宮城県にできた2つの鉄道と、福島第一原発付近のバスに乗る(1)
「青春18きっぷ」のシーズンなので、「ムーンライトながら」を使いたいところだが、残念ながら3日(大垣発の場合)で年末年始の運行はおしまい。仕方がないので、バスを使う。名古屋から仙台まで一気に行ってもいいのだが、やはり「青春18きっぷ」が使えるのでできるだけJRに乗りたい。そこで今回使ったのが、名古屋から宇都宮、郡山に向かう名鉄バスだ。宇都宮着が1時間遅れても間に合うので、遅れの心配をしなくてもいい。名古屋では名鉄バスセンターか栄から乗車できるので、栄を選択した。
名鉄バスセンターからのバスはほぼ定時に到着。何人か乗り込む。運転士は2人だが、栄を出るとすぐに運転していないほうがアナウンスを行う。この類の案内はビデオですることが多く、長々と肉声でするのは珍しい。結構長く、名古屋高速の東山を抜けるトンネルまで続く。アナウンスが終わり、(初めてのことで意外だったが)お茶の紙パックが配られても車内は明るいまま。東名豊田と東岡崎駅で客を乗せるからだが、その時だけ明るくすればよい。明日に備えて早く寝たいところなのに。東岡崎駅を出てからもアナウンスは行われ、それが終わってからようやく消灯した。
バスは運転士交代などの理由で何回か停まるが、外に出ることができるのは、早朝の東北道羽生パーキングエリアのみ(ちなみにこのバス、圏央道を通らずに深夜の首都高を通過する)。ここで10分間休憩し、佐野新都市バスターミナルから客を降ろしていく。大雑把に言って宇都宮駅と郡山駅前が半々だ。宇都宮駅(西口)には予定より10分ほど早く着いた。
駅の中のコーヒー店は6:30に開くので、それまでの間、東口に行って、LRTの駅がどこにできるか見てみる。東口は仮設っぽい餃子店があるばかりで、十分ターミナルを置くことができる広さはありそうだ。朝食を食べても時間があるので、当初の予定より1本早い列車に乗ることにする。福島での接続が悪く、仙台に着くのは一緒だが、早ければいざというときも対応できるだろう。宇都宮6:56発の黒磯行きは、205系の4両編成(湘南色帯)。当然ロングシートだ。4両という短い編成は、このあたりの需要を考えてのものだろう。直前に乗ったので座れず、しばらく立つ。宝積寺で座ることができた。矢板ぐらいからは急に減ったように感じられた。デッドセクションの関係か、終点の黒磯到着直前に室内の明かりが消えた。
鉄道の世界では、関東と東北の境は黒磯。直流から交流に変わるので乗り換えがいる。黒磯から乗ったのは701系の2両編成。意外なことにワンマンではない。乗り継ぎ客が多く、座ることができなかった。余談だが、この交流専用の701系、しばらくすると黒磯に来ることができなくなるかもしれない。デッドセクション移設の話があるからだ。移設するなら黒磯のすぐ北だろうから、黒磯からしばらくの間は、交直流電車か烏山線のような車両かディーゼルカーでつながないといけない。どうなるだろうか? 話を戻す。黒磯7:54発の郡山行きは、最初は降りる人がいたが、福島県に入ってからは乗る客のほうが多くなる。白河で空席を探すのをあきらめ、車両の最後尾に行く。郡山で福島行きに乗り換え。福島行きの発車まで30分弱あるので、昼の駅弁を買っておく。福島で買ってもよかったが、1年ほど前に福島でいくら探しても駅弁売り場がわからなかったという経験を踏まえてのものだ。郡山9:28発の福島行きは、719系の4両編成。ボックスシートの配置に特徴がある。前から見ると後ろ向きの2人掛け、向かい合わせの4人掛け、前向きの2人掛けといった具合。このうち、後ろ向きの2人掛けに座る。ふと1番線を見ると、同じ719系を改造した「フルーティアふくしま」が停まっていた。
中程の二本松あたりから再び増え、福島に到着。福島での接続が悪く、約45分待ち。いったん改札を出る。次の列車は福島11:00発の「仙台シティラビット3号」、一部の駅を通過する快速だ。福島までと同じ719系の4両編成。ただ仙台まで快速運転するので人気が高く、発車20分前の段階でボックスシートの空席を探すのに苦労した。まだ昼には早いが、仙台に近づくにつれ混むであろうから、今のうちにお昼にする。郡山方面から当初乗る予定だった列車(福島10:54着)がやってきた。2両編成の列車はぎっしり混んでいる。あれに乗っていたら、この「仙台シティラビット3号」に座ることができなかっただろう。この「仙台シティラビット3号」もこれまでの列車と同じく、終点に近づくにつれ混んでくる。休日午前中の列車によくあることで、町に出かけるのである。
仙台で乗り換え。2015年12月6日に開業した仙台市営地下鉄東西線に乗る。今日(9日)は行程の都合で西半分のみに乗る。仙台市交通局、宮城交通は仙台のみで使えるICカード、「icsca」を発行し、ポイントもつくが、3月には「Suica」などが使えるようになるので、今回は買わず現金で払う。余談だが、切符を自動券売機で買うと領収書が出る機能がある。話を元に戻す。仙台での乗り換え時間が12分あるので余裕と思っていたら、遠回りの道を選んでしまったようで、予定していた仙台12:28発の八木山動物公園行きに何とか間に合う状況であった。八木山動物公園は日本の地下鉄で一番高いところにある駅。トンネルの中でも坂を登っていることは体で感じられる。仙台からたった3駅で、川を渡る短い区間だけとはいえ、地上に出るのは意外であった。西の端の八木山動物公園からそのまま地下鉄で折り返すのは芸がなく、バスか何かで仙台に戻りたかったが、バスが遅れて次の列車に乗り遅れてはいけないので、地下鉄で仙台に戻ることにする。(続く)
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