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田沢湖線に新駅設置の動き

 田沢湖線の盛岡-大釜間は、県庁所在地駅に隣接するのに、6キロも離れています。この6キロも離れた駅間に、新駅をつくる動きがあります。

 新駅設置の動きがあるのは、盛岡市上厨川地内。2012年に盛岡市がJR東日本へ委託により行った基本計画調査では、盛岡と大釜との間のイオンモール盛岡の北側など3か所が想定されています。新駅は無人駅でホーム1面、ホーム上屋、待合室1室などを備えています。新駅の入口は再開発計画がないことから南側のみで、北側に置くのは地形上の制約や橋の整備によるコスト増などを考えると難しいとのことです。事業費は駅建設費が約2.9億円、システム改修費が約4.5億円の合計約7.4億円を見込んでいます。

 乗降客数の見込みは、夜間人口を基にしたもので1日当たり約2500人、IGRいわて銀河鉄道の厨川と同規模になるようです。しかも、新駅は周辺の商業施設の利用者や従業員の利用も見込めますので、調査においては新駅設置の需要は満たしていると判断されています。

 ここに新駅設置の構想が出てきたのは、1987年に当時の建設省や岩手県が実施した盛岡都市圏パーソントリップ調査。かなり昔の話ですが、ここで新駅を設置することが望ましいという調査結果が出ました。2000年には地元の7町内会から陳情書、2008年には前潟新駅設置期成同盟会から要望書が盛岡市長に提出されました。その後盛岡市は2009年3月に出した「もりおか交通戦略」において、新駅を検討することとし、300万円の調査費を出して調査を行いました。2012年には新駅の需要予測、駅の構造、事業費などについて、JR東日本に委託するというかたちで改めて基本計画調査を行いました。そして、およそ半年前の6月10日のことですが、JR田沢湖線新駅誘致実現推進会が設立され、地域住民など約80人が参加しました。この設立総会では、自治会等で回覧を回すことにより署名活動を行うとともに、イオンモール盛岡や周辺の事業所などで署名活動を行うことを確認しました。JR田沢湖線新駅誘致実現推進会は署名を行った後に、盛岡市や盛岡市議会に対して要望書や陳情書の提出を行います。まだまだ新駅設置には程遠いのですが、盛岡市が新駅設置を決定し、JR東日本も承認すれば、基本設計や詳細設計を経て工事に着手します。一般的には新駅設置の決定から開業まで6年かかるようです。

(追記1)
 2021年2月のことですが、盛岡市とイオンモールは、田沢湖線盛岡-大釜間に設置を目指している新駅(仮称:前潟)の整備のための協定を締結しました。

 駅の建設費は約11億円ですが、そのうち2億円はイオンモールが企業版「ふるさと納税」を利用して寄付します。新駅は2023年3月の開業を目指してJR東日本と調整を進めます。

(追記2)
 田沢湖線盛岡-大釜間に2023年3月開業予定の新駅の名前が前潟に決まりました。盛岡から3.4キロのところです。
(参考:盛岡タイムスホームページ http://www.morioka-times.com/news/2015/1506/12/15061201.htm、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB258OD0V20C21A2000000/、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/morioka/20220127_mr01.pdf)

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