JR東日本、男鹿線に蓄電池電車
追分で奥羽線から分かれて男鹿まで行く、男鹿線。単線非電化の路線です。
そういう比較的短い非電化路線向けに、電化区間と非電化区間を通して運行することのできる蓄電池電車をJR東日本は走らせています。烏山線のEV-E301系です。2014年3月から営業運転をしています。
このJR東日本ですが、新たな蓄電池電車を走らせることになりました。その路線は男鹿線、交流電化区間の奥羽線(秋田-追分間)と非電化区間の男鹿線(追分-男鹿間)を走行することのできる新型交流蓄電池列車、EV-E801系の2両1編成を投入します。2016年秋以降に試運転を行い、運行開始は2017年春の予定です。状況によっては追加投入も検討します。JR東日本はキハ40の代替として新型電気式ディーゼルカーを投入するのですが、男鹿線は対象には入っていません。不思議に思っていましたが、これで謎が解けました。男鹿線が導入区間に選ばれたのは、路線の長さが蓄電池搭載容量に適しており、かつ交流電化区間との直通運転を行うメリットがあるからです。交流電化区間では充電しながら普通の電車と同様に走行し、非電化区間では蓄電池に貯えられた電力を使って走行します(電化区間を走行中にパンタグラフを通して充電されます)。終点の男鹿駅には剛体架線が張られており、電力会社の配電線から電気をもらい、交流20000Vにして折り返しの停車中に充電します。10~20分の充電で約1時間走行できるようです。
ところで、この男鹿線用の蓄電池電車、自社ですべて開発したのではなく、JR九州が開発している蓄電池電車をベースに、耐寒耐雪対応等の調整を施したものです。烏山線の車両をベースにすると思っていただけに、意外なことです。EV-E801系も男鹿線で走っているキハ48同様、ロングシートで、トイレがあります。片側に両開きドアが3か所ある3扉車で、床面の高さは1135ミリとキハ48より105ミリ低くなっています。最高速度は電化区間では110キロですが、非電化区間では85キロになってしまいます。キハ48は95キロなので、非電化区間では遅くなってしまうように見えますが、男鹿線の線路規格が低いため、実害はありません。定員は2両で256人(座席定員は80人)と、キハ48の142人(座席定員は48人)より1両当たりでは若干減ります。
(追記1)
EV-E801系は、青い車体の制御車EV-E800形と赤い車体の制御電動車EV-E801形からなります。
(追記2)
男鹿線のEV-E801系には、まなはげのイラストも描かれています。
(参考:JR東日本秋田支社ホームページ http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20151120-1.pdf、:さきがけ on The Web http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20151121d、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201512/20151209_42001.html、「鉄道ジャーナル」2016年2月号 鉄道ジャーナル社、「鉄道ジャーナル」2017年6月号 鉄道ジャーナル社、朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASK2464BHK24UBUB00M.html)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- JR北海道のキハ40、2025年3月に引退か?(2023.11.26)
「JR東日本」カテゴリの記事
- 宇都宮のLRTと茨城の私鉄に乗る(3)(2023.11.29)
- 宇都宮のLRTと茨城の私鉄に乗る(2)(2023.11.28)
- 宇都宮のLRTと茨城の私鉄に乗る(1)(2023.11.27)
Comments