小田急、複々線化が完成する2018年3月に抜本的ダイヤ改正を実施
小田急は輸送サービスの抜本的な改善策として、東北沢-和泉多摩川間(10.4キロ)の複々線化を進めています(このほか、和泉多摩川-登戸間の下り線も増設され、複々線になります。登戸-向ヶ丘遊園間は、上り2線、下り1線です)。すでに世田谷代田-和泉多摩川間(8.8キロ)は完成し、残るは東北沢-世田谷代田間(1.6キロ)。立体化はすでに終わり、今は2017年度の複々線化完成、2018年度の事業完了を目指して工事を進めている段階です。
小田急はこの2016年3月にダイヤ改正を行いましたが、小田急は複々線化完成後の2018年3月に抜本的なダイヤ改正を予定しています。2年近く先のことですが、その概要はすでに決まっています。
複々線化が完成すると、ラッシュ時間帯に本数を増やすことができます。東北沢-世田谷代田間が複線だったのでそこがボトルネックになり、今まで増やしたくてもできなかったことです。現在平日ピーク時1時間当たり27本運転していますが、36本に増えます。特に増えるのが千代田線直通列車で、平日ピーク時1時間当たり5本から12本に増えます(新宿方面は22本から24本に増えます)。代々木上原での通勤定期1日平均乗降人員の推移をみると、2015年度は2000年度から3割も増えています。千代田線から都心に行く需要が増えているのです。このことにより混雑率が現在の189%から160%程度と大幅に改善されます。体が触れ合いやや圧迫感がある状態から、新聞や雑誌を楽な姿勢で読むことができる状態に変わります。また、各駅停車は8両編成から10両編成になるので、その意味でも輸送力の増強が図れます。
急行はこれまで各駅停車を追い越すことができなかったため朝のラッシュ時等はノロノロ運転せざるをえませんでしたが、複々線化により各駅停車を気にすることなく飛ばすことができます。各駅停車も急行に道を譲る必要がなくなります。複々線化によって急行も各駅停車もスピードアップするのです。主な駅から新宿までの所要時間(平日の8:30ごろに新宿に到着)の変化を見ていくと、経堂からは現行の20分から15分、登戸からは現行の23分から18分、町田からは現行の48分から38分、小田急多摩センターからは現行の45分から40分に短縮します。主な駅から代々木上原までの所要時間(平日の8:10ごろに代々木上原、8:30ごろに大手町に到着)の変化を見ていくと、経堂からは現行の11分から6分、登戸からは現行の15分から12分、町田からは現行の38分から31分、小田急多摩センターからは現行の43分から33分に短縮します。経堂から代々木上原までの所要時間が半減するのが意外なところです。朝は各駅停車しか停まらない経堂に何らかのかたちで優等列車が停まるのかもしれません。
小田急は複々線化することによって、2015年度と比較して、2020年度の鉄道事業における旅客運輸収入において、50億円程度増えて、1200億円になると見込んでいます。
(参考:小田急ホームページ http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8421_5315021_.pdf、YOMIURI ONLINE http://realestate.yomiuri.co.jp/yolp_journal_item_119626.html)
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