小幌駅存続へ、北海道普通列車削減続報
経営の厳しいJR北海道は、利用者の極めて少ない駅を廃止することを考えています。2016年3月に数駅が廃止されますが、その中に室蘭線の小幌駅は入っていません。以前には廃止の筆頭にも挙がっていた駅なのですが、廃止の話が出た途端、鉄道ファンが訪れだしたのです。
そこで地元豊浦町は、この「秘境駅」とも言われている小幌駅を観光振興に活かすことにしました。もともと廃止の話が出たとき、町は地方創世の柱として小幌駅を使った観光振興策をまとめていました。小幌駅は噴火湾に面した断崖絶壁のところにあり、ふたつのトンネルの間、80メートルのところにホームがあります。駅にアクセスする道路はないようで、付近に民家がないため、地元利用は見込めません。しかし、洞爺湖有珠山ジオパークのひとつである小幌洞窟は小幌駅からしか行くことができないようですし、気の遠い話ですが、2030年度には北海道新幹線が全線開業し、長万部にも駅ができます。小幌駅を訪れる観光客がさらに増えると見込んでいます。
もちろん、ただ廃止反対を訴えても効き目がありません。豊浦町はJR北海道に駅の負担をすることを条件に、小幌駅を存続させることを求めました。JR北海道から提示された駅の維持管理費は年間150万円ほどですが、老朽化した片側ホームの補修などに1000万円はかかるようです。駅存続のために当面必要な費用は2016年度予算に盛り込む予定です。お金を集める方法として「ふるさと納税」を使うことも考えています。ただ、当面はお金の用意もできるでしょうが、いつまでもお金は続くのでしょうか? 「秘境駅」ブームが消えた時が次の転機になるかもしれません。
話は変わりまして、JR北海道の普通列車削減問題。札沼線、釧網線、室蘭線に続いて、他の路線でも徐々に明らかになっています。
まず石北線は白滝9:16発遠軽行き、北見12:09発金華行きなど7本が減便され、金華13:05発網走行きは北見始発に、網走8:37発留辺蘂行きは北見行きに短縮されます。宗谷線は名寄以北の5本が減便されます。減便されるのは、上りが稚内-名寄間、稚内-佐久間、下りは音威子府-稚内間、名寄-幌延間、佐久-幌延間です。どの列車かはわかりません。石勝線追分-夕張間は5本、根室線滝川-新得間は3本を減便します。室蘭線苫小牧-岩見沢間は苫小牧発岩見沢行きの1本を減便し、反対方向の1本を2両編成から1両編成に短縮します。これで削減予定(80本)の半分ほどが明らかになりました。
(追記1)
小幌駅の存続期間は2016年度の1年間となっています。その後は利用状況を踏まえてとのことですので、ブームが消えたら廃止することができます。
(追記2)
豊浦町は2016年度当初予算案で、小幌駅の管理費用として474万円などを計上しています。
(参考:朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASHBG3T06HBGIIPE008.html、http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y4SQ2J2YIIPE025.html、北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doto/1-0190511.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0191382.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0191417.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0196226.html)
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Comments
「まず石勝線は白滝9:16発…」は「まず石北本線…」の誤記ですね。
Posted by: NN385 | 2015.10.18 09:18 PM
NN385さん、おはようございます。
* 「まず石勝線は白滝9:16発…」は
ありがとうございます。訂正しました。
Posted by: たべちゃん | 2015.10.19 05:30 AM