九州新幹線のネット割引、閑散期や昼を強化へ
九州新幹線も全線開業してから5年が過ぎました。開業当初は関西から九州南部へも所要時間が短縮し、鉄道で行きやすくなったことから、関西からの観光客が多く利用しました。その後は通勤、通学や買い物などの日常的な利用が定着しています。乗車率も開業当初は博多-熊本間で40%台前半でしたが、2015年度には49%にまで上昇しました。JR九州も認める、理想的な展開です。何しろ2011年の九州新幹線全線開業に伴う費用便益比は2.1なのですから。
この間のダイヤの変遷について簡単に復習すれば、平日の昼間の本数を減らした代わりに、週末の夕方や休日を増やしました。新鳥栖や久留米に「さくら」を全部停めました。新幹線の通勤・通学定期券利用客は約3500人、増加傾向にありますが、さらに増やしたいとJR九州は考えています。博多-熊本間の定期券利用者は約670人ですが、各駅に駐車場を整備するなどして1000人にまで増やしたいそうです。
これからの経営戦略としては、ネット販売の強化を挙げています。今でもネットでの割引があり、現在の指定席のネット販売比率は7.4%です(年末年始は10%程度)。それを、事前予約であれば、シーズンや時間帯(昼が少ないようです)によって細かく割引率を変えるようにします。航空機によくみられるもので、閑散期には割安な席が増え、混雑期には少なくなります。現行のシステムをそのまま使えるのもメリットで、このような取り組みによりネット販売の比率を3割に上げたいとしています。反面、駅の窓口などで販売している回数券は縮小させる方針です。
すでにその動きはあります。JR九州は九州新幹線や特急の切符を予約することのできるスマートフォン用のアプリを開発しています。これを使えば簡単に予約ができるようになるようです。また、乗換案内サイトの「駅すぱあと」、「ジョルダン」と連携し、九州新幹線の経路を検索すると、結果画面にJR九州のネット予約へのリンクが表示されます。4月以降から使えます。
(参考:朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASJ3G312XJ3GTIPE002.html、http://www.asahi.com/articles/ASJ3Q569JJ3QTIPE01L.html、西日本新聞経済電子版 http://qbiz.jp/article/82558/1/%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9A/、鉄道・運輸機構ホームページ http://www.jrtt.go.jp/01Organization/org/pdf/org-hyoka27-2.pdf)
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