只見線もBRT転換か&常磐線小高-原ノ町間7月12日復旧
福島県内で運休が続いている2つのJR路線についての話です。
まず、2011年7月の新潟・福島豪雨で被災し、一部区間が不通となっている只見線について。5月19日、福島県と只見線の沿線自治体でつくる「第2回只見線復興推進会議検討会」が福島市で開かれました。
その中で福島県と沿線の自治体は改めて全線復旧を求め、約85億円の復旧費用の地元負担分を増額する考えを示しました。大規模な災害で被害を受けたローカル線に対する国などの補助は、原則として赤字の会社に限られています。ということは、いくら大赤字の只見線といっても、首都圏の輸送などで儲かっているJR東日本が経営している限り、全額自腹で払わないといけません。それについては、自民党の議員連盟が2015年、法律改正案をまとめています(秋の臨時国会で提出する見込みです)。黒字会社でも被災した路線が過去3年間赤字であれば激甚災害指定などを条件に、国と自治体の負担割合を1/3に引き上げます。なお、今回の只見線に関しては、福島県や沿線自治体は、地元負担割合について、1/3を超えてもいいとしています。
もっとも、JR東日本は乗り気ではありません。コスト面や利用者が減少していることから、地元バス会社に委託して、BRTなどバスにより対応するのが望ましいとしています。一時は増えた会津川口-只見間の代行バスですが、2015年度の1日平均通過人員は35人に減っています。一時の熱は冷めているのです。たとえ地元が全責任を負う第三セクターでも10倍は欲しいところで、どう考えても鉄道を復旧させる価値のある路線ではありません。
話は変わりまして、東日本大震災の影響により運転を見合わせている常磐線について。常磐線小高-原ノ町間は2016年春に再開されるとされていましたが、なかなか再開の知らせが入ってきませんでした。しかし南相馬市に設定された避難指示(帰還困難区域を除く)の解除日が7月12日に決定されたため、その7月12日に小高-原ノ町間の運転を再開します。復旧にかかった費用は約25億円、小高-原ノ町間は1日9往復運転され(震災前に比べて7往復減)、小高には7:15から18:05の間、係員を配置します。「みどりの窓口」の営業は行わず、切符は自動券売機で購入することができます。途中駅の磐城太田は無人のままです。なお、竜田-原ノ町間の代行バスについては、地元からの要望等を踏まえて、引き続き原ノ町まで運行することにします。
(追記)
竜田-原ノ町間の代行バスは、7月12日以降、小高にも停まるようになります。
(参考:JR東日本水戸支社ホームページ http://www.jrmito.com/press/160531/press_01.pdf、http://www.jrmito.com/eq/pdf/20160624_03_info.pdf、福島民友ホームページ http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160520-077371.php、http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160601-080539.php、福島民報ホームページ https://www.minpo.jp/news/detail/2016060131489、https://www.minpo.jp/news/detail/2016060131484、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20160531-OYTNT50139.html)
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