北陸新幹線に乗る(5)
3日目(9月13日)は早朝の新潟からスタート。新潟6:05発の長岡行きに乗る。115系の4両編成。乗り場は1番線の東にできた9番線、高架化によるホーム不足を補うためにできたところだ。朝帰りなのか、新潟を離れるにつれて、だんだんと降りていった。
乗り継いだ長岡7:43発の越後湯沢行きも115系(3両編成)。結局、新型のE129系を見ることはあったが乗ることはできなかった。話を元に戻す。長岡7:43発の越後湯沢行きは、湘南色に塗られている。この湘南色に塗られた車両は綺麗だが、ほかの115系は廃車が近いせいか、くたびれているように見える。
3月に北陸新幹線が開業するまでは、北越急行が東京と北陸を結ぶルートとして使われていた。「はくたか」が在来線最速の時速160キロで走り抜けていた。しかし、北陸新幹線開業に伴い北越急行経由の特急は廃止され、「はくたか」という列車名も新幹線用に取られてしまった。ところが、北越急行は新たな列車を生み出した。越後湯沢−直江津間で停車駅は十日町ただひとつという、「超快速」だ。直江津までたったの57分、北越急行内の表定速度は時速99キロという化け物の列車である。「はくたか」から逃げることができるように、というコンセプトで設計されたとはいえ最高速度110キロの普通列車用車両でこれほどのスピードが出せるとは驚きだ。越後湯沢9:17発の超快速直江津行きは0番線から発車する。北越急行ローカル列車用のホームで、かつての「はくたか」用ホームではない。普通列車なので2両編成は当たり前だが、トイレがないのは意外だった。ただ、普通列車用車両なので、開業直後の18年前に「はくたか」に乗ったときにはできなかった、かぶり付きができる。ワンマン列車のため、前は迷惑になるので、後ろの助士側に立ってかぶり付くことにする。
「超快速」は新幹線からの乗り継ぎ客を乗せて発車した。実は今日(9月13日)は、まつだいなど北越急行沿線で行われている、「大地の芸術祭」の最終日である。そのため、この「超快速」はまつだいにも停車する。ワンマン列車ということもあり、前のほうが混んでいて、立つ人もいる。六日町を通過し、北越急行に入った。いよいよ本領発揮。出せる限りのスピードで突っ走る。本来、唯一の停車駅となる十日町に停車した。沿線唯一の市であるため降りる人が多いが、先ほど述べた「大地の芸術祭」のためか、同じぐらい乗ってくる。次の駅(ただし距離はかなり離れている)、まつだいで多くの人が降りる。とは言ってもボックスシートに誰かは座っている。私は引き続き後ろでかぶり付きをし、流れていく景色を見ている。まつだいに臨時停車した遅れは取り戻せず、終点の直江津には3分遅れで着いた。
直江津から乗ったのは、昨日(9月12日)と同じ列車、直江津10:50発の泊行き。しかし車両はキハET122形のオリジナル、転換クロスシートだ。発車近くになったやってきた昨日とは違い、発車30分前に来たので、誰も乗っていない。発車が近づくとだんだん人が集まってきたが、昨日よりは少なく感じられる。糸魚川で多くの人が降りたのは昨日と同じだ。車内で駅弁を食べる。今日は越後湯沢の駅弁だ。直江津で買ってもよかったが、違う駅のを食べてみたいと思い、越後湯沢にしたのだ。越後湯沢に行く機会はそうないだろうから。
新潟と富山の県境に近い市振がえちごトキめき鉄道とあいの風とやま鉄道の境界の駅であるが、事実上の境界は、それより若干富山県側に入った泊。朝晩の一部を除いて泊が乗り換え駅となる。乗り換え客の利便のため、直江津方面からのえちごトキめき鉄道のディーゼルカーとあいの風とやま鉄道の電車は、中線の2番線に一緒に停まる。直江津方がえちごトキめき鉄道、富山方があいの風とやま鉄道と縦列で停車するのだ。私はここであいの風とやま鉄道の1日乗車券(「1日フリーきっぷ」)を買いたいと考えたため、階段を上り下りし、改札に行く。「えちごツーデーパス」で乗ることができない市振からの運賃を払い、改めて「1日フリーきっぷ」を買おうとするが、窓口は閉まっている。かなり頻繁に休憩を取るようだ。しかも、改札係の話によれば、「1日フリーきっぷ」は利用当日の発売は行わないとのこと。前日までに買わないといけないのだ。ただ、これはおかしい話。以前に書いたが、広範囲の鉄道で事前に特急や宿の予約をしなければならないようなのはともかく、普通列車の日帰り需要をあてにした切符で当日発売不可とは解せない。天候次第で出かける気になっても対応できないのである。これなら、雨の降る中、わざわざ階段を上り下りする必要はなかったのだ。市振からの運賃は下車する駅で払えばよく、泊では少し前に歩けば、乗り換えの列車が停まっているのだから。
幸い、泊で切符を分けてもそれほど損にはならず、「1日フリーきっぷ」も少し得する程度にしか使わない。また、いったん改札を出たことによって、あいの風とやま鉄道内は「ICOCA」が使えるようになった。現金がなくても乗り降りできるのだ。ICカードリーダーはあいの風とやま鉄道の各駅に設置されていて、自動改札にはなっていない。富山や高岡でも有人改札だ。階段を上り下りし、中線に停まっているあいの風とやま鉄道の列車に乗る。泊12:22発の金沢行きだ。瞬く間に北陸の普通列車の代表的存在となった521系の2両編成。アーバンネットワークの新快速車両を交直流にした車両で、実は乗るのは初めて。塗装はあいの風とやま鉄道カラーに変わっている。あいの風とやま鉄道は先ほど述べた通り、「ICOCA」が利用可能になっていることから、無人駅(あいの風とやま鉄道は大体の駅に駅員がいて、完全な無人駅は少ない)であっても全ての扉を開く、都市型ワンマンとなっている。富山に近づくにつれ、だんだん増えていく。私は魚津で降りたが、ホームでは多くの人が乗り込んできた。(続く)
(参考:「鉄道ジャーナル」2015年8月号 鉄道ジャーナル社)
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