土讃線の観光列車は「四国まんなか千年ものがたり」
土讃線に観光列車を走らせるということは以前にも記事にしましたが、その続報です。
2017年4月1日から多度津-大歩危間(主なサービスは琴平-大歩危間で行います)を休日に1日1往復(年間120日程度、このほか平日に50日程度貸切運行を行います)するこの観光列車の名前は、「四国まんなか千年ものがたり」と名づけられました。列車名の中にある「千年」は、弘法大師の生誕地である善通寺、古くから海の神様として信仰を集めるこんぴらさん、平家落人の伝説が残っている祖谷地方などの歴史的な文化や景観からつけられているようです。
列車の愛称は上りと下りで異なります。午前中に運転する大歩危行の下りは、「そらの郷紀行」。「そらの郷」とは徳島県西部の険しい山間地帯のことを指します。徳島県の人は自分たちの住む場所より標高の高いところを「そら」というようです。午後に運転する多度津行の上りは、「しあわせの郷紀行」といいます。列車のコンセプトは、「おとなの遊山」。昔、徳島の人は桃の節句になるとお弁当を持って近くの山や浜で1日を過ごしました。この行事を「遊山」といい、その時に持参するお弁当箱を「遊山箱」といいました。コンセプトの「おとなの遊山」は、「気軽に乗れる列車旅」として現代風にアレンジしたものです。
車両はキハ185系3両を改造します(参考にしたプレスリリースをみると、中の車両はキロハ186に見えます)。座席数は55~60席の予定です。デザインコンセプトは「日本のたたずまい」、民家のしつらえや着物の文様をモチーフに、「和の風情」を演出しています。外観は1年の四季の移ろいを各車両ごとの彩りで表現しています。1号車は「春萌<はるあかり>の章」、2号車は「夏清<なつすがし>の章」と「冬清<ふゆすがし>の章」、3号車は「秋彩<あきみのり>の章」となっています。車両の左右で色調を分けています。車内は木材を使い、外観に合わせた彩りのソファ椅子を使っています。座席配置は反対側の車窓も楽しむことができるように配慮され、古民家にある火棚(囲炉裏の上部に吊られる棚)をモチーフにした天井となっています。列車の改造は8月ごろから始め、12月ごろに完了します。改造費用は駅の改修を含めて約2億円です。
この「四国まんなか千年ものがたり」では、食事も出されます。「そらの郷紀行」では香川漆器を使った食事が、「しあわせの郷紀行」は「遊山箱」を使った食事が出されます。
(追記)
「四国まんなか千年ものがたり」の運行に伴い、土讃線のトロッコ列車は2016年秋で姿を消します。
(参考:JR四国ホームページ http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2016%2002%2029%2001.pdf、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/shikoku-mannaka/、徳島新聞ホームページ http://www.topics.or.jp/localNews/news/2016/06/2016_14658807265315.html)
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