尼崎市内のJR神戸線内で四輪車通行止めにする社会実験
JR神戸線尼崎-立花間にある七ツ松踏切と三反田踏切は、ともに道幅が6メートルほどです。どちらも一方通行ですが、狭い踏切に車、自転車、歩行者が混在して危険な状態になっています。
そこでJR西日本は、11月5日0時から12月1日0時までの間、この2つの踏切で四輪自動車の通行を禁止する社会実験を行います(バイクは通行できます)。踏切の入り口に車止め用のポールを立てて、物理的に進入できないようにします。兵庫県内では初めての取り組みのようです。
なぜそういうことをするのでしょうか? JR神戸線には多くの列車が走っています。特に朝のラッシュ時はそうです。踏切は閉まる時間が長く、開いたら一斉に人や車が渡ることになります。車道にも人があふれます。しかしその時間も短いです。踏切が閉まり始めると、下がった遮断機をくぐって渡ろうとする人が出てきます。危険な行為なのですが、列車の運行にも影響を与えます。障害物検知装置が作動して列車が緊急停止したり、立ち往生しかけた車が遮断棒を追って脱出を図ったり(この場合も列車に遅れが発生します)することもあります。JR西日本によれば、2013~2015年度の3年間、七ツ松踏切では116件、三反田踏切では31件のトラブルがありました。近隣住民からも安全対策に関する要望が寄せられ、今回の社会実験を行うこととなったのです。四輪車を対象にしたのは、前の道が混んでいれば、踏切から脱出したくても出ることができずにトラブルになるからでしょうか? もっとも、歩行者や自転車がそういうトラブルを起こさないとは限りません。機敏に動くことができない人は少々遠くても踏切を通らない方が好ましいですが、そういう人ほど危険な踏切を通ります。
JR西日本は期間中の1週間程度、警備員を配置して車をほかの道路を通るように誘導します。2つの踏切の間には踏切がありますが、JR西日本によればそこを通るのは少ないとみているようです。歩行者にはアンケートを行います。JR西日本はこの社会実験の結果を基に、尼崎市や兵庫県警などと連携して今後の対応を検討しますが、支障がなければ社会実験の終了後も四輪自動車の通行止めを継続する方針です。
連続立体交差化が図られるのが理想的でしょうが、費用がかかります。暫定的には踏切をつぶすのが次善の策と言えるでしょう。ところどころに歩行者や自転車用の橋や地下道が要るでしょうが。
(追記)
社会実験等の結果を受けて2017年9月1日から、七ツ松踏切と三反田踏切を終日四輪車通行止めとします。
(参考:産経WEST http://www.sankei.com/west/news/161105/wst1611050059-n1.html、神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/201611/0009633843.shtml、尼崎市ホームぺージ http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/tosi_seibi/douro/040991.html)
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Comments
尼崎-立花間の踏切では、列車の緊急停止も多いです。
当方も、新快速で走行中に緊急停止を経験したことが、何度もあります。
>JR神戸線には多くの列車が走っています。特に朝のラッシュ時はそうです。
運行本数から言えば、尼崎以西須磨くらいまでは、余り変わらないはずですが、なぜ、この区間ばかり、踏切障害が多いのかはよくわかりません。
Posted by: かにうさぎ | 2016.11.08 12:29 AM
かにうさぎさん、こんばんは。
* 運行本数から言えば、尼崎以西須磨くらいまでは、
尼崎-立花間以外にも踏切はあるのですから、不思議なところではあります。利用者が多いのでしょうか?
Posted by: たべちゃん | 2016.11.08 08:15 PM
単純に踏切が多いだけじゃないですか。
他は立体交差が多いですし。
Posted by: 誰か | 2016.11.08 11:31 PM
誰かさん、おはようございます。
* 単純に踏切が多いだけじゃないですか。
それなら立体交差化が望まれるところであります。
Posted by: たべちゃん | 2016.11.09 06:52 AM