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佐世保市営バス、西肥バスと運行統合か?

 佐世保には、市交通局が運行する市営バスと、西肥自動車が運行する西肥バスがあります。

 佐世保市交通局によれば、市営バスの年間輸送人員数はピーク時の1965年には約4200万人いましたが、その後は減少が続き、2014年には約950万人になっています。しかも、先ほど述べたように2社局があるため、現在46ある市営バスの路線のうち4割で西肥バスと競合しています。佐世保市交通局は2009年にさせぼバスという100%出資の子会社を設立し、一部路線の運行を委託していますが、不採算路線は30もあり、2014年度の路線バス事業の赤字は約1億円でした(赤字は2011年度から続いています。過去に積み立てた剰余金から補てんできているので、累積赤字はありません)。

 そこで浮かび上がっているのが、市営バスと西肥バスの運行体制の統合。収支を均衡させるためには、2018年から2019年にかけて、競合している路線で3割の便数削減、それ以外でも1割の便数削減が必要とのことです。2016年度当初予算案に調査費を盛り込み、市営バスの路線の譲渡や運行委託などの運行体制の統合に向けて検討することにしました。山間部など民間では経営できない不採算路線をどうするかという話もありますが、場合によっては市営バスを廃止することもあるようです。累積赤字がたまってどうにもならない状態になってからより、まだ剰余金がある段階で考えておくほうが望ましいことでしょう。

(追記)
 2017年2月24日に行われた佐世保市議会において、朝長佐世保市長は、2019年3月を目標に、佐世保市交通局を廃止することによって直営の市営バスをなくし、西肥バスに路線を集約することを明らかにしました。ただ、西肥バスに一本化すると運転士が不足する可能性があること及び赤字路線を存続させるため、交通局の子会社のさせぼバスを残すことにしました。させぼバスなら良くも悪くも行政が関与することができるのです。させぼバスは一部を受託運行します。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20160216-OYTNT50073.html、毎日jp(会員登録要) http://mainichi.jp/articles/20160217/ddl/k42/010/357000c、http://mainichi.jp/articles/20160219/ddl/k42/010/333000c、朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASK2S4J22K2STOLB00S.html)

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