宮城県にできた2つの鉄道と、福島第一原発付近のバスに乗る(5)
泊まったホテルには宿泊料金に朝食が含まれている。朝食はバイキングだ。フロントの話では6:30の営業開始とともに列ができるとのことであったが、今日(11日)は休日なので出足は鈍いようだ。今日はこれからバスに乗るが、昼を確保できるかわからないので、朝にたくさん食べておく。バス乗り場は駅を通り過ぎた、市役所のあたり。昨日は暗くて恐怖感まで感じた道であるが、明るいと何ともない。20分弱かけて相馬市役所前のバス停まで行く。これから乗るバスはツアーバス系のため、15分前にはバスがやってきて、乗客の受付をする。そもそも、ツアーバス系のバスに乗車するには、発車10分前までに来なければならないことになっている。
これから乗る東京へのバスの運転士は昼行なので1人のみ、1人は添乗員とはいえ、2人で走っていた並行する区間のJRの代行バス(竜田−原ノ町間)とは大きな違いだ。それなりの距離を走るのにトイレがないというのも意外。昨日の代行バスにはトイレもついていた。バスは8:00に発車。相馬から原ノ町までは常磐道を通らず、国道6号線や県道を経由する。泊まったホテルの前を通過、途中鹿島に停まり、南相馬に着く。乗車できるのは相馬、鹿島、原ノ町の3か所のみだ。原ノ町のバス乗り場に着くと、駐車場に停まっていた車から乗客が現れる。バスに乗り込みほとんどの席が埋まった。震災前はJRの特急が何本か走っていたが、今となっては相馬や原ノ町と東京とを結ぶ、たった1往復の貴重な公共交通手段なのだ。
南相馬インターチェンジから常磐道に入る。南相馬インターチェンジからいわき中央インターチェンジまで対面通行の片側1車線。ところどころに放射線量の表示があるが、正直言って一体どれだけの量なのかはわからない。そしてなかなかパーキングエリアがない。ならはパーキングエリアと南相馬鹿島サービスエリアの間約50キロ、休憩施設が全くないのだ。本来なら間にひとつぐらいパーキングエリアがあってもよさそうなものだが、放射線量の多い区間にむやみに滞在させないための配慮だろうか? また、常磐道がいわき止まりで計画された名残なのか、サービスエリアの間隔も開いている。中郷サービスエリアと南相馬鹿島サービスエリアとの間隔は120キロ以上もある。しかも両方のサービスエリアとも設備が乏しい。周りを見渡すと、草ぼうぼうの田畑が目立つ。昨日の代行バスから見たときのようなインパクトはないが、こちらも棄てられた光景だ。このバスには先ほども述べた通りトイレがなく、途中2か所で休憩を取る。四倉パーキングエリアと守谷サービスエリアだ。また、何の理由かわからなかったが乗客都合で、中郷サービスエリアでも追加停車をした。
常磐道最後サービスエリア、守谷サービスエリアで休憩した後は休憩せずに東京へ。首都高にもパーキングエリアはあるが、狭そうで大型バスでは難しそう。また、2回目の休憩は守谷サービスエリアで取ったが、守谷サービスエリアは大きすぎ、休憩箇所としてはむしろ不適当である。東京付近ならパーキングエリアでも十分だ。パーキングエリアでも売店や軽食コーナーはある。話を首都高に戻す。連休最終日午後の首都高だが、心配された渋滞もなく、バスは快調に走る。東京駅の近くを通り過ぎ、新橋まで行き(勢い余ってとも言いたくなるようだ)、5分遅れで鍛冶橋駐車場に到着。ここで降りる。東京と有楽町の間ぐらいの場所だ。
後は東海道新幹線で名古屋に帰るだけだが、東海道新幹線の切符は「エクスプレス予約」の「IC早特タイプ21」という格安のものなので変更が利かず(変更すると値段が上がる)、東京15:30発の「のぞみ45号」の発車まで2時間ほど余裕がある。その間に新橋まで歩いて旧新橋停車場に行く。1914年に東京駅が開業するまで東海道方面のターミナルだった場所だ。この旧新橋停車場では駅弁の企画展がなされていて、しばらくの間見る。東京駅に戻り、東海道新幹線に乗る。「のぞみ45号」はJR西日本の車両であった。発車直前に非常ボタンが押されたため、4分遅れで発車したが、先行する列車で支障するものがないことから本来のN700Aの性能を発揮し、名古屋には定時に到着した。
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