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神戸市営地下鉄海岸線、開業15年で累積赤字880億円

 今月7月は、神戸市営地下鉄海岸線が開業してから15周年を迎える月です。

 しかし、一向に利用が振るいません。1日平均乗客数は微増傾向ですが、それでも4万人台。2007年度に下方修正して設定した、2020年度の1日平均乗客数5.3万人の予測の達成は厳しいとみられています。

 そんな状況ですから、累積赤字は積み重なる一方。海岸線は高齢化が進む臨海部の活性化を目的に約2350億円をかけて建設されましたが、その設備投資に伴う減価償却費などの負担が重くのしかかっています。(理由はよくわからないですが)黒字だった2014年度を除いて毎年数十億円赤字が増えています。営業収支を黒字化するためには1日平均乗客数を今より約1.5万人多い5.5万人が必要です。Jリーグの試合などのイベントで対応できるレベルではありません。2015年7月から9月の間、JRより高い運賃の是正のため、短距離の運賃を値下げする実験を行いましたが、乗客の増加はわずかにとどまり、成果を得ることができませんでした。和田岬への通勤客を狙って和田岬線の廃止を求めるというもありましたが、通勤客、通勤定期代を払う企業ともに得する話ではなく、今のところ進んでいません。

 神戸市としては2017年6月に兵庫区の中央卸売市場本場跡地に大型商業施設がオープンし、新長田駅南再開発地区に行政機関の移転を計画しています。結論から言えばつくる必要の薄い路線だったのでしょうが(特に東部はJRと並行していて、わざわざ海岸線を選ぶ必要はない)、できてしまった以上、廃止するわけにもいかず(廃止しても減価償却費の負担を免れることはできません)、運よく利用者が増えるまでは、「つくらないほうがよかった路線」との烙印を押されるのはやむを得ないでしょう。
(参考:神戸新聞NEXT http://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201607/0009307759.shtml)

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