伊勢鉄道、三重県等の負担で当面存続
三重県の第三セクター、伊勢鉄道は名古屋と伊勢、南紀方面を短絡する路線。本来ならJR東海の一路線として存続すべき路線でしたが、国鉄の経営が下手だったこともあり(伊勢方面への列車がなかった)、分離されてしまいました。
第三セクターとなってからは名古屋と伊勢方面とを結ぶ快速「みえ」が多数運転され、好調だと思われていたのですが、資金不足に陥っていたのです。伊勢鉄道は1987年に国鉄から分離したのですが、そのときに無償譲渡された施設などが老朽化しています。2014年度に3年ぶりの赤字に転落し、2016年度以降は国の補助金などを充てても10億円が不足する見込みとなっていました。
そこで三重県や沿線自治体等が負担して、伊勢鉄道は当分存続することになりました。伊勢鉄道が集中して経営改善に取り組む2016年度から2018年度の3年間に、三重県が5億円、沿線の四日市市、鈴鹿市、津市が合計2.5億円、紀勢線や参宮線の沿線12市町が合計2.5億円を負担します。沿線の3市だけでなく、紀勢線や参宮線の沿線市町も負担に応じるとは、この鉄道の特性が表れています。三重県と15市町は、この負担を盛り込んだ2016年度当初予算案を議会に提出します。
それにしても伊勢鉄道が経営の危機とは思ってもいませんでした。利用者が多く、これまでも好調だったのですから。もっとも、名松線のような鉄道の使命を終えた路線ならともかく(それでも3月には復活します)、社会的価値の高い伊勢鉄道が廃線になるとは考えにくいですが。
(参考:「鉄道ファン」2016年4月号 交友社)
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