« 常磐線相馬-浜吉田間、12月10日運転再開しても当分は営業キロ変更なし | Main | 東海道線支線地下化、ようやく全面着工 »

小田急複々線化で朝ラッシュ時にもロマンスカー増発、新型ロマンスカー70000形デビューとLSE引退へ

 小田急は複々線化が完成する2018年3月にダイヤ改正を行うことを明らかにしていますが、特急も大きく変わります。

 今までは複線区間が残っていたため朝のラッシュ時に特急をあまり運行することができませんでした。ところが複々線化の完成により、最近高まっている通勤時間帯の着席ニーズに対応するため、朝のラッシュ時でも特急を増発することができます。7~8時台に新宿・大手町に到着する特急は現行の3本から7本に増えます。18時以降に出る「ホームウェイ」も深夜時間帯(0時台)に増発があり、現行の23本から24本になります。

 休日は箱根への強化。休日の新宿-箱根湯本間「スーパーはこね号」の所要時間を現行の最速80分台から70分台に短縮します。休日の箱根観光のピーク時である午前中の時間帯には、展望車両のあるVSE50000形と、後述する新型特急ロマンスカー70000形を「スーパーはこね号」に投入します。

 そして、その70000形ですが、実は2018年3月に営業運転を開始する、新型車両なのです。「箱根につづく時間<とき>を 優雅に走るロマンスカー」をコンセプトに、VSEやMSEで実績のある岡部憲明氏がデザインします。70000形は7両固定編成で、ボギー車です。VSEとほぼ同じ長さです。ホームドアの導入にも対応しているようです。全席指定で定員は400人、VSEより若干多くなっています。通勤輸送での運用も考慮しているためですが、そのためにビュッフェやラウンジは用意されていません。豪華らしさが薄れて残念なところです。2編成14両を製造し、2編成で約40億円かかります。オレンジが印象的なその車両は、2017年11月に完成する予定です。

 70000形の特徴はどのようなものでしょうか? やはりロマンスカーの象徴としての展望車両は欠かせません。両先頭車に16席の展望席を設けます。荷棚がないので、展望車両が広々とします。風景を十分に見ることができるように、車両側面の窓の高さもVSEやMSEより30センチ高い100センチとしています。乗り心地の向上のために電動油圧式フルアクティブサスペンションを搭載します。在来線量産車両としては国内で初めて、全車両に搭載します。4号車を除く各車両のデッキ付近に荷物収納スペースを設け、座席の下には国内線機内持ち込みサイズ(55センチ×40センチ×25センチ)が収納できるスペースを設置します。Wi-Fiを設置し(コンセントもあります)、すべての洋式トイレは温水洗浄機能付き便座とします。そのほか、防犯カメラ、バリアフリーに配慮したデザイン、多目的室、異常挙動検知装置、編成滑走制御といった安心、安全に関する機能、そして環境面への配慮も行っています。

 VSEや70000形と違って、30000形EXEは地味な存在です。ただ就役から20年が経過したので、岡部憲明氏による全面リニューアルで「EXEα」となります。木目調の車内となっており、和式トイレの代わりに温水洗浄機能付き便座のある洋式トイレになります。増えている訪日外国人に対応して、大型収納スペースも用意します。座席のテーブルはノートパソコンを置きやすいよう、大きめにしています。防犯カメラ、バリアフリーに配慮したデザイン、多目的室を備え、環境面への配慮も行います。売店は廃止されています。2016年度は1編成をリニューアルし、営業運転開始は2017年3月です。費用は約90億円です。なお、リニューアルにより定員は若干減り、MSEと同じ578人となります。

 反対に去るものもあるようです。LSEの7000形(1980年デビュー、現在2編成があります)が2018年3月までに引退するという話もあるようです。

(追記1)
 小田急は2018年度から2020年度にかけて、代々木八幡から梅ヶ丘までの6駅において、ホームドアを設置します。ホームと車両の間隔が大きい代々木八幡では、ホームドアの設置に合わせて、可動ステップも導入します。

(追記2)
 30000系のリニューアルについてですが、将来的にはコンセントを設置することを考えているようです。

(追記3)
 70000形(GSE)は2017年度と2018年度上半期に1編成ずつ投入されます。LSEが引退するのは、GSEが2編成入ってからとなります。
(参考:小田急ホームページ http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8498_7640382_.pdf、http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8500_1656600_.pdf、http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8499_5668838_.pdf、http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8505_7487337_.pdf、乗りものニュース http://trafficnews.jp/post/58862/、http://trafficnews.jp/post/58845/、https://trafficnews.jp/post/61562/3/、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2016/10/20/283944.html、https://response.jp/article/2017/12/06/303406.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ20HOK_Q6A021C1TI5000/、「編集長敬白」 http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2016/10/24/、「鉄道ジャーナル」2017年1月号 鉄道ジャーナル社、「鉄道ファン」2021年11月号 交友社

| |

« 常磐線相馬-浜吉田間、12月10日運転再開しても当分は営業キロ変更なし | Main | 東海道線支線地下化、ようやく全面着工 »

鉄道」カテゴリの記事

小田急」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 小田急複々線化で朝ラッシュ時にもロマンスカー増発、新型ロマンスカー70000形デビューとLSE引退へ:

» 10/20 2016年NPBドラフト会議の裏で小田急がコソーリ新型ロマンスカーを発表していた件 [ポロと旅する&あさちゃん。スポーツ3]
正確には小田急の発表の方が早かったですが… 小田急ロマンスカーに新型車「70000形」導入 2018年3月から https://t.co/yB5jtLUrsk #responsejpmdash; レスポンス (@responsejp) 2016年10月20日小田急が30000形EXEのリニューアルを発表、「EXEα」として2017年3月よ…... [Read More]

Tracked on 2016.10.22 07:36 AM

» 小田急、「特急ロマンスカー・EXE(30000形)」リニューアル [kqtrain.net(京浜急行)]
 特急ロマンスカー・EXEリニューアル[PDF]|2016年|ニュースリリース|企業・CSR情報|小田急電鉄 [Read More]

Tracked on 2016.10.22 05:16 PM

» 小田急、新型特急ロマンスカー「70000形」製造決定 [kqtrain.net(京浜急行)]
 新型特急ロマンスカー「70000形」の製造を決定[PDF]|2016年|ニュースリリース|企業・CSR情報|小田急電鉄 [Read More]

Tracked on 2016.10.22 05:16 PM

» 小田急、複々線完成後に通勤時間帯における特急ロマンスカー増発へ [kqtrain.net(京浜急行)]
 通勤時間帯における特急ロマンスカー増発[PDF]|2016年|ニュースリリース|企業・CSR情報|小田急電鉄 [Read More]

Tracked on 2016.10.22 05:16 PM

» 【小田急電鉄】新型ロマンスカー「70000形」の製造を発表(2018年3月営業運転開始予定) [阪和線の沿線から]
小田急電鉄では、同社の特急ロマンスカーの新型車両「70000形」を製造することを発表しました。 新型特急ロマンスカー「70000形」の製造を決定(小田急電鉄|ニュースリリース ...... [Read More]

Tracked on 2016.10.23 03:31 PM

« 常磐線相馬-浜吉田間、12月10日運転再開しても当分は営業キロ変更なし | Main | 東海道線支線地下化、ようやく全面着工 »