北陸新幹線開業によって、「しらさぎ」の利用が減った?
JR西日本は、年末年始(12月25日から1月5日までの12日間)の利用状況について発表しました。
やはり、年末年始でも北陸新幹線の好調は続きます。一時のような前年の3倍ということはありませんが(前年の数字は北陸線直江津-糸魚川間の「はくたか」「北越」の利用者数)、それでも対前年比219%と、倍以上に増えています。
北陸新幹線が開業すれば、金沢から西の利用者が減ってしまうとの危惧もありましたが、「サンダーバード」は年末年始も利用者は増えています。対前年比103%です(京都-敦賀間の数字)。開業直後と同じような状況で、北陸新幹線金沢開業の段階ではデメリットしかない関西でも、北陸が観光地としてクローズアップされていると言えます。
ところが、北陸と名古屋を結ぶ「しらさぎ」の利用は減っています。JR西日本によれば、米原-敦賀間の数字で対前年比84%、16%も減っています。これは年末年始だけの話ではありません。JR東海によれば、北陸新幹線開業以降、「しらさぎ」の名古屋-大垣間の利用客が約1割減っているというのです。北陸が新幹線開業により注目を浴びているのなら、「しらさぎ」の利用者も増えるはずです。
それが減っているのは、これまで東海道新幹線と「しらさぎ」を使って東京と北陸の間を行き来していた人が北陸新幹線にシフトしたからだと考えられます。以前にも書いたとおりで、予測できた話です。
とすると、これまで乗り継ぎ需要もあった北陸-中京間の需要は、割り引かないといけません。北陸-中京間の需要は思ったよりも少ないです。それにもかかわらず、北陸新幹線敦賀以西のルートの中には、わざわざそのあまりいない中京方面への利用者に配慮した、「米原ルート」というものもあります。しかもこのルートを通ると、せっかくフル規格の新幹線をつくっても、北陸-関西間の直通運転はできません。米原で新幹線同士の乗り換えを迫られます。そういうルートを選ぶ必要はないでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/01/page_8126.html、乗りものニュース http://trafficnews.jp/post/47600/、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/151202/wst1512020084-n1.html)
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