東淀川駅改良により、駅周辺の「開かずの踏切」を廃止
新大阪のひとつ京都寄りの駅、東淀川駅。普通列車のみが停まる小さな駅です。
東淀川駅の近辺では、複々線のJR京都線のほか、貨物線も4線あり、合計8つの線路が走っています。駅の前後に踏切が3つありますが、JR京都線などたくさんの列車が通るため、なかなか開きません。いわゆる「開かずの踏切」です。3つの踏切とは(1)JR京都線のうち上り外側線を除く3線を渡る北宮原第1踏切(踏切横断長21.4メートル、2014年調査による踏切遮断時間はピーク時1時間のうち56分(JR西日本管内2番目の長さ)、1日では10.9時間) (2)JR京都線のうち上り外側線と貨物線の合わせて5線を渡る北宮原第2踏切(踏切横断長24.8メートル、2014年調査による踏切遮断時間はピーク時1時間のうち40分、1日では9.3時間) (3)8線全てを渡る南宮原踏切(踏切横断長46.8メートル、2014年調査による踏切遮断時間はピーク時1時間のうち57分(JR西日本管内で最も長い)、1日では16.3時間) です。当初はこれにおおさか東線も加わる予定でしたが、これらの「開かずの踏切」を考慮して、今ある貨物線に乗り入れることにしたのです。既存の線路を通ったほうが、踏切遮断時間の増加度合いが小さいからです。
今でも、踏切を回避する方法はあります。駅構内地下通路や近くの歩道橋もありますが、バリアフリーではないので、使えない人もいます。東淀川駅自体も開業してから75年が過ぎ老朽化し、地下通路の幅も狭いです。西口駅舎からはバリアフリーに対応していません。そこで、東淀川駅を改良することによって、「開かずの踏切」を廃止することにしたのです。
計画では、まず大阪市と共同で、踏切の廃止及び自由通路新設を行います。幅6メートルの自由通路は階段、スロープ、エレベータ、上りエスカレータを備えています。自由通路の供用開始に合わせて踏切や駅構内地下通路を廃止します。また、JR西日本の事業として、東淀川駅の橋上駅舎化を行います(現在の東西の駅舎は廃止します)。すでにバリアフリー化のためにエレベータのついた跨線橋があります。これに階段と上りエスカレータを加え、自由通路に接続する橋上駅舎にするのです。これらの整備により、重大事故につながる可能性のある「開かずの踏切」を廃止することができ、自由通路新設によりいつでも線路の東西をバリアフリーに通行でき、駅の西側からもバリアフリーになります。ただし、自転車は自由通路を通ることはできますが、車は対応できず、約300メートル離れた幹線道路を利用しなければなりません。
踏切の廃止及び施設の使用開始は2018年11月11日に行います。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/05/page_8684.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/05/page_8687.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2018/09/page_13078.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/national/20160512-OYT1T50019.html)
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Comments
>車は対応できず、約300メートル離れた幹線道路を利用しなければなりません。
最近は運転をカーナビに頼っている人が多いですが、なまじこの踏切があると、ここに誘導されたが最後、日中でも10分や15分は閉まっているので、悲惨な目に合います。
カーナビに頼っている人には、いっそのことなくなってくれた方がいい踏切です。
Posted by: かにうさぎ | 2016.05.13 10:16 PM
かにうさぎさん、おはようございます。
* 最近は運転をカーナビに頼っている人が多いですが、
カーナビに頼ると「開かずの踏切」に誘導されることは当然あります。
Posted by: たべちゃん | 2016.05.14 06:57 AM