JR北海道、285系を使用せず廃車か?
JR北海道はさらなる高速化のため、2006年から新型特急ディーゼル車両の開発に取り組んできました。振り子装置と車体傾斜装置の両方を搭載して、カーブでのさらなる高速走行を可能にした世界初の車両、285系です。この車両を北海道新幹線開業後の函館―札幌間の特急に投入する予定でした。
ところが、2011年に起きた石勝線列車火災事故等、トラブルが相次ぎ、高速化をすることができなくなりました。2013年には特急が減速運転するようになり、スピードが発揮できない状況になってしまいました。
そのため2014年9月に285系の開発を中止し、既に出来上がった試作車3両については軌道や電気設備を調べることができる総合検測車として使う予定でした。ところが、285系は従来のものに比べて構造が複雑なため、車両を改造するのにも多額の費用がかかります。285系を改造するのではなく、新たにつくったほうが安上がりという指摘もあり、25億円かけてつくられた285系3両は、検査車両としても使われないこととなりました。ほかの活用方法を考えるとのことですが、一度も活用されないまま廃車になるかもしれません。
今後、老朽化した183系の置き換えは、261系で対応します。単なる新しい車両で、高速道路が整備されるなどライバルの交通機関に対抗できるものではありません。285系なら新幹線ができないところの「中速鉄道」にも使えそうなものだけに、「もったいない」とも言えます。
(追記)
結局、285系は2017年3月、営業運転に使われることなく解体されました。
(参考:北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0263551.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/life-topic/life-topic/1-0374633.html)
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