松阪と中部空港を結ぶ高速船、12月に廃止
三重県と中部空港を陸路で結ぶと、かなり遠回りになってしまいます。そこで船でのアクセスができ、一時は四日市や鳥羽からもありましたが、今残っているのは津と松阪だけです。
ところが松阪の便(「松阪ベルライン」)も順調ではありません。2006年の就航開始以来赤字続きです。8往復(現在は4往復)あり最多の12.4万人の利用者がいた2008年度でも赤字でしたが、2015年度の利用者は約1.8万人、採算ラインの7万人の1/4程度しかありません。
このまま運航を続けようとすると、お金がかかります。松阪市は船舶2隻の購入費やターミナルの建設費など8億円を借り入れましたが、2015年度末で約4.4億円が残っています。そして航路を存続させる場合、ターミナル管理費として年間約1900万円、船舶の定期検査費として年平均3000万円が必要となります。船舶の定期検査費はこれまで運航会社の負担でしたが、運航会社との協定で運航期間として定められた2016年12月19日を過ぎると、松阪市側が負担しないといけません。
そこでとうとう、「松阪ベルライン」も協定が切れる12月19日で廃止されることになりました。松阪市の所有する船は売却し、三重県から借りているターミナルや駐車場の土地は更地にして返還します。代替の交通手段として、12月20日から2017年3月末までの間は、松阪駅から津市の中部空港行きの船乗り場まで無料バスを出します。この無料バスは利用状況によっては、4月以降も運行を続けます。船は近鉄特急より所要時間が短く、料金が安いというメリットがありますが、本数が少なく、隣の津に流出していることも多かったようです。5000人を対象に行った市民でのアンケートも不要と答えた人が4割もいました。正直言って当初から津に集約させてアクセスの向上を図ったほうがよかったでしょう。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20160914/CK2016091402000032.html、http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20160917/CK2016091702000020.html)
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