両があります。線路設備、電力設備、信号通信設備の検測専用車両である、「ドクター東海」です。キハ75系をベースとした3両編成で、最高速度は時速120キロです。軌道狂いやレールの締結状態、パンタグラフや電車線設備の状態、レールに流れる信号電流や無線設備の状態等を検測します。JR東海は2編成を所有し、検測を行っています。毎月2回、管内12路線を検測しています。
この「ドクター東海」ですが、検測装置が取り替えの時期を迎えたので、センサやカメラ等の機能を向上させることにしました。約24億円をかけ、2016年度初と2017年度初に1編成ずつ取り替える予定です(これに合わせて、Ⅰにある設備のうち、電力設備の機能をⅡに移します。取り替え後は、Ⅰが線路設備と信号通信設備を、Ⅱが線路設備と電力設備を検測することになります)。センサについては、これまでカメラ画像を用いて線路設備の状態を把握していましたが、二次元レーザを用いる方法に変更し、形状を直接測定します。測定データは自動的に処理され、レール締結ボルトの状態など、線路設備のわずかな変化でもはっきりと把握できます。これまで、レール締結ボルトのゆるみを検知するための付属部品(ボルトキャップ)が必要でしたが、それが不要となり、メンテナンスコストを削減することができます。約1600万円の削減になるようです。
電力設備を監視するためにあるカメラは、現在はパンタグラフ用の監視カメラが1台あるだけですが、電車線金具監視カメラ3台を新設することによって、多方向から設備状態を把握することができるようになります。今までは係員による目視でしか点検方法はありませんでしたが、これからは「ドクター東海」でもできるようになります。また、運転台には沿線状況監視カメラがありますが、これを高画質のものに取り替えます。沿線の各種設備や樹木の状況をより的確に把握することができます。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000027896.pdf、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASH9B547SH9BOIPE018.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/aichi/news/20150925-OYTNT50210.html)
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