日高線復旧金額は増える、工期は短縮
日高線は1月の高波で盛り土が流出し、ほぼ全線が運休したままとなっています。流出した厚賀-大狩部間の復旧にかかる工費について、これまで26億円と試算していましたが(ただしこれは必要最小限の復旧で、被災箇所は時速25キロで徐行します)、30億円に増えるようです。JR北海道が4月から詳細な被害状況の調査を行ったところ、消波ブロックの増設が必要な個所が出たり、護岸のひび割れが新たに見つかったりしたためです。
しかし、逆に工期は短縮されます。被災した区間の約4キロの線路をいったん取り外して、重機が作業現場に入る通路を確保します。これにより工期が10か月短縮され、4年2か月から3年4か月に短縮できるようです。これまで作業できなかった11月からの冬季も、落石防止網の設置など海が荒れてもできることを行います。
ところが、9月に台風17号で土砂が流出しました。豊郷-清畠間と厚賀-大狩部間(1月の被災箇所の様似寄り約500メートルのところ)の2か所です。10月2日に急速に発達した低気圧によりさらに状況が悪化しました。JR北海道は約5000万円かけて10月6日から応急措置を行いますが(2週間程度かかります)、本格復旧にかかる工費はまだ算出されていません。数億円になるとみられています。
1月に被災した区間を含めて合計で30億円台になると考えられますが、問題は費用の負担を誰がするかということです。JR北海道にお金はありません。それなりに利用されている区間なら公費を投入しても価値があるのでしょうが、日高線の現状は厳しいです。あまりにも利用者が少なく、鉄道を維持することが不適切なぐらいです。第三セクターでも運営は厳しいでしょう。早く現状を認識し、鉄道での復旧をあきらめたほうが良いでしょう。早くJR北海道から支援金をもらってバス転換したほうが賢明です。鉄道が対応する分野は札幌近辺の通勤輸送と、都市間特急であり、ローカル輸送はではありません。
話は変わりますが、JR北海道は閑散期対策として新たな割引を行うようです。ただ、詳細はわからず、続報が待たれます。
(追記)
JR北海道によれば、9月に被災した箇所の復旧としてさらに8億円かかるようです。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151009-3.pdf、北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0189085.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0189099.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doo/1-0223151.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20151010-OYTNT50026.html)
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Comments
管理人は、「JR北海道にはお金がありません」とかいていながら、「JR北海道から支援金を貰った方が賢明です。」と書いてあるが、おかしくないか。金がなければ、支援金も出せないはずだが。鉄道を諦めるなら、JR北海道ではなく、道もしくは、国から、転換交付金を貰うのが適切となるはず。JR北海道が完全に民営化していないためで、株式は100%国。
税金を投入する事になるが仕方ないことだろう。地方の路線バスなんか皆、維持するため税金を投入している。
私は、北海道新幹線で第3セクターに変わる江差線の安全対策について、北海道新幹線開業前までは行っても、其れ以降は、行う筈はないはず。何故なら、JR北海道には、お金がないからだ。
Posted by: たかちゃん | 2015.10.13 12:07 PM
たかちゃんさん、こんばんは。
* 管理人は、「JR北海道にはお金がありません」とかいて
JR北海道がローカル線を維持している限り、赤字は毎年発生します。しかし、廃止すれば、その時にはお金はかかりますが、それでおしまいです。
* 鉄道を諦めるなら、JR北海道ではなく、
一義的にはJR北海道が出しますが、これまでもあったように、さらに危なくなれば、国から何らかの支援策が出る可能性はあります。
* 私は、北海道新幹線で第3セクターに変わる江差線の
第三セクターになる前はJR北海道が対応しますが、第三セクターになった後は第三セクター自らが行うか、国の重要な貨物網を維持するという意味で、国が出すことになります。
Posted by: たべちゃん | 2015.10.13 08:58 PM