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 秋深まる秩父路へ

 ある秋の日曜日、秩父に行こうと思い、東北線・東武伊勢崎線経由で羽生にやってきた。秩父鉄道の起点はここ羽生である。駅の小さな改札口で「秩父路遊々フリーきっぷ」(1400円)を買い、ホームに止まっている電車に乗る。電車は国鉄で通勤電車として走っていたものである。車体は白に塗り替えられ、冷房もついているが、「あまり変わった」という印象は与えない。田園地帯を電車は走る。

 熊谷は上越新幹線、高崎線と接続するターミナルである。1本しかない秩父鉄道のホームには多くの客が集まっているが、実はその客たちは10:10発のSLを待つ客だった。その客たちの中には外国人の団体もいたので、珍しく感じた。さて、私が熊谷から乗るのは、そのSLではなく、先に出る急行「秩父路」である。熊谷まで乗って来た電車と同様、これも国鉄のお古である。ただこちらのほうは内装に手が加えられているので変わったように感じる。

 寄居を過ぎると、山が近づいてきて、左手には荒川が見える。明らかに今までとは違う光景だ。長瀞で降り、駅の裏手にある長瀞ライン下りの案内所に行く。長瀞ライン下りには親鼻橋からのコースと岩畳からのコースの2つがあるが、今受け付けているコースは親鼻橋からのコースのみだったので、選択の余地はない。案内所の前に止まっているマイクロバスに乗って出発点まで行く。出発点の河原まで行くと、舟を待つ行列。船頭も舟も足らないようで、大忙しのようだ。しばらく列に並んでいると、クレーン付きのトラックがやってきた。荷台に乗っているのは、なんと川下り用の舟。クレーンで舟を川に下ろしていく。舟があんなふうにして送られてくるとは全く知らなかった。

 ようやく自分も乗ることができた。川は全体としては浅く、穏やかなようだが、ところどころに流れが渦巻いているところがあり、水しぶきがかかることもある。色づき始めた木々や珍しい岩を眺めながら、20分ほどで終点に到着した。

 どこかで汽笛が鳴っている。その音に誘われ、歩いて2、3分ほどの長瀞駅に戻ると、そこにはSLがいた。駅の周辺には多くの人たちが記念撮影に精を出している。これらの写真がそれぞれの家のアルバムを飾ることだろう。やがてSLは汽笛を鳴らし、黒い煙を出し、駅を離れた。私もそろそろ長瀞を離れることにしよう。

 私はその直後を走る普通に乗るはずだったが、乗り遅れてしまった。仕方がないので、駅前の食堂でそばを食べる。次にやってきた電車はどうやら地下鉄のお古のようだ。セメント工場や貨物列車という秩父らしい光景(秩父鉄道は石灰石、セメントなどの貨物輸送で栄えた鉄道であった)を見ながら、約45分で終点の三峰口に着いた。

 三峯神社へはここからバスに乗り、さらにロープウェーに乗らなければならない。このあたりまで来ると、真っ赤に色付いている木もあり、秋の深まりを感じさせる。ロープウェーからの景色に期待しながら乗ったのだが、霧がかかっていて見えなかったのは残念だ。山頂の駅から歩いて10分ほどの森の中に神社がある。三峯神社は今より1900年前、日本武尊<やまとたけるのみこと>が創建したという由緒正しいところだ。神社の脇には宿坊があり、温泉もある。しかし、時間がなくて入ることができなかったのは残念。

 全く同じルートでは帰りたくなかったので、帰りは西武に乗ることにする。秩父鉄道御花畑駅からみやげ物街を走り、「おくちちぶ30号」発車5分前に特急券を買った。もう少し遅かったから、売り切れで買えなかったところだった。特急電車はだんだん暗くなっていく秩父路を走る。東京に着くころにはあたりはすっかり暗くなっていた。(終わり)

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↑秩父鉄道を走るC58蒸気機関車

大輪(ロープウェー乗り場)から見る荒川↓

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