東海道新幹線の車内改札も廃止へ
JR東日本の東北新幹線等ではすでに省略されている車内改札。指定席のみならず、自由席でも省略されています。新大阪で直通するJR西日本も東海道新幹線に直通する列車を除いて、行っていません。しかし、JR東海の東海道新幹線では未だに行っています。東海道新幹線は頻繁に運転されていて、早く仕事の終わったビジネスパーソンが予約していた列車よりも早いのに乗ることが多かったから、車内改札で切符を確認することが必要だとされてきました。
しかし、その東海道新幹線でも、次のダイヤ改正(2016年3月?)から、指定席・グリーン車の利用者で、切符の券面に記載された座席を利用している場合、学割やジパング割引など利用に一定の資格がある割引切符を使っていない限り、車内改札を省略します。券面に記載されている座席以外を利用している人、自由席の利用者については、これまで通り車内改札があります。学割等を使っている人も、これまで通り学生証等の提示を求めることがあります。券面通りの席に座っているならば、車内改札で邪魔されることがなくなるのです。
なぜJR東海はこのように方針を変更したのでしょうか? これまでは予約内容を変更するには駅の「みどりの窓口」でしか行えませんでした。しかし、2001年に予約内容を携帯電話等からでも乗車直前まで変更することのできる「エクスプレス予約」を導入し、現在では、指定席利用客の約3割が「エクスプレス予約」を利用しています。「エクスプレス予約」の値段は金券ショップの値段と大して変わらず、しかも新たに年会費が1080円かかるクレジットカードをつくる必要があるのですが、ある程度利用する人なら、金券ショップに寄らなくても安い切符が買えるので、それなりの価値があるようです。
それに加えて、車掌携帯端末の改修がなされました。これまで、早く仕事が終わった人が先行する列車に乗った場合、車内改札によって当初予約していた席をキャンセル扱いにして「マルス」に返します。次に返却された席をほかの人が購入し、新幹線に乗った場合、車掌携帯端末がエラーを表示していました。ダブルブッキングと判断していたのです。ところが、車掌携帯端末の改良により、「マルス」に返すのと同時に車掌携帯端末からもデータが削除され、ダブルブッキングと判断されないようになったのです。これまでは全ての客の切符を見て、切符の券面に車内改札を行ったスタンプを押していましたが、変更後は車掌携帯端末には発売実績データと自動改札通過データが送信され、それと実際の着席状況とを見比べることによって、これまで通り改札するか省略できるかを判断することとなります。
なお、JR西日本はこれまで東海道新幹線に直通する列車のみ車内改札を行ってきましたが(東海道新幹線に直通しない列車は自由席も含めて車内改札を省略しています)、今後はJR東海に合わせるようです。JR九州は自由席だけ車内改札を行っていますので、それとの整合も取れます。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000028479.pdf、NHKホームページ http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151119/k10010312761000.html、静岡新聞ホームページ http://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/172271.html、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/151120/wst1511200041-n2.html)
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