北越急行で佐川急便の宅配便を運ぶ
佐川急便は、北越急行六日町-うらがわら間(約46キロ)において、この秋にも、宅配便の荷物を乗客とともに車両に載せて運搬する事業を始めるようです。車両の一部に荷物を置くことができるようにした列車が1日1往復(利用者の少ない、上下線の最終列車で行う予定です)、トラックの代わりに荷物を運びます。北越急行が保有する12両の電車すべてに固定用の金具をつけ、車いす用のスペースを使って1編成(2両)につき幅65センチ、奥行き93.2センチ、高さ165センチのコンテナ2個を運びます。佐川急便の六日町営業所と上越営業所の間の移動に使われます。
宅配便の荷物を貨物列車で運ぶことはよくあり、私鉄やバスに乗せることはこれまでもありましたが(ライバルのヤマト運輸が行っています)、第三セクターの鉄道で運行するのは、全国で初めてです。
佐川急便の狙いは、今後、深刻化すると考えられるドライバー不足に備えてのこと。北越急行は北陸新幹線開業によりドル箱の「はくたか」がなくなり、利用者が大きく減少しているため。宅配便の運搬収入を新たな収入源にしたいと考えているようです。北越急行は普通列車といえども速く、それなりのスピードも期待できそうです。
(追記1)
北越急行は11月8日の昼間に、列車で宅配便の荷物を運ぶ実験を行いました。実際に事業を行うのは2017年の春以降になります。
6月の発表の時点から計画が若干変わり、混載を行うのは最終列車ではなく、20時以降の列車になるようです。宅配便は車いすスペースに積み込みますが、列車は2両編成なので、荷物で車いすスペースが使えないということはありません。
(追記2)
うらがわら駅で荷物の積み下ろしをするのは、段差がなく、カーゴ台車をエレベータで地上に降ろすことができるためです。2017年3月のダイヤ改正では、六日町、うらがわらの両駅で荷物の積み下ろしをすることができるように時間を確保しています。
(追記3)
北越急行での佐川急便の荷物運送は、2017年4月18日に開始します。
なお、佐川急便は東京都心と成田空港を結ぶリムジンバスでも、2017年3月から貨客混載輸送を行っています。
(参考:NHKホームページ http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160603/k10010544641000.html、朝日新聞6月8日朝刊 中部14版、北越急行ホームページ http://www.hokuhoku.co.jp/press/20160608.pdf、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2016/11/08/285069.html、「鉄道ファン」2017年2月号 交友社、産経ニュース http://www.sankei.com/economy/news/170410/ecn1704100025-n1.html)
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