吉野観光特急は「青の交響曲」
南大阪線・吉野線に新たな観光特急を走らせることは以前に記事にしましたが、その続報です。
近鉄は17日に、この観光特急の名前、運行開始日、ダイヤを発表しました。その名前は「青の交響曲<シンフォニー>」、日本遺産の明日香村、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として登録された金峯山寺をはじめとする由緒ある神社仏閣、美しい自然景観を誇るみたらい渓谷・洞川温泉、ワイナリー・地酒蔵元・フルーツの名産品など様々な観光資源にあふれる南大阪線・吉野線の沿線を青色の列車が走り、魅力的な観光資源と調和し響き合うことをイメージして命名されました。もともとこの名称は公募で決める予定でしたが(3895件集まりました)、適切なものがなかったので、応募案を参考に近鉄が考案しました。そのため、最優秀賞は該当者なしとなり、参考にした応募案を提案した人の中から抽選で10人に2万円分の近鉄グループ商品券を贈ることになりました。
運行開始日は9月10日、1日2往復を運行します。1便は大阪阿部野橋10:10発吉野11:26着、2便は吉野12:34発大阪阿部野橋13:51着、3便は大阪阿部野橋14:10発吉野15:26着、2便は吉野16:04発大阪阿部野橋17:22着です。料金は通常の特急料金(510円)に特別車両料金(210円)を加算した、720円(子供370円)です。これに運賃が別途かかります。他の特急列車に乗り継ぐ場合は、特急料金や特別車両料金は通算されます。通常の特急料金に210円を追加するだけで乗ることができるとは、お得です。停車駅は通常の特急と同じです。この「青の交響曲」は水曜日は運休します(祝日に当たる場合などは運行することもあります)。ダイヤ改正日の3月19日から9月9日までと9月10日以降の運休日は、同一ダイヤで一般特急車両が走ります。なお、運休日や運行ダイヤの合間を使って、「ワイン列車」などのイベント列車や貸切列車を運行することもあります。
車両の外観は、落ち着いた濃紺色をベースに、ゴールドのラインをあしらっています。車両の前面や側面には、エンブレムなどがつきます。車内に入ります。1、3号車が座席スペースです。緑を基調にした座席は(座席の一部には吉野地域の竹材を使用しています)、全て2列+1列の「デラックスシート」です。グループでの利用を考慮して、テーブルのついた「サロン席(3~4人用)」、「ツイン席(2人用)」も設置されます。2号車がホテルのラウンジをイメージした、ラウンジ車両です。革張りのソファを配置し、LEDの間接照明を活用して非日常感を感じることのできる上質な空間をつくり出しています。吉野寄りには大型のバーカウンターがあり、専属のアテンダントが地元の特産品を活用したスイーツやワイン、地酒、ハイボールなどを販売します。
また、列車の名前が「青の交響曲」というだけあって、クラシック曲をアレンジしたメロディをミュージックホーンとするほか、大阪阿部野橋での発車メロディとしても使います。近鉄はこの「青の交響曲」の乗客を年間6万人と見込んでいます。
話は変わりますが、以前にも記事にしました通り、近鉄特急に順次喫煙室を設置して、座席ではタバコが吸えなくなるようにしています。そこで、大阪阿部野橋-吉野間の特急(平日54本、休日66本)について、6月20日から全席禁煙となります。とは言っても、タバコを吸う人は喫煙室で吸うことができるので、喫煙者に甘いとも言えます。今後はほかの区間の特急でも喫煙室の工事を進めて、将来的にはすべての特急で座席での禁煙を実現するとのことです。
(参考:近鉄ホームページ http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/symphony.pdf、http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/minamitokukinnenn.pdf、京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20160218000177)
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