徳島県はそれでも阿佐海岸鉄道にDMV導入進める?
できないことはないが、実質的には使えないものだという評価がなされたDMV。それでも導入を考えているところがあります。
それは徳島県。徳島県と高知県にまたがる阿佐海岸鉄道阿佐東線で導入することを考えているのです。JR四国の牟岐線の阿波海南から阿佐海岸鉄道の甲浦までの約10キロで走らせますが、最終的には道路も使って、室戸岬などにも行きます。実現すれば、世界初の事例となります。
国交省の有識者委員会がDMVを導入する前提条件として挙げているのは、運行区間をDMV専用路線とすること(従来の鉄道車両は走行できない)、長大トンネルがないこと、1両で走ることなどです。徳島県は2009年から阿佐海岸鉄道へのDMV導入を検討していて、これらの条件を満たすとしています。DMV専用路線になるということは、それだけ需要が少なく、鉄道として存続する価値がない路線といえますが。しかも導入路線には牟岐線の阿波海南-海部間も含まれています。JR四国にも話をしているのでしょうか? この区間は徳島方面に列車を走らせることができなくなりますから。
もともと徳島県はJR北海道が導入してからDMVを導入するつもりでしたが、JR北海道がDMVの開発を断念したため、今後は徳島県が主体的にDMVを運行するための手続きを進めます。具体的には鉄道事業法や道路運送法に基づく国への申請や届出が必要なようです。10年以内にDMVの運行を開始する予定です。
(追記)
JR四国の阿波海南にDMVが乗り入れるのは、阿佐海岸鉄道の駅全てが高架駅であるからです(甲浦にはスロープを設けます)。阿波海南は地上にあり、すぐそばを国道55号線が走っているので、モードインターチェンジの立地としては優れているのです。
もっとも、JR四国は自社線内にDMVを走らせることは考えておらず、阿波海南までDMVを走らせるならば、DMV専用路線となる阿波海南-海部間の扱いについての交渉が必要となります。
(参考:朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://digital.asahi.com/articles/ASJ285H1VJ28PUTB00R.html?rm=444、「鉄道ファン」2016年3月号 交友社、東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/155625?page=3)
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