京都府が推す「舞鶴ルート」、他府県やJR西日本は冷たい
北陸新幹線敦賀以西のルートにはいくつかの案があります。その中のひとつ、「若狭ルート」は敦賀から小浜、亀岡を経由して新大阪に至るもの。京都府内では亀岡市付近に駅ができます。
亀岡、南丹、京丹波の2市1町でつくる協議会は15日、北陸新幹線敦賀以西について「若狭ルート」を採用することを求める決議書を京都府に提出しましたが、京都府の反応は冷たいものでした。京都府は、京都府を串刺しにする「舞鶴ルート」を推しています。「舞鶴ルート」なら、舞鶴と京都駅がたったの16分で結ばれ、京都府内の南北の交通が非常に便利になります。京都府だけのことを考えると、「舞鶴ルート」がいいのです。
「若狭ルート」は東海道新幹線を持つJR東海に頭を下げずに新大阪まで行くことができるというメリットがあります。かつてはこのルートしか新大阪に直結するルートはなく、そういう点で私も支持していましたが、JR西日本が革命的な案を出したのです。若狭も京都駅も通るという「小浜-京都ルート」です。お金がかかるとはいえ、京都と新大阪は東海道新幹線に乗り入れないので、JR東海にお伺いを立てる必要もありません。そういうことで、京都駅を通らない「若狭ルート」の欠点が強調され、賛同する人が減ったのです。残念ながらもう今となっては「若狭ルート」にする意味はないでしょう。
さて、その京都府が強く推す「舞鶴ルート」ですが、京都府以外は冷たいです。福井県の西川知事も、富山県の石井知事も否定的な見解を述べています。かなりの遠回りになるため、建設費が増加し、速達性が低下します。遠回りの分だけ料金も上がります。理解を得ることができないのは当然です。山田京都府知事は、京都府北部には福井市並みの経済規模があると言いますが、金沢と大阪を結べばどう考えても通る福井と、そのルートから大きく外れる舞鶴とは話が違いすぎます。舞鶴が京都並みの規模ならそういう主張もあるでしょうが、残念ながら舞鶴はそんな規模の都市ではありません。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/economy/20160215-OYT1T50085.html、http://www.yomiuri.co.jp/local/toyama/news/20160212-OYTNT50368.html、京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20160215000134、http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20160217000168)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 「ICOCA」エリア30日間乗り放題で5万円(2025.02.13)
「整備新幹線」カテゴリの記事
- 北陸新幹線、小浜まで暫定開業?(2025.01.10)
- 北海道新幹線全線開業は2038年度か?(2024.12.28)
Comments