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January 2016

宮城県にできた2つの鉄道と、福島第一原発付近のバスに乗る(0)

 1月8日の夜から11日にかけて、2015年に宮城県に開業した2つの鉄道と、福島第一原発付近のバスに乗ってきました。

 明日から何回かに分けて、そのときの様子を書いていきます。

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JR北海道は札幌近郊でも赤字、10人以下の駅が3割

 JR北海道は29日、道内の全14路線30区間について、2014年度分の輸送密度、営業損益、営業係数(管理費を除いたものと含めたものの両方)を発表しました。以前、輸送密度が500人未満の線区についての輸送密度、営業損益、管理費を除いた営業係数は発表されていますが、これを全線区に拡大したのです。

 管理費とは、直接的な運行費用のほかにかかる、本社・支社の管理部門の費用のことです。これを加えると、当然ながらローカル線の営業係数は悪化します。一番営業係数が悪かった、留萌線留萌-増毛間は管理費を加えることによって、4161円から4554円に増えます。100円の収入を得るのに、4554円もかかるのです。

 赤字になっているのは、ローカル線だけではありません。札幌近郊や、特急がたくさん通る路線も赤字です。すべての線区で赤字になっているのです。札幌近郊の札沼線桑園-北海道医療大学間(輸送密度16873人)、函館線札幌-岩見沢間(輸送密度43025人)、千歳・室蘭線白石-苫小牧間(輸送密度43433人)、函館線小樽-札幌間(輸送密度44099人)に関しては利用者の乗車区間が特定しにくいとして営業係数は一括していますが、そこでさえ管理費を含めると赤字です(営業係数は107、管理費を除くと91。管理費を除いても黒字になるのは札幌近郊のみ)。営業損益は約26.6億円の赤字です。特急がたくさん通る室蘭線東室蘭-苫小牧間(輸送密度7736人、営業損益は約16.6億円の赤字、管理費込み営業係数153円)、函館線岩見沢-旭川間(輸送密度9320人、営業損益は約25.2億円の赤字、管理費込み営業係数143円)でさえ赤字です。また、輸送密度が500人以上の路線でも、営業係数が悪い路線があります。室蘭線沼ノ端-岩見沢間(輸送密度516人、営業損益は約11.3億円の赤字、管理費込み営業係数1011円)、函館線長万部-小樽間(輸送密度675人、営業損益は約20.7億円の赤字、管理費込み営業係数570円)あたりが該当します。ちなみに廃止された江差線木古内-江差間は鉄道ファンの「努力」の結果、輸送密度618人、営業損益は約0.6億円の赤字、管理費込み営業係数314円となりました。

 今回、すべての線区の輸送密度が発表されましたので、今後の参考のため、これまで取り上げなかった路線について、輸送密度を紹介していきましょう。営業係数は挙げませんが、悪いほうからいきます。室蘭線室蘭-東室蘭間は1342人、富良野線富良野-旭川間は1406人、宗谷線旭川-名寄間は1512人、石北線上川-網走間は1051人、石北線新旭川-上川間は1489人、江差線五稜郭-木古内間は4377人、根室線帯広-釧路間は2259人、函館線函館-長万部間は3765人、室蘭線長万部-東室蘭間は5022人、石勝・根室線南千歳-帯広間は4270人、海峡線木古内-中小国間は3851人です。

 また、JR北海道が毎年11月に調査した結果、1日平均乗車人数(5年間の平均)が10人以下という極端に利用の少ない駅が159にものぼることが判明しました(以前の記事と少々違いますが、2015年11月の数字を反映させたのでしょう)。そのうち、1日平均乗車人数が1人以下という駅は58もあります。

 2016年度中の廃止を目指している留萌線留萌-増毛間は、両端の留萌、増毛を除く7駅が10人以下、そのうち5駅が1人以下でした。3月26日のダイヤ改正で廃止される8駅について言えば、石北線旧白滝を除いて1人以下でした(旧白滝は1人超10人以下)。駅がある限り、利用者が少なくても維持管理をしなければなりません。ポール1本で済むバスと違い、手間がかかります。施設も老朽化します。JR北海道は極端に利用の少ない駅について、将来的にも廃止を進める考えです。

(追記)
 極端に利用の少ない駅を地図にすると、場所によっては10人以上の利用のある駅がごく少数というところもあります。
(参考:北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0228850.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0229045.html、JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160210-1.pdf)

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北海道内の割引切符も大幅見直し

 北海道新幹線開業に伴い、JR北海道内の在来線の割引切符も見直されます。

 これまで道内の割引切符の主力は、「指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)」、「自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)」という特急券付きの往復割引きっぷでしたが、一部の区間(「指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)」は札幌市内-稚内、札幌市内-網走など5区間、「自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)」は札幌-岩見沢、札幌-旭川など14区間)を除いて廃止されます。3月25日に発売を終了し、3月30日に利用を終了します。代わりに発売されるのは、乗車券だけの往復きっぷ。「乗車券往復割引きっぷ」といいます。特急券等を買えば特急に乗ることができるもので、JR東日本によくみられるものです。

 「乗車券往復割引きっぷ」の発売期間は2月26日~2017年3月31日、利用期間は3月26日~2017年4月5日です。有効期間は6日間で、途中下車はできません(札幌市内-根室間のみ、釧路で途中下車が可能です)。主な区間の値段は、札幌市内-新函館北斗、函館間が9000円、札幌市内-釧路間が10640円です(子供の設定もあります)。往復特急指定席に乗った場合、それぞれ15220円、16860円になります。ちなみに、正規の料金は17660円、18740円です。

 区間によっては、「乗車券往復割引きっぷ」と併用する場合のみ利用できる、お得な特急券があります。特急「すずらん」に使える「すずらんオプション特急券」、特急「スーパー北斗」、「北斗」に使える「北斗オプション特急券(発売箇所限定)」です。「すずらんオプション特急券」の発売期間は2月26日~2017年4月5日、利用期間は3月26日~2017年4月5日です。片道だけの利用もでき、有効期間は1日間です。特急「すずらん」の自由席に限り有効で、指定席は利用できません。「すずらんオプション特急券」は札幌-東室蘭間など4区間の設定がありますが、いずれも安く、札幌-東室蘭間は360円です(子供の設定もあります)。「乗車券往復割引きっぷ」と併用すると、4630円となります。正規の料金は8580円です。「北斗オプション特急券(発売箇所限定)」の発売期間は2月26日~2017年4月5日、利用期間は3月26日~2017年4月5日です。片道だけの利用もでき、有効期間は1日間です。特急「スーパー北斗」、「北斗」の自由席に限り有効で、指定席は利用できません。「北斗オプション特急券(発売箇所限定)」は札幌-伊達紋別間など4区間の設定がありますが、2030円の札幌-長万部間を除いて安く、札幌-洞爺間は750円です(子供の設定もあります)。「乗車券往復割引きっぷ」と併用すると、6590円となります。正規の料金は10800円です。なお、「北斗オプション特急券(発売箇所限定)」は伊達紋別発着のものは伊達紋別のみ、洞爺発着のものは洞爺のみ、長万部発着のものは長万部のみで発売します。札幌等では発売しませんので、帰りのきっぷも事前に買っておく必要があります。

 道東方面については、インターネット限定の格安特急券があります。「北海道ネットきっぷ(特急券のみ)」です。発売期間は2月26日からの通年、利用期間は3月26日からの通年です。乗車日前日の23:00まで申し込みが可能ですが、利用日・列車・席数・区間限定です。片道だけの利用もでき、有効期間は1日間です。特急「スーパーとかち」の指定席に限り有効です。「乗車券往復割引きっぷ」と併用するときに限り有効な「北海道ネットきっぷ(特急券のみ)」は札幌-帯広間のみの設定で、1590円です(子供の設定もあります)。「乗車券往復割引きっぷ」と併用すると、10330円となります。正規の料金は14440円です。また、富良野からは富良野から札幌に行くのに便利な「富良野・札幌往復きっぷ」を発売します(札幌では発売しません)。発売期間は2月26日~2017年3月31日、利用期間は3月26日~2017年4月5日です。有効期間は6日間で、途中下車はできません。札幌との往復には、片道1回特急自由席を利用することができます。大人4350円で、子供の設定もあります。

 このほか、これまでJR北海道の特急の普通車自由席が乗り放題だった(指定席は6回まで可能)「北海道フリーパス」は、フリーエリアから新幹線が除外されます。値段は26230円のままです。

 話は変わりますが、3月26日からは在来線の座席指定料金を通年520円とします。繁忙期や閑散期によって値段を変えることはしません。快速「エアポート」等の座席指定料金も520円になります。なお、SLの座席指定料金は820円のままです。座席指定料金の通年520円化で年間4000万円の減収となりますが、快速「エアポート」の値上げで年間約2.4億円の増収を見込んでいます。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160105-4.pdf、http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160105-1.pdf、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO95784060V00C16A1L41000/)

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北海道新幹線の割引切符は最大4割引

 北海道新幹線の正規料金等についてはすでに発表されていますが、重要なのは実際に使える割引切符の水準がいくらになるのかということ。このことに関して記事を書くことはすでに予告していましたが、ようやく書くことができるようになりました。

 北海道新幹線の割引切符は、インターネット主体。JR東日本の「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」や「モバイルSuica特急券」を設定します。「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」には2種類あります。乗車日の1か月前の10:00から乗車日当日の1:40まで申し込みが可能な「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」と、乗車日の1か月前の10:00から乗車日13日前の1:40まで申し込みが可能な「お先にトクだ値(乗車券つき)」です。携帯電話からを除き、発売開始日のさらに1週間前から事前予約も可能です。いずれも普通車指定席が対象で、2月26日から通年発売、3月26日から通年利用可能な商品です。割引率は、「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」が5~20%引き、「お先にトクだ値(乗車券つき)」が25~40%引き、区間によって割引率は異なります(閑散期や繁忙期も同一の割引率です)。割引率は近距離ほど高く、通常期の大人の場合(子供の設定もあります)、東京都区内-新函館北斗間(通常期22690円)の「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」は5%引きの21550円、「お先にトクだ値(乗車券つき)」は25%引きの17010円であるのに対して、新青森-新函館北斗間(通常期7260円)の「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」は20%引きの5800円、「お先にトクだ値(乗車券つき)」は40%引きの4350円です。「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」、「お先にトクだ値(乗車券つき)」の利用には、えきねっと会員登録(無料)が必要です。えきねっと会員限定、列車・席数・区間限定、インターネット予約限定のきっぷです。もっとも、5%引きしかない「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」の東京-新函館北斗間では、駅で普通に買える往復割引のほうが安いです。全然お得ではないです。また、「えきねっと」はJR東日本の切符ですが、JR北海道エリアでも、3月26日から、北海道新幹線各駅(奥津軽いまべつ、木古内、新函館北斗)と、五稜郭、函館の各駅で受け取り可能となります。ただし、JR北海道の駅では、JR東海等が含まれる予約については受け取りができません。

 さらに安いのが、「モバイルSuica特急券」、「スーパーモバイルSuica特急券」。こちらは「モバイルSuica」へのクレジットカード登録(年会費税込1030円、ただし無料キャンペーンもあり)が必要です。どちらも通年発売、通年利用可能の商品で、「モバイルSuica特急券」は乗車日の1か月前の10:00から発車6分前まで、「スーパーモバイルSuica特急券」は乗車日の1か月前の10:00から乗車日前日の23:40まで発売します。「モバイルSuica特急券」は発売開始日のさらに1週間前から事前予約登録が可能です。普通車指定席のみが対象の「スーパーモバイルSuica特急券」は列車・席数・区間限定となります(「モバイルSuica特急券」はグリーン車、「グランクラス」もあり)。「スーパーモバイルSuica特急券」の場合、東京-新函館北斗間は15460円(通常期に比べて31%引き)となり、最安値の切符となります。

 普通に「みどりの窓口」で買えるものとしては、「三連休乗車券」をリニューアルし、函館周辺のフリーエリアを拡大した「三連休東日本・函館パス」。北海道新幹線のほか、函館線函館-森間もエリアに含まれます(道南いさりび鉄道は乗車不可)。大人14050円、子供4300円で、JR東日本等が乗り放題となります。新幹線や特急等に乗るときは特急料金等が必要です。なお、JR北海道では販売していません。

 JR北海道にも「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」、「お先にトクだ値(乗車券つき)」に似たきっぷができます。「北海道ネットきっぷ」、「北海道お先にネットきっぷ」です。ただこちらは、JR北海道でも函館エリアでは受け取りが可能な「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」、「お先にトクだ値(乗車券つき)」とは異なり、JR東日本エリアでの受け取りができません。それならわざわざ独自にきっぷをつくる必要はなく、「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」、「お先にトクだ値(乗車券つき)」をそのまま使えばよいだけと思われます。

 なお、北海道新幹線の開業に伴い、「青函回数券」、「北海道全線フリーきっぷ」、「みなみ北海道フリーきっぷ」等が廃止されます。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2015/20160102.pdf、JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160105-4.pdf)

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関西広域連合、「米原ルート」撤回か?

 北陸新幹線敦賀以西のルートには、米原で東海道新幹線に接続する「米原ルート」、湖西線沿いの「湖西ルート」、若狭と亀岡を通る「若狭ルート」、JR西日本が26日の与党検討委員会で提示した「小浜-京都ルート」、そして京都府が推している京都府を串刺しにするルートの5案があります。

 このうち、関西広域連合は2013年4月、かかる建設費の安さから「米原ルート」を支持することを決定していました。ところが、28日にJR西日本は関西広域連合に北陸新幹線敦賀以西のルートについて説明し、そこで改めて「米原ルート」の問題点を指摘しました。その結果、関西広域連合は与党の検討委員会がルートを絞り込む5月までに、敦賀以西の延伸について考えをまとめることにしたのです。新たに支持するルートを決めることはしませんが、「米原ルート」を支持するというこれまでの方針を事実上撤回することになったのです。

 JR西日本の提示した「小浜-京都ルート」については、北陸の富山県、石川県も評価しています。石川県は県議会が「米原ルート」を採用するよう決議していましたが、「小浜-京都ルート」についても評価しています。大阪府も、国が「小浜-京都ルート」に決定するなら、それに従うというのです。今となっては、「米原ルート」を強く推し進めるのは、滋賀県ぐらいです。「米原ルート」は運営するJR東海、JR西日本から強い反対を受けています。「米原ルート」だと名古屋方面の利用も望めますが、意外とそれは少ないのです。名古屋のほうは便利になっても、肝心の関西方面が米原での乗り換えを迫られるのでは、採用してはならないものでしょう。ようやく「安物買いの銭失い」であることに気付いたのです。
(参考:産経WEST http://www.sankei.com/west/news/160128/wst1601280096-n1.html、毎日jp http://mainichi.jp/articles/20160129/k00/00m/040/121000c、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF27H03_X20C16A1EE8000/、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2016012802000226.html)

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名鉄名古屋駅と近鉄名古屋駅の改札を共通化へ

 2027年のリニア名古屋開業をにらんで、名古屋駅の再開発計画が進められています。

 その中で、名鉄と近鉄の改札口を近いところにするというがあります。名鉄と近鉄の名古屋駅はともに昭和10年代にできました。どちらも旧国鉄が払い下げた土地の地下にでき、場所は近接、ホームの高さはほぼ同じです。しかし、改札はJRなどとの連絡改札を除いても名鉄は7か所、近鉄は2か所あります。改札はバラバラなところにあり、計画的に駅がつくられたわけではないので、乗り換え経路は複雑となっています。まるでダンジョンのようですが、名古屋駅だけでなく、ほかのターミナル駅でもある話です。

 実はこの名鉄と近鉄の名古屋駅について、共通の改札をつくるようです。現在の名鉄名古屋駅北口周辺の地下に設置するようです。JRの名古屋駅には東西に走る中央コンコースがありますが、名古屋市はその南に並行して新しい通路をつくります。あおなみ線乗り場に行くのにも便利なその通路の東端付近に共通改札はできます。かつては複数の鉄道で共通の改札を持つことがあり、名古屋周辺でも弥冨(JRと名鉄)、桑名(JRと近鉄)、豊橋(JRと名鉄)などがあります。これらの共通改札は減る傾向にあったのですが、最近は風向きが変わっているようです。複数の鉄道にまたがって利用することのできるIC乗車券が普及しているからです。名鉄と近鉄の名古屋駅の乗降人員は合わせて1日38万人と非常に大きいですが、ICカードの普及を考えると無理ではないと考えているようです。

 名鉄は、名古屋市がリニア開業をにらんで構想をしている乗り換え広場、「ターミナルスクエア」の動きを見ながら、2017年3月までに再開発計画の具体案をまとめます。また、近鉄との共通改札以外にも、改札を設けます。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016010602000082.html)

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新幹線開業しても羽田-函館線増便、フェリーも新造

 北陸新幹線では完敗の航空機でしたが、北海道新幹線と競合する羽田-函館線については強気のようです。

 現在、羽田-函館線はJALが3往復、ANAが3往復、AIRDOが2往復の合計8往復です。ところが、航空会社各社が発表した2016年夏ダイヤ(3月27日~10月29日)によれば、JALは現行の3往復を維持したうえで、夏休み期間中の7月20日~8月11日はさらに1往復追加します。ANA、AIRDOも現状を維持します。確かに新幹線と競合しますが、スピードの面で航空機のほうが優位と判断しているようです。新幹線に対抗して極端な割引運賃を設定することもなく、むしろ新幹線開業により函館が観光地として注目され、需要そのものが増えると見ているようです。

 新幹線のライバルとなるのは航空機だけではありません。青森-函館間では船もライバルになります。津軽海峡フェリーは80億円以上をかけて4隻中2隻を、2016年度に大型の新造船に更新します。そのうち1隻は10月運航開始予定です。置き換えられるのはどちらも船の耐用年数である25年を経過してはいませんが、更新することにしました。それぞれ10月と2017年3月に退役します。それぞれ新しくつくられる船は、2014年春に導入した「ブルーマーメイド」とほぼ同じ大きさで、置き換えられる2船よりも若干大きくなります。乗用車を230台運ぶことができ、乗用車の積載能力は15%増えます。トラックは9%増の71台です。

 船内には、風呂とベッド付きの豪華な2人個室のほか、5人用、20人用などの客室があります。津軽海峡フェリーは、北海道新幹線開業後に東北と北海道を周遊する観光客の取り込みを狙っていますが、新幹線自体、乗り換えが増えて不便になるので、それを奪うことも視野に入れているのでしょう。
(参考:北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0225384.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0226240.html、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160122-22110526-webtoo-l02&pos=1)

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近大マグロの恵方巻、JR西日本の売店で販売

 節分の日に恵方巻を食べるのは、すっかり全国的な風習として定着しました。

 そんな中、株式会社ジェイアール西日本デイリーサービスネットでは、コンビニ業界で初めて、完全養殖の近大マグロを使った恵方巻を開発しました。近大マグロをカツにした(ソースはオリバーソースの「クライマックス3年仕込みとんかつソース」を使用しています)、「近大マグロかつ巻」(880円)として販売します。人気の近大マグロを、恵方巻というかたちで食べることができるのです。

 数量限定の「近大マグロかつ巻」など4種類の恵方巻は、予約制にて受付します。近畿地区の「アントレマルシェ」、「ハート・イン」、一部の「キヨスク」(全64店舗)にて受け付けます。予約受付期間は1月6日から27日まで、引渡期間は2月2日から3日までです。なお、「セブン-イレブン ハートイン」、「セブン-イレブン キヨスク」では取り扱いをしません。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/01/page_8140.html)

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青函トンネルの確認車、時速110キロにスピードアップか

 北海道新幹線が新函館北斗まで開業しても、青函トンネル等、在来線と共用する区間(約82キロ)については、最高速度が140キロに制限されます。しかし、政府は開業から2年後の2018年春には、1日1往復だけですが、共用区間でも時速200キロ運転をさせる方針です。時間帯を区切って、貨物が走らない時間帯をつくって、対応します。

 とは言っても、時間が来たら新幹線の時速200キロ運転をしてもいいわけではありません。事前に線路上に支障物がないかどうかチェックする必要があるのです。確認車というものを走らせるのですが、現在既存の新幹線で走らせているものは、時速が約60キロにとどまっています。これでは、貨物列車を運転することができない時間が長くなってしまい、物流に影響を与えてしまいます。

 そこで国交省は、既存の確認車をベースに開発を行い、速度を時速110キロに向上させる方針です。確認車の速度向上には、新幹線車両や電気機関車を改造するという案もあったようですが、開発期間や費用などの点から、既存の確認車を改造する方針としました。車載カメラやレーザー装置を増やす方向です。確認車の速度を時速110キロに向上させることにより、新幹線が高速走行する前の事前確認時間を30分ほど短縮することができ、新幹線の高速走行と貨物列車の運転を両立させることができるようです。開発にかかる費用は、2016年度予算案において5億円計上されています。

 なお、国交省は2012年度に、共用区間の速度向上の方法として、貨物列車とすれ違うときだけ減速するという案や、「トレイン・オン・トレイン」(JR北海道は開発を当面凍結しましたが)を導入するという案は、引き続き検討するとのことです。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160119-19104337-webtoo-l02&pos=2)

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名古屋市交通局、2か所で終バス延長試行

 以前に書いた記事の続報です。実は2015年12月4日から、2路線において、最終バス時刻延長の試行を行っています。鉄道駅から離れた市周辺部における市バスの利便性向上や利用促進を図るため、最終バス時刻の延長を検討していて、需要動向等を図るために、現行バス後の増便を試行しているのです。

 運行する日は、金曜日及び休日の前日。ただし、8月13~15日、12月29日~1月3日、休日を除きます。試行の期間は1年を予定しています。

 試行する路線は、鉄道駅から2キロ以上離れた地域のうち、栄を22時台の地下鉄で出発しなければ市バスに乗り継いで帰宅することができない路線が選ばれています。地下鉄高畑から河合小橋に行く高畑16系統と、星ケ丘から極楽や勢子坊を回って星ケ丘に戻る、幹星丘1系統(左まわり)の2つです。高畑16系統は現行の最終が22:32発ですが、23:30発になります。栄23:07発、名古屋23:12発の地下鉄が接続します。終点の河合小橋には23:52に着きます。幹星丘1系統(左まわり)は現行の最終が22:04発ですが、23:30発になります。名古屋23:01発、栄23:06発の地下鉄が接続します。極楽には23:45、勢子坊には23:47に着き、終点の星ケ丘には23:59に戻ってきます。

(追記)
 2016年12月2日から、これまで試行というかたちで行われてきた、最終バス時刻延長について、本格実施されることになりました。運行日及び運行便は試行時代と変わりません。
(参考:名古屋市交通局ホームページ http://www.kotsu.city.nagoya.jp/info/2007/009199.html、http://www.kotsu.city.nagoya.jp/jp/pc/BUS/TRP0001889.htm)

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JR四国、「ヤング ウィークエンド カード」を廃止

 JR四国では1997年7月1日から、週末等に一定の条件の切符を買うと、JR四国、土佐くろしお鉄道の運賃及び料金が40%になるという、会員制の「ヤング ウィークエンド カード」のサービスを行ってきました。

 しかしこのサービス、2017年3月31日をもって廃止されることになりました。会員数の減少が理由のようです。新規会員申し込みと更新手続きは2016年3月31日まで、割引切符の発売と利用は2017年3月31日までとなります。松山-宇和島間等の特急自由席が安くなる「南予・松山Yきっぷ」については2017年3月31日利用開始分まで発売します。有効期間は4日間のままです。
(参考:JR四国ホームページ http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2015%2012%2022%2002.pdf、マイナビニュース http://news.mynavi.jp/series/railwaynews/008/)

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ANA羽田-富山、小松線は1日4往復に

 北陸新幹線の影響でライバルの航空機の利用が減っているということは以前に書きましたが、ついに2016年3月27日からANAの羽田-富山、小松線が減便されることとなりました。現在1日6往復ずつだったのが4往復ずつになります。ただ、一部の便に中型機を導入し、羽田-小松線においては提供座席数は現状と同程度になります。

 ANAの両路線の利用者は、新幹線の開業により4割減りました。航空機を小型に変えるなどのコスト削減も行いましたが、観光客に比べて単価の高いビジネス客が新幹線に流出し、割引を増やしたこともあり、収入ベースで考えると、羽田-富山線は6割減、羽田-小松線は5割減となりました。地元としては企業に航空機での利用を促していますが、どう考えても新幹線のほうが便利である以上、航空機の利用が振るわないのは当然のことです。地元が新幹線を引っ張ってきたのですから、航空機が減便になるということは甘受しないといけないでしょう。

 なお、両方の路線とも、ANAとしては撤退を考えていないようです。
(参考:朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASJ1H34G1J1HULFA003.html、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2016012102100008.html、http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2016012102100007.html、毎日jp http://mainichi.jp/articles/20160122/ddl/k17/020/248000c)

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北海道新幹線、倶知安までを先行開業か?

 北海道新幹線の新函館北斗-札幌間は2030年度末に開業する予定です。15年ほど先の話です。

 そこで北海道商工会議所連合会の中で浮上しているのが、新函館北斗-倶知安間(約140キロ)を先行開業させるという案。北海道新幹線新函館北斗開業の効果を見極めたうえでの話となりますが、2025年度の開業を目指して政府や与党に働きかける方針です。

 なぜ倶知安までかといえば、倶知安の近くに世界的なスキーリゾートで知られるニセコがあること。新幹線ができたら、新函館北斗-倶知安間は約40分、東京からでも4時間台で結ばれます。倶知安-札幌間に接続列車を設定すれば(札幌まで新幹線が開業すれば用済みになりますから、5年程度しか使わないものに高速化などの改善は見込めないでしょう。特に小樽以西は分離されそうですから)、東京-札幌間の所要時間も6時間台になりそうです。そして、ライバルの航空機は、新千歳空港から倶知安、ニセコへの移動に3時間近くかかるので、新幹線のほうが速いのです。新函館北斗開業の段階で外国人観光客が新幹線にシフトするという話がありますが、それがさらに強化されるのです。

 確かに倶知安まで開業すれば外国人観光客の誘致が図られるでしょう。函館-札幌間も乗り換えが2回ありますが、(乗り換え時間が異様に長くならない限り)現行より若干は速くなりそうです。ただ、外国人観光客が日本人を圧倒するほどいるわけではなく、北海道内のユーザーに2回も乗り換えさせることを考えると、倶知安までの部分開業を急ぐべきかといえば微妙なところです。札幌で2030年冬季オリンピックが実現すれば(札幌市は2026年のオリンピック招致を目指していますが、2018年の韓国平昌、2022年の北京と東アジアでの冬季オリンピックが続くこと、2026年の開催地が決まる2019年には日本オリンピック委員会が2020年東京オリンピックの準備で札幌までは手が回らないことから、2030年が現実的だとされています)、それより前の2029年秋ぐらいに札幌までの全線開業をさせるようにするほうが現実的です。
(参考:北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0220753.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0221460.html)

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中国で寝台にも座席にもなる新幹線、運行開始

 鉄道の営業距離が長くなると、夜行列車が出てきます。働くことができる昼間を移動でつぶすことはもったいないからです。そして、昼行列車なら座席が並びますが、夜行列車ならベットがあるものもあります。椅子で寝るよりも、ベッドで寝るほうが寝やすいからです。路線網が長い中国の高速鉄道では、寝台車のある列車もあります。

 しかし、座席車は夜になると車庫に泊まります。寝台車は昼間車庫で泊まります。寝台車をそのまま座席車として使うのは使いづらいからで、効率よい使い方ではありません。

 そこで2015年の年末から運行を始めたのが、寝台・座席両用の高速鉄道車両、D321。下段のベッドが引き出し式となっていて、簡単に座席に変えることができます。夜間は寝台列車として運行し、日中は座席列車として利用できるため、車両を効率よく使うことができます。大雑把に言えば、583系が新幹線になったイメージでしょうか?

 D321の最高速度は時速250キロ、16両編成で両端は座席車、中央部分には寝台部分もある食堂車があります。残りの13両はすべて個室の寝台車です。定員は寝台列車のときは642人ですが、座席列車にすると908人に増えます。個室の中には読書灯のほかコートフックやマガジンラック、パーテーションなどが完備され、大型荷物の収納スペースも増え、座席の増設も可能となっています。運転室には運転士専用のベッドも備えられています。
(参考:Sankei Biz http://www.sankeibiz.jp/macro/news/151230/mcb1512300500005-n1.htm)

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大和八木と吉野を結ぶバス

 2014年の秋に吉野大峯ケーブル自動車が多武峰と吉野を結ぶバスを運行していたことは以前に記事にしていましたが、実はそれがパワーアップしていました。

 2015年11月1日から運行していたこのバスは、大和八木駅と吉野下千本駐車場を1日3往復するもの。3~11月の休日(4月は除きます)と11月中は毎日運行します。途中、藤原宮跡、天香久山下(一部便は通過)、甘樫丘前、橘寺前、石舞台、談山神社、多武峰、ツーリストインフォメーションセンター清明館、吉野神宮に停まります。大和八木駅-下千本駐車場間の所要時間は1時間5分で、運賃は1450円です(区間運賃の設定もあります)。

 交通の拠点である近鉄大阪線の大和八木駅に直結し、観光地の明日香や談山神社を経由することにより、これまでは公共交通機関では行きづらかったこの地域でも、周遊することが可能になります。

(追記1)
 ところが、2017年7月現在、大和八木と吉野を結ぶバスは11月のみの運転となっています。また、大和八木に行くのは1日2往復しかありません。

(追記2)
 長い間乗ることができない状態になっていた大和八木と吉野を結ぶバスですが、2018年7月15日に突如廃止になってしまいました。
(参考:吉野大峯ケーブル自動車ホームページ http://www.yokb315.co.jp/kotsu_aki.htm、https://ja-jp.facebook.com/yokb315、http://www.yokb315.co.jp/route_bus_mahoroba.php、http://www.yokb315.co.jp/blog_detail.php?id=11103、吉野町ホームページ http://www.town.yoshino.nara.jp/chosei/siryou51.pdf)

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北陸新幹線、京都経由が有力か?

 21日に北陸新幹線敦賀以西の延伸ルートを選定する与党の検討委員会が行われました。21日は大阪府と大阪市から意見の聴取を行いました。そこで松井大阪府知事は、関西広域連合が推し進めていた「米原ルート」にこだわらず、ともかく早く大阪につなげることを要望しました。これまでの「米原ルート」への支持を撤回したかたちとなっています。

 北陸新幹線敦賀以西のルートについては5つありますが、関西広域連合はが推し進めているのは、「米原ルート」。敦賀から米原に行き、そこで東海道新幹線に接続させるもので、建設区間が短いという利点がありますが、JR東海の東海道新幹線に乗り入れないといけません。そして、肝心のJR東海は反対しています。同じフル規格でも、米原で乗り換えしなければならないという代物になるのです。「安物買いの銭失い」がぴったりの「ルート」です。ちなみに、京都府が推している京都府を串刺しして関空に行くルートについては、松井知事は新大阪を通ることを要望するとともに、関空までつながることについては評価していますが、新幹線完成が遅れないようにと釘を刺しています。

 どうやら今のところ、北陸新幹線の敦賀以西は、JR西日本が検討している若狭と京都を通るルートが有力のようです。与党でも京都を経由することから評価する声が強く、国の整備計画にもかないます。国の整備計画では北陸新幹線は小浜市付近を通ることとなっており、かなり昔につくられた計画とはいえ、これを変えるには審議会などでの審議に時間がかかることになります。ともかく大阪まで北陸新幹線を開業させたい松井知事は、そういう観点からも変更に手間のかかる「米原ルート」支持を撤回したとも言われています。もっとも、北陸新幹線が経由しなければならないのは小浜市付近であって、小浜ではありません。小浜市内、小浜駅を経由しなければならないわけではないのです。若狭のどこかに駅ができればいいと割り切ったほうがよいでしょう。

 与党の検討委員会の次の会合は26日、JR西日本、JR東海に意見を聴取する予定です。

(追記)
 26日の意見聴取において真鍋JR西日本社長は、JR西日本が検討している若狭と京都を結ぶルートが望ましいとの発言を行いました。京都駅は地下になり、新大阪駅も地下を考えているようです。京都-新大阪間は東海道新幹線とは別に建設します。東海道新幹線の代替機能を果たすためです。京都までの暫定開業は考えていないようで、一気に新大阪まで開業することを求めています。また、どうやら滋賀県は全く通らないようです。

 「米原ルート」については、東海道新幹線とのダイヤの調整やシステム統合の問題から否定的な見解を示しました。JR東海も「米原ルート」には否定的です。ということは、山陽新幹線との直通もないと考えられます。

 与党の検討委員会は集客見込みなどを検討して夏の参院選までにルート案を2つほどに絞るようですが、JRから拒否されている「米原ルート」や、どう考えても遠回りの京都府串刺しルートは止め、JR西日本の考えている若狭と京都を通るルートをベースに考えるのが望ましいでしょう。

 北陸新幹線は金沢止まりでは、単に東京と北陸を結ぶだけの、ローカルな新幹線です。大阪までの全線が開業して初めて、北陸新幹線が完成するのです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/economy/20160121-OYT1T50206.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H3Q_R20C16A1PP8000/、福井新聞ホームページ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/87638.html、http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/88272.html、産経ニュース http://www.sankei.com/west/news/160126/wst1601260082-n1.html、THE WALL STREET JOURNALホームページ http://jp.wsj.com/articles/JJ10442589621049743802417251311661061331602、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASJ1V4SHFJ1VULFA013.html、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/hokuriku-shinkansen-9/)

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南海浜寺公園駅駅舎、1月27日で引退

 南海浜寺公園駅の駅舎は、東京駅丸の内駅舎などの設計で知られる辰野金吾博士によってつくられたもの。1907年に建て替えられ(駅の開業は1897年)、明治、大正、昭和、平成の109年にわたって使用されました。木造平屋建て、ハーフティンバー様式の美しい駅舎です。1998年には隣の諏訪ノ森駅西駅舎とともに、大手私鉄では初めて国の登録有形文化財として登録されました。

 しかし、この浜寺公園駅駅舎も、1月27日の営業終了をもって閉鎖されます。南海本線(堺市)連続立体交差事業の進捗に伴うもので、翌日の28日からは隣に建設されている仮駅舎を使うこととなります。

 なお、100年以上の伝統を誇る浜寺公園駅駅舎ですが、今後、新駅舎のエントランスなどとして保存活用される方向です。立体交差事業は2027年度に完成予定です。
(参考:南海ホームページ http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/160120.pdf、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASJ1N53DBJ1NPPTB006.html)

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ひたちなか海浜鉄道延伸に、国が調査費

 ひたちなか海浜鉄道の延伸構想については以前に記事にしましたが、どうやら前に進んでいるようです。

 延伸構想は阿字ヶ浦駅と国営ひたち海浜公園を結ぶものですが、4つの案があります。それをひたちなか市は3月末までに一本化します。延伸ルートを決定するのです。ひたちなか市は終着駅付近のまちづくりとセットで延伸ルートを決めます。

 延伸ルートを決定するのにもお金がかかります。しかし、その調査費の一部は、国から補助が出ています。2015年度の一般会計で予算化しているためです。国交省国土政策局の「官民連携による地域活性化のための基盤整備推進支援事業」(国が1/2補助)の第3回募集分で、2015年9月下旬にほかの2か所と共に選ばれました。900万円の調査費(国は450万円補助)は、鉄道延伸のための事業費試算、ルート決定の基礎資料となる工事費積算、終着駅の基本レイアウトと駅前広場の整備構想、新規バス路線開設などに使われます。まちづくりと地域活性化の観点から調査します。
(参考:茨城新聞ホームページ http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14509562881638、国交省ホームページ http://www.mlit.go.jp/common/001104273.pdf)

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西武、近江鉄道を完全子会社に

 近江鉄道は、滋賀県内で鉄道事業やバス事業を行っている会社。地域的に縁がなさそうなのですが、西武鉄道の子会社です。94.8%の株式(議決権ベースでは96.3%)を保有しています。

 なぜ西武鉄道の子会社になったのかといえば、1943年に箱根土地(後のコクド)のグループに入ったため。箱根土地は武蔵野鉄道(現在の西武鉄道)などの実質的な持株会社でした。当時箱根土地を経営していたのは堤康次郎氏(故人)。近江鉄道沿線の出身でした。それが今でも続いているのです。

 ただ、先ほども述べたとおり、近江鉄道は西武鉄道の100%子会社ではありません。ところが14日のことですが、西武ホールディングスは、西武鉄道(西武ホールディングスの子会社)が近江鉄道の残りの株式を取得し、完全子会社にすることを発表しました。西武ホールディングス全体の企業価値向上を目指すのが目的のようです。
(参考:レスポンスホームページ http://response.jp/article/2016/01/14/267784.html)

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新城から新東名で名古屋へ高速バス?

 新東名浜松いなさジャンクション-豊田東ジャンクション間は、2月13日に開通します。途中の新城市内には新城インターチェンジもできます。

 そこで穂積新城市長は、名古屋市内への高速バスを運行することを考えているようです。1日3往復運行するようです。新城インターチェンジから新東名を利用すると約1時間で名古屋市内に到着できるようで、名古屋市内への通勤通学も可能となります。課題としてはバスや運転士の確保(海外からの観光客の増加で不足しています)、名古屋市内でのバス停の確保などです。

 新城市は今年中の運行開始を考えているようです。

(追記1)
 豊鉄バスは7月1日から、新城-名古屋藤が丘、長久手間に高速バスを運行します。新城側は亀姫通(新城駅南)、新城市役所、川路(三河東郷駅)に、名古屋側は藤が丘駅、長久手古戦場駅に停まります。平日は1日3往復、休日及び年末年始は1日2往復します。新城-藤が丘間の所要時間は75~85分、片道運賃は1000円です。

(追記2)
 ところがこの「山の湊号」、当初は1便あたりの乗客を8.5人と想定していましたが、3~4人にとどまっています。本数が少なく、名古屋駅や栄に直通しないことがその原因と言われています。どうやら名古屋市の中心部でバス停を確保するのが難しいようです。

 そこで新城市は2017年1月からバスの回数券を販売することにします。4枚綴りで3000円、25%引きです。運行を委託する豊鉄バスの営業所などで扱います。
(参考:朝日新聞1月14日朝刊 中部14版、朝日新聞2月12日朝刊 中部14版、豊鉄バスホームページ http://www.toyotetsu.jp/news/#NEWS1、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20161227/CK2016122702000052.html)

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京都府は「舞鶴ルート」推し?

 北陸新幹線敦賀以西のルートについて、舞鶴を通り、京都府を串刺しするように通る「舞鶴ルート」という案があります。かなりの遠回りで、舞鶴など京都府北部の町以外、だれが得するかわからない代物ですが、このとんでもない案を京都府は支持するようです。

 「舞鶴ルート」は、日本海拠点港のある舞鶴と、京都を結ぶもの。人口減少が著しい京都府北部と発展している京都市周辺との格差という、京都府の南北問題を是正するという意味で、京都府は評価しています。京都市も京都全体のことを考え、支持しています。

 もっとも、この「舞鶴ルート」の場合、京都府を通過する距離がほかの案よりも長くなります。建設費の地元負担額は増え、並行在来線問題も出てきます。福井県は若狭を経由する「若狭ルート」の場合でも、JRから分離される並行在来線を他県にある湖西線にしようとしていますが、これだけ小浜線と完全に並行するようでは、並行在来線を他県に押し付けることはできません。小浜線だけでなく、舞鶴線や山陰線(園部までは利用者が多いから分離されないでしょうが)も影響することでしょう。

 京都府が山陰線の強化などを狙って、「舞鶴ルート」を支持するなら、戦略の一環でしょう。落としどころがあるからです。ところが、本気で「舞鶴ルート」を推し進めようとするなら、「我田引鉄」以外の何物でもありません。現に、福井県や大阪府も「舞鶴ルート」には否定的です。
(参考:京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20160101000023、http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20160104000096、http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20160107000071、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20151229/CK2015122902000005.html)

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京阪3月19日ダイヤ改正で、「洛楽」定期化

 京阪は3月19日にダイヤ改正を行います。

 この改正で目立つのは、春秋の行楽シーズンに運行されている快速特急「洛楽」の定期化。休日ダイヤ実施日は毎日運行します。午前は京都方面行きを5本(淀屋橋9:00発から11:00発まで、30分間隔、所要時間50分)、午後は大阪方面行きを5本(出町柳16:02発から18:02発まで、30分間隔、所要時間50分)運行します。この「洛楽」が運行されている時間帯は、1時間に快速特急を2本、特急を4本、快速急行を2本運行します。後述するその他の時間帯とは異なることとなります。

 快速特急「洛楽」が運行されない時間帯の主役は、特急。この特急も改善されます。昼間時間帯において、待避駅や停車時間を見直すことによって、特急の所要時間が短縮されます。淀屋橋-出町柳間で、出町柳行きは2分短縮して54分、淀屋橋行きは4分短縮して54分となります。特急と交野線、宇治線との接続時間も見直し、淀屋橋-宇治間のように6分も短縮する例もあります。

 昼間のダイヤパターンが変わります。これまでは1時間に淀屋橋-出町柳間の特急が6本、淀屋橋-樟葉間の急行が3本、淀屋橋-出町柳間の準急が3本、中之島-出町柳間の普通と中之島-萱島間の普通が3本ずつでした。それがダイヤ改正後は、1時間に淀屋橋-出町柳間の特急が6本、淀屋橋-出町柳間の準急が6本、中之島-枚方市間の普通と中之島-萱島間の普通が3本ずつとなります。特急、準急、普通の3種類に集約され、(普通の半数が枚方市発着なのを除けば)わかりやすいダイヤになります。特急、準急、普通の接続駅は特急と準急が樟葉、丹波橋、三条、特急と普通が枚方市(普通が1時間に3本しかないため20分ごと)、準急と普通が京橋(京都方面行きのみ)と守口市です。

 そのほか、枚方市5:04発の区間急行淀屋橋行きを樟葉5:00発の準急淀屋橋行きに変更することにより、樟葉などから大阪方面への到着時刻が早くなります。これまで樟葉行きであった出町柳0:00発の普通が枚方市行きになり、枚方市への最終が約12分遅くなります。反面、夜間のダイヤが見直され、平日の大阪方面行きの20~22時台、京都方面行きの21~22時台、休日の大阪方面行きの19~22時台、京都方面行きの20~21時台は12分間隔になります。
(参考:京阪ホームページ http://www.keihan.co.jp/info/upload/2016-01-18_train-diagram.pdf)

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新幹線で新函館北斗に来ても、函館へはICカードは使えない

 当分の間北海道新幹線の終点となる、新函館北斗。新函館北斗から函館市内への主なアクセスは、JR北海道の「はこだてライナー」です。

 東北新幹線・北海道新幹線は「モバイルSuica」(会員数約370万人)が使えます。函館市内では、函館市企業局の市電と函館バスが、2017年3月にICカードを導入します。国交省は地方へのICカード導入を支援しており、函館市と函館バスはそれを利用して導入することにしました。市電30両、バス約250台(道南2市15町を走ります)で使えます。函館バスは新函館北斗と函館市内を結ぶ路線ができますから、「モバイルSuica」会員なら東京から函館市内までチケットレスで行くことができます。新幹線開業から少々遅れますが。

 しかし、肝心の「はこだてライナー」では、ICカードを使うことはできません。JR北海道が函館-新函館北斗間に「Kitaca」を導入しないからです。函館、新函館北斗など中間4駅を含めて整備しなければならないからです。導入コストが高いとしてJR北海道は消極的です。ちなみに、「Kitaca」を札幌圏55駅に導入したときに要した費用は約40億円でした。

 函館市や函館商工会議所などでつくる北海道新幹線新函館開業対策推進機構は、2015年11月にJR北海道に対して、函館-新函館北斗間へのICカード導入を要請しています。函館や五稜郭ならともかく、それ以外の駅についてはICカードリーダーを設置するというかたちでこの区間のICカード導入を進めたほうが良いでしょう。
(参考:北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0221954.html)

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岡山県の2つの観光列車の続報

 JR西日本がこの春から岡山県内に2つの観光列車を走らせることは以前にも記事にしましたが、その続報です。まずは「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」から。

 外装は白をベースに、窓には旅に必要な旅行鞄が描かれています。ロゴマークは旅行鞄につけるタグをモチーフとしていて、ヘッドマークも基本デザインは旅行鞄をモチーフにしたものとなっています。ただ、宇野線方面への「ラ・マル せとうち」として運行されるときは、碇をイメージしたものになります。港町宇野のイメージです。

 「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」は当初、「ラ・マル せとうち」として運行されます。運行開始日は4月9日です。ダイヤは下りが岡山10:10ごろ発、上りが宇野15:00ごろ発です。所要時間は1時間で、ノンストップです。6月までの運行日も発表されています。瀬戸内国際芸術祭会期中(春会期3月20日から4月17日、夏会期7月18日から9月4日、秋会期10月8日から11月6日)は水曜日以外毎日運行します(祝日に当たるときは水曜日でも運行します)。それ以外の時期は休日と5月2日、6日に運行します。全車グリーン席で、岡山-宇野間のグリーン料金は770円です。

 さて、もうひとつの観光列車、「ノスタルジー」。ヘッドマークは旧津山扇形機関庫をモチーフとしています。運行開始日は4月2日ですが、4月2日と3日は「岡山デスティネーションキャンペーン オープニング記念号」として岡山-津山間を1日1往復します。要予約、定員制ですが、時刻や予約方法は後ほど発表されます。

 4月9日から6月26日までの土日は、快速「ことぶき」のうち2往復(岡山9:40ごろ発、13:05ごろ発、津山11:30ごろ発、15:55ごろ発)を「みまさかノスタルジー」として運行します。全車自由席の津山15:55ごろ発の「みまさかノスタルジー3号」を除いて、1両が指定席(指定席料金520円)、1両が自由席(運賃のみで乗車可)です。自由席なら運賃だけで気軽に乗ることができます。

(追記)
 「ノスタルジー」のボックス席の窓下には栓抜き付きのテーブルがあります。この栓抜きを利用できるように、「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」期間中、岡山駅と津山駅のホームに瓶ジュースを売る自動販売機を設置します。またこの期間中、「みまさかノスタルジー2号」、「みまさかノスタルジー4号」の発車前には、岡山駅ホームで軽食や特産品の販売を行います。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2015/12/page_8072.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2015/12/page_8070.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/01/page_8218.html)

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日本旅行、西日本ジェイアールバスサービスに出資

 ますます増え続けるインバウンド需要。西日本ジェイアールバス(本社:大阪市北区、1月中に大阪市此花区に移転予定)は2015年10月1日に、貸切バス事業を行う(2016年初めに免許取得予定)、西日本ジェイアールバスサービス株式会社を設立しました。資本金は1200万円で、西日本ジェイアールバスが株式を100%保有しています。

 ところが、日本旅行は西日本ジェイアールバスサービスが行う第三者割当増資に応募することになりました。インバウンドは需要が増え続けていますが、その影響で貸切バスなどの仕入れが難しくなっています。そこでJR西日本グループである西日本ジェイアールバスサービスと連携して、西日本エリアにおいて貸切バスの強化を図ることになりました。

 日本旅行が取得するのは普通株式4300株。取得後の持ち株割合は15.2%となります。1月下旬に払い込み予定です。増資によって、西日本ジェイアールバスサービスの資本金は3200万円となります。
(参考:西日本ジェイアールバスホームページ http://www.nishinihonjrbus.co.jp/news/show/id/252?jrb_usr=4b4da6d9481872163b6b5a9dc49b6b15、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2015/12/page_8089.html)

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姫新線、加古川線、播但線に「ICOCA」、姫路に乗り換え改札

 姫新線、播但線、加古川線で「ICOCA」のエリア拡大がなされるという話は以前にも書きましたが、その日が決まりました。3月26日です。姫新線の播磨高岡から播磨新宮までの6駅、加古川線の日岡から西脇市までの12駅、播但線の京口から寺前までの11駅です。これらの駅では、「ICOCA」などの交通系ICカードが使え、「みどりの窓口」等で「ICOCA」や「ICOCA定期券」を発売します。一部の自動券売機では、チャージや利用履歴の確認ができます。

 さて、姫新線や播但線のターミナルとなる姫路ですが、1~4番のりば(姫新線、播但線ホーム)と5、6番のりば(山陽線)との間に乗り換え改札を新設します。姫新線や播但線から乗車した人やこれから姫新線や播但線に乗車する人は、乗り換え改札にて姫路までの運賃を確認します。不足額がある場合は精算もしくはチャージする必要があります。加古川での加古川線乗り換え改札についても、同様の扱いとなります。姫新線、播但線、加古川線は無人駅も多いでしょうから、こういう拠点駅で精算させるのは徴収漏れを防ぐ点でよいでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/151218_02_keihanshin.pdf)

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西鉄の新観光列車は途中下車しながらの旅?

 西鉄が2018年度までに導入を目指す本格的な観光列車。それについての続報です。

 観光列車の中では、車内で地元産食材を使って調理された食事を楽しむことができるほか、酒どころである筑後地域の日本酒も提供されます。一部の駅には、駅構内で特産品の買い物をすることができる市場を設けます。

 しかもこの観光列車、ずっと乗ってばかりではありません。柳川や大宰府といった有名どころのほか、世界文化遺産に登録された旧三井三池炭鉱のある大牟田でも途中下車するようです。太宰府に行くことからも分かるように、支線の甘木線や大宰府線にも乗り入れるようです。観光列車とは別に計画されている、豪華バスとの連携も検討するようです。

(追記)
 西鉄の特急に乗れば、福岡(天神)-大牟田間は約1時間ですが、この観光列車は2~3時間をかけてゆっくりと走り、列車内で九州各地の食材を使った食事を楽しむことができます。太宰府や柳川、大牟田では西鉄の観光バスやJR九州の在来線、あるいはフェリーに乗り継いで、九州各地の観光地を訪ねてもらいます。

 車両は新造あるいは既存の車両の改造となります。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/articles/20151217/k00/00m/020/175000c、「鉄道ファン」2016年4月号 交友社)

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宇都宮ライトレールは新幹線と在来線の間を通る

 宇都宮の街を東西に走る計画の宇都宮ライトレール。当面は宇都宮駅から東のみの開業ですが、最終的にはJRを越えて西のほうに行きます。商業施設が立ち並ぶ中心部を通り抜け、足利銀行本店付近を終点とします。

 しかし、宇都宮駅は在来線が地上を、新幹線が高架を走ります。どうやってJRを越えるのでしょうか? これについては、宇都宮市とJR東日本が協議をしていて、宇都宮駅の東西にスロープを設け、新幹線と在来線の間をLRTが通り抜けるようにする方針となっています。しかし、新幹線と在来線の間には、新幹線や在来線の改札口、商業施設などがあり、具体的にどこを通るかはまだ決まっていないようです。
(参考:ニュースイッチホームページ https://newswitch.jp/p/3004)

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熊本電鉄「青ガエル」は、2月14日引退

 熊本電鉄の5000形は、東急の生き残り。東急時代から「青ガエル」と言われていました。

 その5000形、今はたった1両(5101A号車)のみ残っています。ほかの鉄道会社ではすでに引退していて、この1両が東急5000系の最後の車両です。そしてその残る1両についても、以前に書いたように、引退の時期が近づいています。そして、1月8日、その熊本電鉄から引退の日が発表されました。

 その日は2月14日です。それまでに運行する日は7日間、日曜日の1月10日、17日、24日、31日、2月7日、14日のほか、引退前日の2月13日(土)も運行します。2月14日以外は、上熊本-北熊本間を終日運行します。2月14日は夕方(16:32発から)から最終列車までの運行です。2月13、14日については、イベントも行われます。熊本電鉄としては、最終日は混雑が予想されることから、前日までの乗車をすすめています。

 なお引退後は、営業線での走行はできないものの、北熊本での保存を予定しています。イベント時には引っ張り出される可能性があるようです。

(追記)
 5000形の運行日が追加されました。2月8日、11日の2日間、終日運行します。最終日の14日は、北熊本7:02発から北熊本15:29着までと、北熊本16:23発から北熊本20:59着まで運行します(1時間ほど運行しない時間帯があるのは、北熊本車庫での撮影会及びセレモニーがあるためです)。運行区間はすべて北熊本-上熊本間です。
(参考:熊本電鉄ホームページ http://www.kumamotodentetsu.co.jp/news/20160108853.html、http://www.kumamotodentetsu.co.jp/news/pdf/5101A%E5%8F%B7%E8%BB%8A%E5%BC%95%E9%80%80%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf、http://www.kumamotodentetsu.co.jp/news/20160204876.html、railf.jp http://railf.jp/news/2016/02/15/170000.html)

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北陸新幹線用E2系、定期列車から引退へ

 1997年の長野新幹線(現:北陸新幹線東京-長野間)開業以来、「あさま」用として使われてきたE2系。

 しかし、2014年3月のダイヤ改正時に北陸新幹線用E7系が先行導入され、その後も順調に増やしていきました。2015年12月現在、北陸新幹線用E2系は4編成のみ残っていて、東京-長野間で5往復を運行していますが、2016年3月のダイヤ改正以降は、定期列車から引退し、臨時列車として使われることになりました。北陸新幹線はE7系及びW7系だけで運行されることになります。すでに、2015年12月25日からは、年末年始などの繁忙期を中心に、座席数の多いE7系に置き換えられ、E2系が走らない日が出ているようです。

 もっとも、JR東に日本長野支社によれば、E7系の運行状況によっては、2016年3月のダイヤ改正以降も、定期列車として運行する可能性もあるとのことです。
(参考:北陸新幹線で行こう! 北陸・信越観光ナビ http://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000005353)

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北陸新幹線開業によって、「しらさぎ」の利用が減った?

 JR西日本は、年末年始(12月25日から1月5日までの12日間)の利用状況について発表しました。

 やはり、年末年始でも北陸新幹線の好調は続きます。一時のような前年の3倍ということはありませんが(前年の数字は北陸線直江津-糸魚川間の「はくたか」「北越」の利用者数)、それでも対前年比219%と、倍以上に増えています。

 北陸新幹線が開業すれば、金沢から西の利用者が減ってしまうとの危惧もありましたが、「サンダーバード」は年末年始も利用者は増えています。対前年比103%です(京都-敦賀間の数字)。開業直後と同じような状況で、北陸新幹線金沢開業の段階ではデメリットしかない関西でも、北陸が観光地としてクローズアップされていると言えます。

 ところが、北陸と名古屋を結ぶ「しらさぎ」の利用は減っています。JR西日本によれば、米原-敦賀間の数字で対前年比84%、16%も減っています。これは年末年始だけの話ではありません。JR東海によれば、北陸新幹線開業以降、「しらさぎ」の名古屋-大垣間の利用客が約1割減っているというのです。北陸が新幹線開業により注目を浴びているのなら、「しらさぎ」の利用者も増えるはずです。

 それが減っているのは、これまで東海道新幹線と「しらさぎ」を使って東京と北陸の間を行き来していた人が北陸新幹線にシフトしたからだと考えられます。以前にも書いたとおりで、予測できた話です。

 とすると、これまで乗り継ぎ需要もあった北陸-中京間の需要は、割り引かないといけません。北陸-中京間の需要は思ったよりも少ないです。それにもかかわらず、北陸新幹線敦賀以西のルートの中には、わざわざそのあまりいない中京方面への利用者に配慮した、「米原ルート」というものもあります。しかもこのルートを通ると、せっかくフル規格の新幹線をつくっても、北陸-関西間の直通運転はできません。米原で新幹線同士の乗り換えを迫られます。そういうルートを選ぶ必要はないでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/01/page_8126.html、乗りものニュース http://trafficnews.jp/post/47600/、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/151202/wst1512020084-n1.html)

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湖西線で防風柵を追加整備

 関西と北陸を直結する重要な路線である、湖西線。「サンダーバード」が多数走っています。

 ところが、この湖西線の欠点は風。琵琶湖の西側を走るため、強風による輸送被害が度々生じています。米原回りで運転されることもあり、その場合は所定の時刻より遅れます。

 そこで、湖西線に防風柵を整備することが進んでいます。2008年12月には比良-近江舞子間の山側沿線、2012年2月には近江舞子-北小松間の山側沿線、合計4.2キロが整備されました。その後、2月初旬に志賀-比良間の山側沿線約2.5キロが完成します。

 さらに防風柵の追加整備がなされます。和邇-志賀間の山側沿線約3.3キロ(2016年度中の完成予定)、近江中庄-永原間の山側沿線約3.4キロ(2017年度中の完成予定)、永原-近江塩津間の山側沿線約1.2キロ(2017年度中の完成予定)の3か所です。防風柵を整備すれば、強風規制値が緩和され、運転見合わせ時間が1/3以下になると見込まれています。整備費は北陸線に整備中の2か所を合わせ、6か所で約70億円を要します。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2015/12/page_8060.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2015/12/page_8062.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO95227270X11C15A2LDA000/)

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大井川鐵道の「きかんしゃトーマス号」、2016年も運行

 人気の大井川鐵道の「きかんしゃトーマス号」、2016年も運行します。株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツと大井川鐵道は、「きかんしゃトーマス号」の2016年の運行スケジュールを発表しました。

 2016年は6月11日から10月10日までの77日間、合計174本運行します。しかも、詳細はわかりませんが、2016年は新たなキャラクターが登場する予定です。走行期間中にはイベントや限定商品の発売を予定しています。
(参考:ソニー・クリエイティブプロダクツホームページ http://www.scp.co.jp/biz/release/151216.pdf)

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東海道新幹線に新型車両、2020年度から

 N700Aの増備が進みつつあるJR東海の東海道新幹線。4代目に当たる(500系はカウントされていないようです)700系は2019年度末に引退します。N700系追加投入により、追い出されるのです。

 そして、2020年度以降はどうなるのでしょうか? 実は7代目となる新型車両が投入されるのです。N700Aとは違う形式になるのです。

 それでは、その新型車両とはどういうものでしょうか? 外観ははっきりとは決まっていませんが、N700Aのように、鷲が翼を広げたような先頭形状が踏襲されるようです。発熱が少ない次世代半導体を使うことで冷却機能を簡略化し、モーターなどの駆動システムを10%以上軽くすることができます。1編成(16両)で約7トンの軽量化を図ることができます。車体が軽くなると線路や橋の負担が軽くなって補修が容易になり、大規模な更新も減らすことができます。走行に伴う振動や風切り音も小さくなり、車内や沿線への騒音も減らすことができます。駆動システムは小型化され、床下の空いたスペースに安全対策機器などを搭載することができます。電力消費量は0系と比べると半分になるようです。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016010590090213.html)

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JR東海旧371系は、水戸岡氏デザイン

 富士急が(1編成しかない)JR東海の371系を購入し、3両編成に改造していることは以前にも記事にしましたが、新たな情報が入りました。水戸岡氏によって、JR東海時代とは全く違うデザインになるのです。

 JR東海の371系は、富士急で「富士山ビュー特急」という名前になります。2月に引退する予定の「フジサン特急」2000系に代わり、4月以降に運行を開始します(具体的な日付やダイヤは、決まり次第発表されます)。JR東海のときは白をベースとした車体でしたが、「富士山ビュー特急」はくすんだ赤い車体(さび朱色)になります。内装はこれまでの水戸岡氏デザインの車両同様、木を活かしたものとなり、車内ではアテンダントが同乗し、カウンターでオリジナルの軽食やスイーツ、ドリンクを提供します。ゆったりとしたホテルのような空間を演出することを目指しています。元小田急の8000系と並んで(JR時代の雰囲気を壊さないように)共演するかと思っていたのですが、意外な結果となりました。

 「富士山ビュー特急」の運行は、富士急創立90周年事業の一環として行われるようです。3両編成の「富士山ビュー特急」は富士急行線の大月-河口湖間を走ります。途中停車駅は都留文科大学前、富士山、富士急ハイランドです。
(参考:富士急ホームページ http://www.fujikyu-railway.jp/news/info.php?no=132、産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/160107/rgn1601070057-n1.html、産経フォト http://www.sankei.com/photo/story/news/160106/sty1601060008-n1.html)

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水陸両用の飛行機で瀬戸内海上空を遊覧飛行

 尾道市に本社がある、せとうちSEAPLANESという会社(ツネイシホールディングスの関連会社)が、水陸両用の飛行機で瀬戸内海上空を遊覧飛行する事業を始めることになりました。

 遊覧飛行に使う飛行機は、アメリカの航空機メーカーの小型機を水陸両用に改造したもの。機体の長さは約10メートル、翼の幅は約13メートルで、9人の乗客を乗せて約500キロを飛行することができます。すでに4日に遊覧飛行に使用する飛行機のうち1機が尾道市のマリーナに到着しています(1機約4億円で、今後、3機追加導入する予定です)。

 せとうちSEAPLANESは、マリーナを起点に宮島や小豆島、しまなみ海道など、瀬戸内海の上空を回る4つのコースを計画しています。20分と40分のコースがあります。料金は未定です。4月の営業開始を目指して、国交省に事業の認可申請を行っています。国交省によれば、水陸両用の飛行機を使った本格的な遊覧飛行が認可されれば、国内初となるようです(水陸両用機を使った事業自体は約50年前までありました。大阪を拠点に愛媛県や和歌山県に運航していたようです)。

 せとうちSEAPLANESは、国内外の富裕層の利用を目指しています。夏には、チャーター運航も考えているようです。
(参考:NHKホームページ http://www.nhk.or.jp/hiroshima-news/20160104/4690321.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/hiroshima/news/20160104-OYTNT50216.html、産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/160105/rgn1601050050-n1.html)

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「青春18きっぷ」で北海道新幹線乗車可能に

 北海道新幹線が開業すると、青函トンネルを走る旅客列車は新幹線だけになります。普通列車はもちろんのこと、在来線の特急列車も運転されません。

 これまで「青春18きっぷ」では、津軽海峡線蟹田-木古内間において、追加料金なしで特急の普通車自由席に乗ることができました。新幹線開業により特急がなくなり、このような特例もなくなると思われていましたが、1月5日にJRグループから発表された内容によれば(2016年度春季、夏季、冬季の発売期間、利用期間も併せて発表されています)、追加料金を払うことで北海道新幹線にも乗車できるようになりました。

 「青春18きっぷ」で北海道新幹線に乗るには、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」というものを買う必要があります。大人、子供ともに同額(2300円)の「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」(「青春18きっぷ」と同一期間で発売しますが、利用できるのは3月26日からです。「青春18きっぷ」とともに利用しなければならず、有効期間は乗車当日限りです)を買えば、北海道新幹線奥津軽いまべつ-木古内間(普通車の空席を利用します)及び道南いさりび鉄道線木古内-五稜郭間(木古内、五稜郭以外では途中下車できず、途中下車した場合は、道南いさりび鉄道の運賃が必要となります)をそれぞれ片道1回利用することができます。青森方面から奥津軽いまべつまでは新幹線を利用することができず、在来線で行くことになります。隣接する津軽線津軽二股で乗り換えます。

 なお、北海道新幹線開業に伴い、直前の3月22日から25日の間、津軽海峡線を通るすべての列車が運休します。ただし、その期間であっても代替輸送はなく、有効期間の延長や払い戻しもありません。また、現在、奥羽線新青森-青森間では、追加料金なしで特急の普通車自由席に乗ることができますが、この特例は北海道新幹線開業後も続きます。

 追加料金が要るとはいえ、「青春18きっぷ」で北海道新幹線に乗ることはいいものの、奥津軽いまべつ、木古内に停まる便はそれぞれ7往復、8往復と限られています。津軽線、道南いさりび鉄道も少なく、別料金でフェリーで行くか、割引切符を使って北海道新幹線新青森-新函館北斗間に乗るか(このことについては後日別記事にて書きます)、少々値段は上がるものの(北海道新幹線開業前は10290円、北海道新幹線開業後は10850円。新幹線開業の前後で料金が異なるため、春季は利用期間が3月19日までと3月26日からの2つに分かれます)、特急料金さえ出せば北海道新幹線新青森-新函館北斗間の普通車の空席に座ることのできる「北海道&東日本パス」の利用を考えたほうがいいかもしれません。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160105-2.pdf、http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160105-4.pdf)

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「泉北ライナー」に乗る

 1月3日のことですが、2015年12月5日にデビューした、泉北高速鉄道の「泉北ライナー」に乗ってきました。同日のダイヤ改正で大幅に増えた泉北高速鉄道直通の区間急行、各駅停車にも乗りましたので、それについても書きます。


 堺市と和泉市にまたがる泉北ニュータウン。そこの住民の主な交通手段が泉北高速鉄道である。大阪府などが出資する第三セクターとしてつくられ(第三セクター時代の法人名は大阪府都市開発)、地味ではあるが、多くの通勤通学客等を運んでいた。

 それが大きく変わったのが、大阪府が保有する泉北高速鉄道の株式を売却するという方針。いったんは売却価額の高さだけで外国の投資ファンドに売却されそうになったが、売却後の計画内容が南海の提案に比べて著しく劣ることから批判を浴び、外国の投資ファンドに売却するという話は大阪府議会で否決された。その後、南海に売却することに決まった。落ち着くべきところというべきであろう。

 南海は泉北高速鉄道を子会社化し、サービス改善策を打ち出した。第一弾は乗継割引の拡大、これで南海と泉北高速鉄道を乗り継いでも、通して南海に乗ったのと同じぐらいの運賃水準になった。そして今回取り上げる第二弾が2015年12月5日に行われたダイヤ改正である。これまでは南海直通の準急をメインに、朝晩などに泉北高速鉄道線内のみの各駅停車が走るというシンプルなダイヤであったが、今回のダイヤ改正では公約の特急の新設のほか、今までは朝のラッシュ時のみにわずかに走っていた区間急行が一日中走るようになり、例外的な存在であった南海直通の各駅停車が日中にも何本か走るようになった。ニュータウン鉄道であるが故にスポットライトを浴びることがない泉北高速鉄道であるが、正月に帰省したときに乗ってみようと思い、同じところを何度も往復することにした。切符は12月31日から1月8日までの任意の2日間、南海と泉北高速鉄道の全線が乗り放題となる、「初詣フリーチケット2016」を使った。

 まず最初に乗ったのが、このダイヤ改正の目玉、「泉北ライナー」。和泉中央9:39発の「泉北ライナー66号」に乗る。南海の特急は「サザン」の自由席(単なる通勤型のロングシート)を除いて特急券を買わないといけないが、それは携帯電話で購入した。実は携帯電話で特急券を買えば、購入額と同額のポイントがつき、来月以降に実質無料で乗車することができる期間限定のキャンペーンを行っているのだ。南海と泉北高速鉄道を乗り継いで、いったん和泉中央に行く。

 和泉中央の先に停まっていた「泉北ライナー66号」が、ホームに入ってきた。パラパラと乗り込み、「泉北ライナー66号」は発車。何回も乗車したことのある路線だが、特急用車両は初めて。いつもとは違う感覚だ。「泉北ライナー66号」は泉ケ丘までの各駅に停まり、客を拾おうとするが、ガラガラのまま。この「泉北ライナー66号」の難波到着は10:10。お出かけにはいい時間なのだが、それにも関わらず乗ってこない。今まで泉北高速鉄道に有料の列車がなかったので、認知されるのに時間はかかるだろうが、それでも不安である。「泉北ライナー」の中には、「泉北ライナー66号」の折り返しの「泉北ライナー65号」(難波10:18発、和泉中央10:48着)のように、どう考えても客が乗りそうにもないのがあるから。事実、深井で「泉北ライナー65号」を見たが、客の姿は見えなかった。この「泉北ライナー」、泉ケ丘を出ると天下茶屋までノンストップ。これまで全列車が停まっていた、深井と堺東も通過する。支線なので通過する列車がなかった深井はともかく、堺市の中心的な駅である堺東を通過するとは驚きだ。「泉北ライナー66号」の車内から通過する両駅を見たが、少しスピードを落とす程度で通過していった。ポイントの都合とはいえ、(以前から通過する列車があった)中百舌鳥のほうがゆっくりと通過する。天下茶屋で降りる。ちょうど向かい側に「スター・ウォーズ」の「ラピート」が入ってきた。

 天下茶屋10:12発の準急で深井まで戻り、次に乗るのは深井10:35発の区間急行。今回のダイヤ改正で一日中走るようになった列車である。深井を出ると中百舌鳥や三国ヶ丘などを通過し、次の停車駅は堺東。泉北高速鉄道の客をそのまま南海まで引っ張るための列車だ。

 再び天下茶屋で降りる。少し休んで乗ったのは天下茶屋11:16発の各駅停車和泉中央行き。ひたすら各駅に停まって、和泉中央まで行く。住吉東や堺東で急行等に抜かされるので通しの利用はなく、車内はガラガラ。和泉中央行きの区間急行に抜かされる堺東で増え始めるが、各駅停車で和泉中央に行くという珍しい列車のため、車掌に問い合わせる人が多い。阪和線と接続する三国ヶ丘、地下鉄と接続する中百舌鳥で客は増えていく。この各駅停車を深井で降り、深井11:52発の準急で難波に行ったが、一番混んでいたのがこの準急であった。

 以前の河内長野方面の急行(もしくは区間急行)、泉北高速鉄道直通の準急、河内長野方面の各駅停車が12分間隔で繰り返されるダイヤは、需要を最大公約数的に処理したもので、地味だがよくできていたダイヤだった。それに比べてダイヤ改正後のものは、「泉北ライナー」や区間急行の設定に現れるように、泉北高速鉄道の客をそのまま南海まで引っ張りたいという意図はわかるが、それがダイヤにうまく反映されていないように感じられる。ダイヤ改正によって日中は毎時5本から6本に増えたが、そのうち2本は各駅停車で、途中で抜かれてしまう。しかも、その抜かされるのが泉北高速鉄道直通の区間急行。乗り換えても難波に早く着かないのだ。各駅停車には(区間急行が通過する)三国ヶ丘や中百舌鳥の利便性低下をカバーする役目があるが、それなら区間急行をやめて準急にすればよい。堺東以北では利用者の少ない各駅停車を無駄に走らせる必要もなくなる。現行ダイヤは15分間隔がベースなので(需要に合わせると同時に、河内長野以南のダイヤをわかりやすくすることができるメリットがある)、泉北高速鉄道の列車を1時間に6本走らせるとどうしても無理なところがある。

 さらに、看板の「泉北ライナー」だが、「泉北ライナー」が走るときは区間急行や準急が走らずに、間隔が開く。多くの人にとっては迷惑な存在にしかならない。高野線のように特急が走っても、急行等の本数を減らしてはならない。南海としては有料の「泉北ライナー」に乗ってもらいたいだろうが、区間急行や準急の利用者からの反発を買うだけだろう。「泉北ライナー」がガラガラならなおさらだ。

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福井鉄道「ヒゲ線」、日中の本数減少か?

 北陸新幹線開業により富山地鉄の路面電車が新幹線駅の真下に乗り入れ、年末の12月20日には札幌で路面電車の環状線が開業しました。

 そして、福井でも路面電車の整備が進んでいます。以前から話のあった、「ヒゲ線」の福井駅西口広場延伸です。今春に延伸する予定です。これに伴い、福井駅前停留場は移設されるようです(現在の福井駅前停留場の近くに停留場を新設するという話もあります)。当初は福井市も現在の福井駅前停留場を残そうと考えていたのですが、西口広場の完成時期に間に合わせるため、国との協議に時間がかかる停留場の増設は止めて、移設で対応することにしたのです。ちなみに、福井駅前停留場の2015年度の1日平均乗降者数は平日が929人、休日が958人です。

 さて、西口広場に伸びて便利になるjはずの「ヒゲ線」ですが、実は日中の本数が減るようです。現行ダイヤでは9~15時の1時間当たりの本数が6本ありますが、それが4本に減るようです。福井市としては、福井駅近くに再開発ビルが春にオープンすることから、休日に臨時便を走らせることなどを福井鉄道に要請するようです。
(参考:福井新聞ホームページ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/railway/85807.html)

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太陽光で走るバス

 東日本大震災以降、太陽光など自然にあるものを利用したエネルギーによる電力開発が進んでいます。その太陽光を使ったバスの話です。

 今日1月3日ですが、東近江市の太郎坊宮と近江鉄道太郎坊宮駅との間(約1.5キロ)で、電気自動車の実証運行を行います。この電気自動車は運転士を含めて10人乗り、最高速度は19キロ。屋根に太陽光発電パネルを搭載して、走行しながら充電もできるのが特徴です。群馬県の企業が開発したもので、すでに宇奈月温泉等で走っています。

 実はこの運行区間、高低差が77メートルもあります。このような高低差の厳しいところで実証運行をすることによって、坂道での運用に問題がないか確認するのが目的です。運賃は無料で、10時から16時の間、1時間に2往復します。降雪時には運休することもあります。
(参考:京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20151228000018)

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佐賀県はフリーゲージトレインにこだわり、長崎県は2022年度にこだわる

 肝心の技術開発がトラブルで遅れている、フリーゲージトレインについての続報です。

 以前の記事で佐賀県は、相変わらず当初予定通りの2022年でのフリーゲージトレイン方式による長崎新幹線開業を求めていると書きましたが、さすがにそれは無茶だったようで、佐賀県の考えとしては少々遅れてもよいからフリーゲージトレインでの開業を求めているとのことです。佐賀県にとっては現在の225億円の負担でも重いのに、フル規格化などのほかの方式による建設になれば、費用負担の話を一からしなければならないからです。ですから、少々遅れてもフリーゲージトレインに固執しないといけないのです。新幹線と在来線を乗り継ぐ「リレー方式」ですら拒否をしています。「リレー方式」で行くということは、フリーゲージトレインがうまくいかなかったという証拠(フル規格化に進みやすい)なのですから、佐賀県としては受け入れることができないのでしょう。

 これに対して長崎県は2022年度の開業を強く求めています。フリーゲージトレインにするか「リレー方式」にするかは国が決めることとし、こちらは絶対にフリーゲージトレインでなくてはならないということではないようです。そもそもフリーゲージトレインが実現するかということ自体に疑念を示している意見も出たぐらいですから。長崎県が2022年度での開業を強く求めているのは、長崎などの沿線市が2022年度の開業に合わせて区画整理事業などの駅周辺開発を行っていて、開業の遅れは街づくりに大きな影響を与えるからです。両県では考えかたに大きな違いがあります。

 さて、国(国交省)としては政府与党合意に従って、フリーゲージトレインで2022年度までの開業を目指すことには変わりがないとしていますが、実際に技術開発が進まない限り、どうしようもありません。政治家に何を言われようが、不完全な技術ではどうしようもないのです。JR九州もトラブルでフリーゲージトレインの開発が1年半空きましたが、開発工程を見直すことも考えているようです。ただ、安全性を無視してフリーゲージトレインを導入するわけにはいきませんので、いわば努力目標です。この後、技術開発が順調に進めばそれはそれでいいのですが、間に合わない場合は、国と沿線県で再協議をして新たに決めなおすしか仕方がないでしょう。
(参考:佐賀新聞ホームページ http://www.saga-s.co.jp/column/sinkansen/21001/259795、http://www.saga-s.co.jp/column/sinkansen/21001/262526、http://www.saga-s.co.jp/column/sinkansen/21001/260480、http://www.saga-s.co.jp/column/sinkansen/21001/264223)

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北海道中央バス等、札幌-函館間の高速バスを新函館北斗経由に

 北海道中央バス、道南バス、北都交通の3社は、共同運行する札幌-函館間の高速バス「高速はこだて号」について、北海道新幹線開業日の3月26日から、全便を新函館北斗経由にします。

 運行本数は現行と同じ1日8往復です。ダイヤは未定ですが、函館発の夜行便は新幹線の最終列車に接続できるようにするようです。北海道新幹線により廃止される「はまなす」の代替となるのでしょうか? 札幌-新函館北斗間の所要時間は約5時間、札幌-函館間は新函館北斗に寄ることから10分延び、約5時間35分となります。
(参考:北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0218010.html)

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青函トンネルに貨物積み替え方式による「貨物新幹線」運行か?

 北海道新幹線新青森-新函館北斗間は3月26日に開業しますが、青函トンネル等約82キロにも及ぶ新幹線と在来線の共用区間は、貨物の荷崩れ防止などのため、最高速度は時速140キロに制限されます。現行の在来線特急と変わらないスピードにとどまります。最速でも東京-新函館北斗間が4時間以上かかるのはそのためです。

 そこで貨物列車をスピードアップさせることが考えられています。貨車ごと新幹線に載せる「トレイン・オン・トレイン」というものも考えられましたが、「トレイン・オン・トレイン」には車両の重心が高くなるという欠点もあります。

 だからと言って青函トンネル等の共用区間がスピードアップのネックになっている以上、何らかの解決をしないといけません。新たに出てきたアイデアは、コンテナを新幹線規格の車両に積み替えて高速で走行する、「貨物新幹線」。現行の時速110キロの倍近い、時速200キロで走行します。車両は東北、北海道新幹線で走るE5系、H5系等をベースにしています。20両程度の編成で、5トンコンテナ約100個を積むことができます。車両の幅が在来線規格から新幹線規格に変わることにより、貨車の左右に頑丈な側壁を設けることができ、すれ違う際の風圧でコンテナが荷崩れする恐れを大幅に減らすことができます。新青森側と新函館北斗側に基地をつくり、専用のクレーンで、在来線の貨物列車から新幹線の貨物列車に、あるいはその逆に積み替えます。

 新幹線規格の「貨物新幹線」を走らせることにより、新幹線の最高速度は本来の時速260キロになります。新青森-新函館北斗間は現行から18分短い43分になり、東京-新函館北斗間も18分短くなり、3時間44分になるとみられています。札幌までの全線が開業しても、東京-札幌間は4時間台で結ばれます。「貨物新幹線」は、鉄道・運輸機構、JR貨物、JR北海道、JR東日本などと事業費の負担割合などについても議論し、2016年度以降車両の開発を行い、2020年代前半の実用化を目指しています。
(参考:北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0218692.html、朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://digital.asahi.com/articles/ASJ115T42J11IIPE009.html?rm=349)

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三重交通のICカードは「emica」

 これまで三重交通ではICカードは使えず、バスカードで対応していましたが、3月下旬にICカードを導入することになりました。

 ICカードは三重交通のほか、三交伊勢志摩交通、三重急行自動車、八風バスの一般路線バス全線で使えます(関東や関西方面への高速バス、一部を除く各市町村のコミュニティバスでは利用できません)。そのICカードの名前は、「emica」。「easy(カンタン)」に「move(移動する)」、「mie(三重交通)」の、「ica(IC Card)」という意味があります。

 遠方からの利用者の場合、「emica」がなくてもICカードで三重交通のバスに乗ることができます。全国の主要交通系ICカードが利用できるからです(「PiTaPa」はポストペイでの利用となります)。反対に、「emica」で近鉄など主要交通系ICカードを採用している路線には乗ることができません。ポイントなど「emica」の詳細についてわからないことがありますが、それは後ほど発表されるようです。現行のバスカードの販売はICカード導入とともに終了しますが、当面の間は引き続き利用することができます。また、「emica」の通勤、通学定期券への対応は2017年春を予定しています。

(追記)
 「emica」は2016年4月1日から利用開始となります。「emica」及び「PiTaPa」利用者には割引サービスがあります。
(参考:三重交通ホームページ http://www.sanco.co.jp/other/release151125.pdf、http://www.sanco.co.jp/other/release160229.pdf)

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京急、塗装を赤と白に戻す

 あけましておめでとうございます。2016年もよろしくお願いします。さて、新年らしく赤と白にまつわる話から。

 2002年から増備されている京急の新1000形。2015年12月9日現在、340両が在籍しています。京急の営業車両の4割を占める主力車両です。普通から快特、都営浅草線・京成線・北総線直通列車まで、幅広く使われています。

 もともとこの新1000形、2002年にデビューした当時はアルミ車体で、赤と白に塗られていました。しかし2007年からは京急では初めてのステンレス車体を採用し、従来白く塗られていた窓のあたりはステンレスのままとなりました(赤はカラーフィルムを貼ることにより対応しています)。

 それが、2016年3月投入予定の4両編成2本について、ステンレス車体ではありますが、車体側面に幅広の赤と白のフィルムを貼ることにより、従来からの「赤い電車」のイメージを踏襲するものになりました。また、これまで新1000形は非貫通型だったのですが、普通から快特、他社局への直通列車として幅広く使われている現状を考慮して、正面に貫通路を設けることとなりました。地下鉄線内では火災対策などのため、車両同士が移動できるようにしなければならず、これまでは8両固定編成のみを運用していましたが、この新1000形(1800番台といいます)の登場により、8両固定編成でなくても対応できるようになります。なお、車両の長さ、扉数、座席などの基本仕様、基本性能、バリアフリー設備のほか、LEDを使用した室内灯などは従来の新1000形のものと同じです。今回は4両編成2本を投入しますが、今後の増備計画は未定です。

(追記)
 2018年から営業運転を始めた17次車からは、ステンレスであるにもかかわらず塗装をしています。
(参考:京急ホームページ http://www.keikyu.co.jp/company/news/2015/20151222HP_15146NN.html、「鉄道ジャーナル」2018年5月号 鉄道ジャーナル社)

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