早くも廃止惜別効果? 留萌-増毛間輸送密度72%アップ
JR北海道は5月9日、2015年度決算を発表しました。営業収益は鉄道運輸収入が快速「エアポート」の利用者増などで、近距離収入が増えました。またインバウンドによる増収もありました。しかし、安全基盤の強化に向けた修繕を継続して実施したことや車両の更新などによる減価償却費が増加し、これに新幹線の開業準備費用が加わり、営業費用は大幅に増加しました。これにより、本業の経営成績を表す営業利益は大幅に悪化しました。安全投資や修繕を行うために必要な資金を確保するため、含み益のある株式等を売却するとともに子会社に配当を求めましたが、結果として経常利益は4期ぶりの経常赤字となってしまいました。しかも、この厳しい状況は2016年度も続くようです。
さて、この決算の終わりのほうに、2015年度の各路線の利用状況についての記述があります。全般的にみると利用は伸びています。対前年比で2%増えています。目立つのは、12月4日で廃止される留萌線留萌-増毛間。土砂崩壊の恐れが続くことで運休している期間を除いた、2015年5月から2016年1月までのデータですが、輸送密度が対前年比72%増の67人となっています。早くも廃止惜別効果が出ているようです。根元の留萌線深川-留萌間も輸送密度が増え、対前年比7%増の183人です。もっとも、新幹線開業により在来線としての営業を終了したり、第三セクターに移管されたりした海峡線、江差線は輸送密度がそれぞれ対前年比で4%、6%減少しています(海峡線は3月21日まで、江差線は3月25日までの数字)。一部区間が災害で運休中の日高線の輸送密度は、代行バスも加えて185人となっています。ちなみに、北海道新幹線については、2015年度の末の6日間しか営業していないためか、輸送密度等は発表されていません。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160509-3.pdf)
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