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日高線の復旧費、86億円に増加

 JR北海道の日高線は、2015年1月の高波被害以来、鵡川-様似間(116キロ)で運休を続けています。

 この日高線を再び列車が走ることができるようにするためには、多額の費用がかかります。その額は最小限の防災対策費の30億円のほか、2015年9月に被災した箇所の復旧費8億円が加わった38億円でした。

 この額がさらに増えることになりました。現時点で確認できた状況によると(まだすべての調査が終わったわけではありません)、台風7、9、11号による被災箇所復旧費が2億円、台風10号による被災箇所復旧費が17億円、厚賀-大狩部間防災対策の強化(護岸改築、斜面吹付枠工)が29億円、合わせて48億円が増えるのです。合計すると86億円になるのです。

 この86億円の復旧費で終わりではありません。海岸浸食対策として離岸堤の整備が必要だとJR北海道は考えているのですが、JR北海道単独ではこのような抜本的な海岸保全にかかる費用を負担することは極めて困難だとしています。

 まだまだ増えます。安全運転を実現するための最小限の防災対策及び土木構造物の老朽対策費が今後約10年間で53億円が必要となります。ここまで加えると139億円です。

 問題は、日高線がこの復旧費を払ってまで復旧させる価値があるのかということ。答えは明らかです。2015年度の日高線の輸送密度は185人、売上8200万円に対して経費は17.5億円(バス代行経費4.6億円を含みます)、営業係数は2125円です。どう考えても鉄道を走らせるほどの需要はなく、赤字を垂れ流すだけです。しかも、地元沿線7町は運行再開後の維持に必要な年間13.4億円の負担、上下分離方式の受け入れのどちらも拒否しています。これでは、存続できるわけがないでしょう。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161109-1.pdf、https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161104-1.pdf、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2016/11/09/285116.html、苫小牧民報ホームぺージ http://www.tomamin.co.jp/20161144435)

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