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December 2016

「四国まんなか千年ものがたり」ダイヤ等発表、土讃線のトロッコ列車は高知へ

 以前に記事にした、「四国まんなか千年ものがたり」についての続報です。

 「四国まんなか千年ものがたり」は3両編成、座席数は57席です。内訳は1号車は22席、2号車は11席、3号車は24席です。1号車は1人用シートが6席、2人用シートが4席、4人用ボックスシートが12席あります。2号車はロングソファのシートが11席あります。3号車は1人用シートが6席、2人用シートが6席、4人用ボックスシートが12席あります。トイレは1号車に洋式トイレが2つ(うち1つは女性専用)、2号車に多目的用トイレが1つあります。

 ダイヤは大歩危行きの「そらの郷紀行」が多度津10:21発、大歩危12:48着。多度津、善通寺、琴平で乗車し、大歩危で下車します。「しあわせの郷紀行」は大歩危14:20発、多度津17:16着。大歩危で乗車し、琴平、善通寺、多度津で下車します。多度津、大歩危の両駅ともに特急との接続が考えられたものとなっています。「そらの郷紀行」、「しあわせの郷紀行」ともに秘境駅である坪尻で停車し、ホームに降りることができます。大歩危や小歩危等絶景の箇所では、速度を落とします。土日を含めて週4日運転します。

 「四国まんなか千年ものがたり」は全車グリーン車指定席の特急です。多度津-大歩危間の運賃・料金は3740円(子供は2510円)となります。事前に予約すれば(JR四国のほか、旅行会社等でも予約できるようです)、食事もできます。「そらの郷紀行」は、株式会社神椿(香川県琴平町)の「さぬきこだわり食材の洋風料理」(5500円)。神椿は金刀比羅宮が運営していて、資生堂パーラーがサービスや料理を提供しています。資生堂パーラーらしく、料理長が洋食の技法を凝らして、厳選した香川県の地元食材を使った食事を提供します。オードブル風4種と温かいメーン一皿で構成されます。「しあわせの郷紀行」は、日本料理味匠藤本(徳島県東みよし町)の「おとなの遊山箱」(4500円)。昔、徳島県の人々が山や野に出かける際に食材を詰めて持って行った遊山箱を使用し、地元食材にこだわった料理と地元の甘味を3段の遊山箱で提供します。食事の提供などを行うアテンダントは、車両のコンセプトである「和のたたずまい」を表現するため、制服に和柄を取り入れています。アテンダントには女性だけでなく、男性も乗車するため、男性用の制服もつくっています。

 さて、これまで走っていた土讃線のトロッコ列車、「絶景!土讃線秘境トロッコ」はどうなるのでしょうか? ちゃんと次の仕事があるのです。「四国デスティネーションキャンペーン」(2017年4~6月)に合わせて、土佐くろしお鉄道で走ることになるのです。高知-安芸・奈半利間で走るのが、「太平洋パノラマトロッコ」、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線から見える雄大な太平洋の眺望をイメージした名称とのことです。運転日は2017年4月、5月の休日(計21日)。高知-奈半利間を1往復(安芸と伊尾木に停車します)、高知-安芸間を1往復(途中停車駅はありません)します。高知-安芸間は全車指定席で、520円の座席指定料金が要ります。トロッコ車両にはのいち-安芸間のみ乗車できます。安芸-奈半利間は全車自由席です。ちなみに、定員は59人です。
(参考:JR四国ホームページ http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2016%2009%2026%2002.pdf、http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2016%2011%2028%2001.pdf、http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2016%2012%2016%2006.pdf、日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10038080Y6A121C1LA0000/)

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「ななつ星in九州」、10月~2017年2月出発分運行ルート発表、3月から値上げ

 すでに発表されてから3か月以上経ち、古くなっていますが、備忘録として残しておきます。

 熊本地震で豊肥線が不通となったため、「ななつ星in九州」は本来のルートから外れて特別なルートで走っています。JR九州は9月16日に、10月から2017年2月までの運行ルートを発表しています。

 3泊4日コースは、10月4日から25日出発分までは4日目に天草を観光し、11月1日から2017年2月28日出発分までは4日目に柳川を観光します。どちらも3日目の18:30から4日目の7:20までの13時間弱を水俣駅で過ごします。天草観光コースは八代でバスに乗り換え、三角港でのクルーズ、「天空の船」での食事、「A列車で行こう」の乗車を経て、宇土駅から再び「ななつ星in九州」に乗ります。柳川観光コースは大牟田でバスに乗り換え、「御花」での食事、北原白秋記念館見学(11~12月)もしくは大川組子工房見学(1~2月)を経て、羽犬塚駅から再び「ななつ星in九州」に乗ります。

 1泊2日コースは、2日目の停車駅、豊後森駅にて近代化産業遺産である豊後森機関庫を見学するプランを設定します。1時間半余り滞在することになります。

 2017年3月以降のルートは未定ですが、気になる話があります。2017年3月出発便から値上げを行うのです。茶道や豆腐づくりなど日本文化の体験を組み込むため、5~10万円引き上げ、1泊2日コースは30~45万円に、3泊4日コースは63~95万円になります(客室タイプや時期により変動あり、2人1室の1人分)。2013年の運行開始以来、5回目の値上げとなります。別の世界の話です。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/top_info/pdf/981/160916nanatsubosunkouruto.pdf、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/160917/wst1609170042-n1.html)

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阪和線から103系がいなくなっていた?

 阪和線は225系を増備することによって、旧型車両の103系などを追い出そうとしています。

 12月24日のことですが、225系の増備を受けて、阪和線の車両運用が変更されました。これによって23日まであった103系もしくは205系の4両編成での運用がなくなりました(23日までは4運用ありました)。6両編成のほうも運用が8運用から6運用に減っています。いずれも223系もしくは225系での運用となっています。

 さすがに阪和線から103系が引退するときは記念イベントが行われるでしょうし、JR西日本からも何らかの発表があると思われます。なんやかんや言いながらも50年近く走り続けてきた車両ですから。このように103系等の運用が減っているところからすると、その時期はそう遠くないと考えられます。
(参考:鉄道ホビダス http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2016/12/jr_3072.html)

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片側1車線の高速道路にワイヤーロープ

 高速道路のうち片側1車線のものは全体の27%を占めます。大半の区間では道路の中央に10メートル間隔で高さ約1メートルのゴム製ポールがあるだけであり、車が対向車線にはみ出す事故が相次いでいます。2015年は334件も発生しました。以前にも書きましたが、死亡事故の発生率も高く、ほかの区間の約2倍です。

 片側1車線の高速道路を2車線にすれば安全性は高まりますが、そんな需要がないから1車線でつくられるのです。そもそも(国のお金を投じて)高速道路をつくるべきではなかったのかもしれませんが、今さら廃止することもできません。片側1車線のままで安全性の向上を図らないといけません。そこで国交省が考え出したのは、センターライン上に金属製のワイヤーロープを張るアイデアです。1本の直径が1.8センチのワイヤーロープを5本張り、3メートル間隔でポールを立てます。対向車線にはみ出そうとする車をはじき出し、たわむことで衝撃を吸収することができます。すでに2012年から道央道や磐越道で試行していましたが、それを大幅に拡大し、2017年春から道東道、道央道、秋田道、日沿道、磐越道、東海環状道、舞鶴若狭道、紀勢道、山陰道、浜田道、松山道、東九州道の一部区間約100キロで行い、効果を調べます。

(追記1)
 ただ、このワイヤーロープにも欠点があり、トンネルや橋には設置できません。杭の深さが2.6メートルあるため、トンネルの下の排水管や橋の骨格部分を傷つける危険性があるからです。

(追記2)
 2017年春から秋田道など12路線115キロにワイヤーロープを設置したところ、2018年3月末までの時点で飛び出し事故は1件、死亡事故はありませんでした。

 そこで国交省は今後5年ほどかけて、技術的に設置が難しい橋上等を除いて、ワイヤーロープを全国的に設置する方針を決めました。
(参考:朝日新聞12月27日朝刊 中部14版、朝日新聞2018年3月29日朝刊 中部14版、国交省ホームページ http://www.mlit.go.jp/common/001156369.pdf、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180615/dde/041/040/034000c)

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「関空トク割ラピートきっぷ」値上げ

 南海が2017年1月28日にダイヤ改正を行う予定であることは以前に記事にしましたが、その続報です。

 ダイヤ改正を行う日は予定通り2017年1月28日になりました。改正内容はおおむね以前に記事にした通りですが、空港急行の増発は和歌山市行きの区間急行の振替で対応します(代わりに普通が関西空港行きから和歌山市方面行きになります)。8両編成の空港急行はこれまで平日は118本中23本、休日は117本中22本だったのですが(本数は上下合計)、ダイヤ改正後は平日は132本中61本、休日は127本中48本に大幅に増えます。

 そしてもうひとつ、ニュースがあります。南海は関空の施設利用料引き下げを受けて、2012年12月から「関空トク割ラピートきっぷ」というものを売り出しています。結構割引率の高いものですが、関空の利用者が増えているために、2017年1月28日以降、値上げします。新しい値段は、レギュラーシート用が大人1270円(現行より140円値上げ)、子供640円、スーパーシート用が大人1480円(現行より140円値上げ)、子供840円です。空港急行における一部外国人のマナーの悪さが問題となっている現状においては、「ラピート」への誘導は重要なテーマですが、このような状況下での値上げは強気な態度と言えます。
(参考:南海ホームぺージ http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/161227_1.pdf、exciteニュース http://www.excite.co.jp/News/society_g/20161202/Weeklyjn_11712.html)

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若狭のリゾート新線、北陸新幹線で建設意義消滅か?

 もともと滋賀県の近江今津と福井県の上中の間には鉄道を建設する計画がありました。琵琶湖・若狭湾快速鉄道、通称リゾート新線と言われるものです。約20キロを建設し、概算の事業費は424億円。1992年に福井県内の地元の市町村が建設促進期成同盟会を設立し、福井県や滋賀県とも協力して事業化を目指してきました。実は建設の基金も積み立てられ、福井県が約50億円、嶺南広域行政組合が約30億円をすでに積み立てています。

 ところが、北陸新幹線は「小浜-京都ルート」で建設されることになりました。そうなると京阪神から小浜に新幹線ですぐ行くことができ、リゾート新線の建設意義は薄れてしまいます。松崎小浜市長も20日の定例記者会見でリゾート新線の建設促進活動を終了させる可能性があることを明らかにしました。当然ながら小浜市だけで決めるような話ではないので、すでに積み立てられている基金の処理を含めて、関係する自治体と協議して、2016年度中に方針を決めるようです。

 確かに新幹線が開業すれば、わざわざ琵琶湖を経由していく必要はありません。建設意欲がなくなるのは、理解できます。
(参考:福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/111536.html)

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東海道線豊橋-岡崎間の小駅も無人化

 武豊線内の半田を除く駅が機械化により無人化されたことは記憶に新しいですが、東海道線豊橋-岡崎間の小駅についても同じようなシステムが導入されることになりました。集中旅客サービスシステムというものです。

 集中旅客サービスシステムは、東海道線豊橋-岡崎間の小駅、すなわち、西小坂井、愛知御津、三河大塚、三河三谷、三河塩津、三ケ根、幸田、相見の8駅に導入されます。遠隔での切符の確認や案内センターのオペレーターとの会話を可能にすることで、早朝から深夜まで列車が運行する時間帯については切符の購入、精算、ICカードへのチャージができるようになります(現在は無人となる時間帯では切符の購入、精算、ICカードへのチャージはできません)。案内センターのオペレーターはカメラによって駅の状況を把握し、切符の精算、客からの質問の対応や案内放送を行います。現地での案内が必要な時は、三河三谷、幸田にいる係員が出向くことになります。

 さらに幸田には、遠隔サポート機能を付加した指定席券売機を導入します。インターホンを通じたオペレーター対応により、証明書を必要とする割引きっぷにも対応することができます。プレスリリースを読む限りは、JR西日本の「みどりの券売機プラス」レベルの能力はありそうです。幸田はそれでいいのですが、あとの駅は「みどりの窓口」が撤去され、無人駅になってしまいます。新幹線の特急券ぐらいは買うことができるように、指定駅券売機ぐらいは設置してもいいでしょう。

 豊橋-岡崎間の小駅の無人化工事は2017年4月に着手し、10月に使用を開始します。工事費は約2.9億円です。

(追記)
 近鉄名古屋駅構内のJRきっぷうりばも、2017年11月1日から遠隔サポート機能を付加した指定席券売機を導入します。駅係員によるきっぷの販売がなくなるのです。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000032440.pdf、http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000035009.pdf)

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完成した整備新幹線に新駅をつくる方法

 新幹線があっても駅がなければ意味がありません。どうしても駅の追加を求める動きは出てきます。

 以前から話があるのが、北陸新幹線上田-長野間の千曲市に駅をつくる話。2022年度末予定の北陸新幹線敦賀開業に合わせて市内に新幹線駅を開業させるとしています。国鉄時代に開業した東海道新幹線等とは違い、整備新幹線は国や地方自治体の負担でつくり、JRに貸し出しています。その整備新幹線で開業後に新駅をつくったことはなく、どうやってつくればよいかという設置認可手続きも明確ではありませんでした(完成前の場合は、独立行政法人鉄道・運輸機構が工事実施計画を変更し、JRの了承と国交省の認可を得られれば、新駅の設置ができます。白山市に駅をつくる話がこれに該当します)。

 ところがその明確でなかった部分に解釈ができました。国交省鉄道局は、整備新幹線完成後に駅をつくる場合の手続きは、東海道新幹線等の国鉄時代に開業した新幹線同様、鉄道事業法に基づくという認識をしましたのです。営業主体のJRから鉄道事業法に基づく設備変更申請を出させ、それに基づいて認可するという手続きをとるのです。ただし、JRには設備変更の申請前に、整備新幹線を保有する鉄道・運輸機構との協議が必要になるとしています。

 千曲市内に新幹線駅が要るのかという話はともかくとして、この流れに沿って新駅の設置が進むことになります。
(参考:信毎web http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20161203/KT161202ATI090030000.php)

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大館の「鶏めし」、新社屋で製造能力強化

 大館駅の人気駅弁、「鶏めし」。今から70年ほど前の1947年に発売を開始した名物駅弁です。秋田県産あきたこまちを鶏のスープや醤油で炊いた御飯に、甘辛く煮た鶏肉、栗の甘露煮などが載ります。おかずには、がんもどきやシイタケの煮物が付き、税込880円です。大館駅のほか、東能代、秋田、青森、新青森、盛岡、仙台の各駅などでも販売しています。

 全国的にみれば駅弁業者はどんどん減っていき、驚くことにこのたった20年間で1/4にもなってしまいましたが、この「鶏めし」は人気で、繁忙期には注文に対応しきれないこともあります。そこで販売会社の花善は、店舗兼社屋を建て替え、製造能力を強化させます。新社屋は、大館駅前にある現社屋の隣に建てます。鉄骨2階建てで延べ床面積は743平方メートルです。1階に製造ラインや約50席の食堂、2階には掛け紙や立ち売りの備品(昔は立ち売りを行っていました)を展示するギャラリーと製造工程の見学通路があります。製造能力は1日最大3500食から5000食になり、1階には現在外部に委託している細菌検査用の部屋もあります。現社屋にある、約80人収容の大広間(昭和末期までは結婚式場として使っていました。今は団体用の部屋です)はなくなります。旅行スタイルの変化で団体需要が減ったからです。現社屋は解体し、跡地は駐車場になります。新社屋は駅弁の日である2017年4月10日に完成します。
(参考:河北新報ホームぺージ http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201609/20160919_42004.html)

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山形鉄道に食事つき列車

 利用客の減少で経営が苦しい山形鉄道。鉄道用地を沿線の自治体に無償譲渡する代わり、車両や施設の修繕や維持管理費用は地元自治体が負担する、上下分離方式に移行しました。その山形鉄道では、これまで車内でプロレスを行うなどの単発のイベント列車はありましたが、観光列車の類はありませんでした。しかしその山形鉄道、食堂車を運行することにしたのです。

 食堂車は新たにつくるのではなく、既存の1両を改造します。4人掛けのボックスシートだったのですが、20人用と24人用のロングシートにし、飲食ができるようにテーブルを備えます。車内で餅つきを体験することができ、音楽や落語、漫才を演じることができるステージもあります。内装は木目調にし、落ち着いて食事できるようにします。外装は沿線にある南陽市の熊野神社に因んで、縁結びをイメージしたデザインと配色のラッピングを行います。ただ、食堂車と言っても車内で調理するわけではなく、米沢牛や地酒、ワインなどを出前で提供するものです。

 約3000万円をかけての食堂車の改造は12月中に終え、2017年1月から試験運行を始め、2017年4月から本格運行に切り替えます。週末や祝日に走らせます。片道1時間のコースで、昼間に最大2往復走らせます。値段は乗車券込みで2000~4000円の予定です。
(参考:河北新報ホームぺージ http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201612/20161214_53012.html、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161223-00000028-mai-soci)

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愛媛と大分を橋や海底トンネルで結ぶ構想、単線鉄道をトンネルで結ぶのが一番安い

 愛媛と大分(豊予海峡ルート)を橋や海底トンネルで結ぶ構想があります。以前にも取り上げた話なのですが、大分市は東京のコンサルタント会社に概算事業費の試算を依頼し、その速報値が明らかになったのです。

 一番安いのは、トンネルで単線の鉄道を通した場合。6800億円かかります。2車線の道路だと6900億円、2車線の道路と複線鉄道の組み合わせだと16450億円となります。橋だとどうなるのでしょうか? 2車線の道路だと12830億円、複線の鉄道だと18070億円、2車線と複線鉄道の組み合わせだと25040億円かかります。

 これを受けて豊予海峡ルートを推進する佐藤大分市長は、新幹線を敷くのが望ましいとしています。松山-大分間が38分、大阪-大分間が現在より1時間38分速い2時間16分で結ばれます(もっとも、松山-大分間がつくられるころには、小倉-大分間の新幹線はできあがっているでしょうから、比較すべきなのは大阪-小倉-大分間のフル規格新幹線でしょう。それと比較すると効果は小さくなります)。しかし、岡山-松山間や小倉-大分間ではなく、松山-大分間にどれほどの需要があるのでしょうか? 現状の需要から考えると厳しい話しか出てこないでしょう。試算では将来の人口減少などを見込んでも、トンネル&単線鉄道の場合で1.2~3.32と結構いい値が出ていますが(トンネルは既存の技術で対応できますが、橋は技術的な問題からコストがかさむためにどのパターンでも採算は悪いようです)。

 もっとも、これは鉄道だけが無駄だといっているのではありません。道路も同じです。鉄道はつくる前に採算性についての議論がありますが、道路にはそういうものがありません。その道路がないと外に出られないような生活道路ならともかく、税金を投入してつくる高速道路には着工前に採算性の洗礼を浴びせないといけません。すでに国道など幹線道路があるのですから、赤字確実の道路をつくる必要はありません。地元の県や市がつくるのまで止めることはできませんが、少なくとも国の支出分はそういう視点で見ないといけないでしょう。当然ながら、既存の新直轄方式の高速道路も例外ではありません。今からでも見直し、本来つくるべきでなかったところには地元に負担させないといけないでしょう。自分の金なら、必要かどうかを冷静に考えることができたのですから。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/economy/20161224-OYT1T50021.html、産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/161223/rgn1612230070-n1.html、大分合同新聞ホームぺージ http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/12/23/JD0055316559)

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札幌市電、利用者増加したが赤字も増加

 札幌市電がループ化されてから20日でちょうど1年が過ぎました。

 札幌市交通局によれば、2015年12月から2016年12月18日までの間、1日当たりの平均乗車人員は23913人と、前年同期に比べて2240人増加しました。率にして10.3%です。以前に書いた記事同様、好調さを維持しています。札幌市は1日600人増加すると見込んでいましたので、それよりも大きく増えたことになります。利用者にアンケートをしても好評で、低床車の導入やサイドリザベーションの採用によって、車椅子での利用が増えました。2012年はたったの6件でしたが、2016年は11月末時点で228件に増えました。

 しかしこれも以前に記事にしていますが、老朽化した車両の更新が必要となっているため、赤字が増加しているのです。2015年度の赤字額は1.17億円、それが2016年度には2.90億円になるようです。この赤字を埋めるため、2017年4月に運賃の値上げをします。値上げにより、2023年度までに黒字化したいと考えています。また、歩道沿いに軌道がある区間では線路上で駐停車したり、タクシーの乗り降りがあったりする事例が多発しています。違法駐車による遅れは18日現在で19件発生しています。駐車停車禁止の標識を増やすことも考えています。

 札幌市はループ化の効果や運賃値上げの影響を検証し、市電の延伸を検討します。延伸先として候補に挙がっているのは、札幌駅、桑園、苗穂の3か所です。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/economy/20161221-OYT1T50041.html、北海道新聞ホームぺージ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0350372.html)

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東京メトロ、翻訳するメガホン導入

 近年、訪日外国人が増える傾向にあります。彼らは当然ながら全員が日本語がわかるわけではありません。ところが駅員も全員外国語を話すことができるわけではありません。

 そこで東京メトロが12月31日から導入するのが、メガホン型多言語音声翻訳サービス、「メガホンヤク」(「メガホンヤク」はパナソニックの商標です)。まず5台導入するのですが(さらに追加することを検討しています)、まずはじめに使うのは、初詣客でにぎわうと想定される浅草駅と明治神宮前(原宿)駅です。案内したい内容を事前に端末に登録しておくと(約300種類、これも定型文の追加登録を考えています)、災害などの異常発生時、大規模なイベント開催時などに、状況に合わせて日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語で音声案内をすることができるのです。話したい内容は「メガホンヤク」にあるタッチパネルまたは音声照合機能によって選びます。事前に登録がいることから瞬時に対応することはできませんが、「ドラえもん」のひみつ道具に出てきそうなものです。すでにディスプレイ等で4か国語表示を取り入れてはいますが、それに「メガホンヤク」の音声案内を組み合わせることによって、訪日外国人に対してさらなる案内の充実を図ることができます。

 実はこの「メガホンヤク」、成田空港でも2017年1月から導入します(試行としてはすでに行っています)。他の場所でも導入の動きはあるかもしれません。

(追記)
 京成も成田スカイアクセスの4駅を除くすべての駅において、2016年12月5日までに「多言語拡声装置」の整備を完了しています。東京メトロとは別の会社(エジソンハードウェア株式会社)のものです。
(参考:東京メトロホームぺージ http://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews20161220_118.pdf、マイナビニュース http://news.mynavi.jp/news/2016/12/16/193/、京成ホームぺージ http://www.keisei.co.jp/keisei/kouhou/news/161208_01.pdf)

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「ドリーム号」に新しい名前

 1969年に日本初の夜行高速バスとして登場して以来、様々な改善が行われているJRバスの「ドリーム号」。多くの人に利用され、夜行バスの代名詞的な存在にもなっています。

 その「ドリーム号」ですが、ジェイアールバス関東と西日本ジェイアールバスは2017年春に新型車両を導入します。東京-大阪間を1日1往復する予定です。その新型車両とはどういうものでしょうか? ハイデッカー仕様の車内に、前方には2列シートを4席、後方には3列シート(1列+2列)を14席の合計18席を用意します。従来の「ドリーム号」よりもゆったりとしたものになります。2列シートは「プレミアムドリーム号」のプレミアムシート。足を伸ばしても寝返りをうつことができるぐらいの、ホテルのようなシートです。従来よりもシートピッチを拡大し、足元にはヒーターも用意します。3列シートは「グランドリーム号」の新型クレイドルシート(ゆりかごのような快適なシート)をベースにして、リクライニング機能を向上させて快適性をアップしています。全席でシートピッチを1メートル以上確保して、足元もゆったりとしています。2列シートには全席にパーテーションを設置します(3列シートは座席の前後を仕切るプライベートカーテンも併用)。コンセント、フリーWi-Fi、空気清浄機付きエアコンを標準装備するとともに、「ドリーム号」では初めて、全席にタブレット端末を設置します。動画や雑誌なども無料で楽しむことができます。当然ながら充実した安全装備を備え、安全にも配慮したものとなっています。

 この新しい「ドリーム号」、名称を募集します。12月19日から2017年1月20日の間、パソコンやスマートフォンで応募することができます。新しい名称は2017年2月下旬に発表する予定で、応募した人の中から抽選で20人を試乗会に招待します。なお、名称の選定には「ドリーム号」のアンバサダーであるAKBの横山由依も加わります。彼女はAKBの候補生であった高校生のときに、毎週末「ドリーム号」に乗って東京と京都の間を往復していたのです。

 ここで気になるのが、先日取り上げた「DREAM SLEEPER 東京大阪号」の話。事前に動きを知っていたのでしょうか?
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/12/page_9687.html、JR高速バスドリーム号ホームぺージ http://www.jrbus-dreamgo.jp/)

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「ハローキティ」路面電車

 サンリオの人気キャラクター、「ハローキティ」。その「ハローキティ」が住吉エリアを活性化することになりました。

 南海が住吉大社の協力を受けて9月30日から始まったイベント、「HELLO KITTY LOVES❤すみよし」は、様々な企画を用意しています(すでに終了したものもあります)。その中で一番目立つのが、阪堺電車へのラッピング。10月16日から2017年2月15日まで行います。

 しかもラッピングされるのは、モ161形車(166号車)。製造されてから90年近く経つ、現役最古の車両です。正面はチョコレート色ですが、正面の窓下や側面は、ピンクをベースに制服を着た「ハローキティ」や住吉大社を思い出せる姿になった「ハローキティ」が描かれています。運行ダイヤは日によって変わり、運行区間は上町線、阪堺線の全線です。
(参考:阪堺ホームページ http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/160920.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/57846/)

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北陸鉄道、休前日の終列車後に臨時運行

 北陸鉄道は金沢市など沿線自治体の協力によって、12月と2017年1月の休前日(12月22日は含みますが、23日、30日は除きます)、石川線、浅野川線の両方で、終列車後に臨時列車を走らせます。

 運行ダイヤは石川線が野町23:55発鶴来0:25着、浅野川線は北鉄金沢23:55発内灘0:12着です。通常ダイヤは野町22:55発、北鉄金沢23:00発なので1時間程度遅くなります。繁華街で忘新年会を楽しむ人のほか、東京や大阪からの最終の新幹線や特急に乗った人もこの臨時列車に乗ることができます。

 この臨時列車、各駅に停車し、運賃以外の特別料金は必要ありません。定期券や回数券も使えます。この実験によって、鉄道などの公共交通の利用が増えるのを望みたいです。
(参考:北陸鉄道ホームぺージ http://www.hokutetsu.co.jp/archives/15018、鉄道ホビダス http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2016/12/post_1512.html)

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道南いさりび鉄道に「夜景列車」

 今日までの話なので、来年以降も行われたときの参考にしかなりませんが、開業ブームもあり、JR時代とほぼ同じ利用客数(1日平均2000人)を維持している道南いさりび鉄道に関して、備忘録として書きます。

 12月2日、9日、16日、23日、24日の5日間、それも函館17:43発の木古内行きだけですが、一部区間において、2両目を暗くして夜景を楽しむことができる「夜景列車」を運行しました。

 「夜景列車」となる区間は上磯を出て、札苅までの間。18:08から18:44の間でした。1両目は通常通り蛍光灯の明るさのままですが、2両目を減灯させ、電球だけとなりました。風光明媚な区間として知られるこの区間の車窓からは函館の夜景、津軽海峡に浮かぶ漁火や船の灯りなどを楽しむことができたのです。車内には季節感を感じるクリスマスの装飾が施されました。

 ちなみに車両は特に決まったわけではなく、いろいろ使われたようです。また、乗車には特別料金は必要なく、運賃だけで乗車できました(自由席)。2両目は明かりがつかないことから、トイレも使えなかったようです。
(参考:道南いさりび鉄道ホームぺージ http://www.shr-isaribi.jp/info/1903/、マイナビニュース http://news.mynavi.jp/news/2016/11/29/258/、北海道新聞ホームぺージ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0316292.html)

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お賽銭も電子マネー

 少額の支払いに電子マネーを使うことができるところはたくさんありますが、1日限定ですがこういうところでも使えるようになります。

 それは神社のお賽銭。東京都港区の愛宕神社は2017年1月4日限定で、楽天の「楽天エディ」が使えるようになります(他の電子マネーは使えません)。8時から日没ごろまで、本殿の賽銭箱の横に読み取り端末を1台置きます。参拝者は1円単位でお賽銭の金額を入力し、参拝者のカードや携帯をかざすと決済されます。

 愛宕神社は1603年に徳川家康によって創建された由緒正しい神社。そして愛宕神社は楽天の創業時のオフィスがすぐ近くだったこともあり、三木谷会長などの幹部が初詣に訪れます。現金だと賽銭泥棒がいますが、電子マネーだとそういうことができません。お賽銭を金融機関に入金すると手数料がとられますが、そういうことも防げます(電子マネーでも決済ごとに手数料がかかりますが、今回は楽天サイドが提案したこともあり、手数料はなく、読み取り端末も楽天から無料で貸し出されます)。そこで1月4日限定で試験的に導入することにしたのです。2014年からすでに行われていて、将来的には本格的に導入することも考えているようです。

 拝観料やお守り、おみくじならともかく、お賽銭を電子マネーで出すのは味気ない話かもしれませんが、電子マネーが普及した現在では出てくる話なのかもしれません。
(参考:朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASJDP4SQXJDPULFA018.html)

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関東バス等、全室扉付き完全個室型高速バスを運行

 世の中にはほぼ個室の高速バスというものがありますが、このたび全室扉付き完全個室型の高速バスが誕生します。11席ありますがすべてシックな黒色の扉と仕切りによって完全個室化されます(安全確認のため、運転席のモニターで各個室を見ることができますが、プライバシー保護の観点から、立ち上がった状態のときだけ見ることができるようです)。まるでホテルのような感覚で、業界初の試みです。

 この高速バス、2017年1月18日から運行を開始します(12月26日13時から予約受付を開始します)。名前は「DREAM SLEEPER 東京大阪号」、関東バスと両備ホールディングスが共同で運行します。ダイヤは大阪方面行きが池袋西口22:50発、なんば(OCAT)6:40着、両備バス門真車庫7:30着、東京方面行きが両備バス門真車庫21:50発、なんば(OCAT)22:40発、池袋駅西口6:40着です。両備ホールディングスは岡山の会社のはずですが、門真に車庫があるので、大阪発着ができるのです。わざわざ岡山の会社と組んだのは、系列会社の中国バスが横浜-広島間でほぼ個室の高速バス、「DREAM SLEEPER」を運行している経験を買ってのことでしょう。

 「DREAM SLEEPER 東京大阪号」は豪華版だけに値段が高く、片道運賃は大人20000円、子供15500円(座席料金11000円(大人、子供同額)を含んでいます)。2017年2月28日までは開業記念割引として大人18000円、子供14500円で乗車できます。

 それにしても新幹線よりも高く(「のぞみ」東京-大阪間普通車指定席14450円)、個室が主体の唯一の夜行列車「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」よりも高い(「シングル」東京-大阪間19220円)とは恐れ入るばかりです。様々な夜行バスが東京-大阪間を走っていることを考えると、夜行列車が片道1本しかないというのが不思議なところです。

(追記1)
 「DREAM SLEEPER 東京大阪号」に使用するバス本体の値段は約4500万円です。三菱ふそうトラック・バスの「エアロクイーン」です。これにいろいろ艤装を行い、1億円弱となっています。定員は11人ですが、採算ラインは8人のようです。

(追記2)
 2017年7月9日出発便から、曜日(日~木、祝前日や繁忙期は除きます)と席数限定で、片道15000円の「早割」を設定します。あまり利用されていないのでしょうか?
(参考:関東バスホームぺージ https://www.kanto-bus.co.jp/upload/news2/25W2ES1-news2_content-001.pdf、https://www.kanto-bus.co.jp/news/detail.php?id=25W2ES1、THE PAGE https://thepage.jp/detail/20170305-00000002-wordleaf?pattern=4&utm_expid=90592221-74.IJid_3U3R9eadvvMwTWufw.4&utm_referrer=https%3A%2F%2Fthepage.jp%2Fdetail%2F20140427-00000003-wordleaf%3Fpattern%3D4、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2017/01/12/288196.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/73011/、「鉄道ジャーナル」2017年5月号 鉄道ジャーナル社)

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神岡鉄道の車両が旧奥飛騨温泉口駅に

 神岡鉄道は2006年に廃止になりましたが、鉄道があったときに使われていたディーゼルカーである「おくひだ1号」は旧神岡鉱山前駅の格納庫に保管されています。

 ところがこの「おくひだ1号」、外で展示されることになりました。延伸計画のあるレールマウンテンバイクと合わせて、鉄道ファンを呼び込むため、旧奥飛騨温泉口駅で展示されることになったのです。春から秋まで旧奥飛騨温泉口駅の側線に展示し、中に入ることもできます。車体にはガラスコーティングを施すようです。飛騨市は12月補正予算案に約300万円を計上しています。

 飛騨市は「ロスト・パーク・ライン構想」を推進しています。全国の廃線(ロストライン)を利活用する民間団体や自治体にも呼び掛けて、協議会を発足させます。2017年4月8日にシンポジウムを開くので、そのときに合わせて「おくひだ1号」を旧奥飛騨温泉口駅まで走らせます。

(追記1)
 2017年4月8日は、「ガッタンゴー」で使われる区間を時速3キロほどの低速で走り、このうち0.7キロほどの区間では記念乗車会も行うようです。4往復し、合計約160人を無料で乗せます。

(追記2)
 「おくひだ1号」は冬になると再び自走して旧神岡鉱山前駅の格納庫に戻ります。
(参考:中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20161125/CK2016112502000024.html、朝日新聞1月26日朝刊 中部14版、「鉄道ジャーナル」2017年7月号 鉄道ジャーナル社)

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JR北海道、日高線の一部廃止を提案

 2015年1月の高波被害以来一部の区間を除いて運休が続いている日高線。その日高線について、JR北海道は大きな判断を下しました。それは運休している鵡川-様似間(116.0キロ)について、復旧を断念するというもの。12月21日に沿線の首長に説明しました。

 復旧を断念した理由は5つあります。(1)復旧費が約86億円にも上り、JR北海道が単独で負担できず、さらに言えば、海岸の浸食を防ぐための離岸堤の整備にもお金がかかり、それを加えると100億円以上の費用がかかること (2)線路を復旧させたとしても鵡川-様似間を維持するためには、赤字額と土木構造物老朽対策の費用として年間16.4億円が必要ですが、それをJR北海道が負担することができないこと (3)先ほどの16.4億円のうち、JR北海道は列車運行にかかる経費相当額3億円のみを負担し、残りは地元自治体に負担してもらうつもりでしたが(上下分離方式の導入を含みます)、地元から協力を得られなかったこと (4)モータリゼーションの進展、沿線人口や高校生の減少などにより日高線の利用者が減少し、鵡川-様似間の2014年度(12月まで)の輸送密度が186人(分割民営化を行った1987年度の約1/3。なお、列車の運行本数は1987年とほとんど変わりありません)、赤字の額も2014年度(12月まで)で約11億円に上っていること (5)高規格幹線道路の日高道が2017年度に厚賀インターチェンジ(仮称)まで延伸予定であり、今後静内インターチェンジ(仮称)まで延伸予定であること

 地元は反発していますが、どう冷静に考えても鉄道を維持することができる状況ではありません。将来もお先真っ暗なのです。JR北海道は列車運行時と同等以上のバスを運行するための支援や、定期差額運賃の一定期間の補てん等も考えていますので、ただ単に鉄道の維持を求めるのではなく、現実を正しく見てバスにスムーズに移行しなくてはならないでしょう。すでに沿線には末端の浦河-様似間を中心に、路線バスが走っています。これを拡充することで利便性を維持するのが望ましいと言えます。

 なお、沿線のひとつ、日高町から要望のあった、鵡川-日高門別間の復旧及び維持費の試算については、別途回答するとのことです。

(追記)
 JR北海道は2017年2月28日までに鵡川-日高門別間の復旧及び維持費について回答しました。毎年の維持費が3.2億円で、そのほかに台風などの災害復旧費が約1億円、日高門別の折り返し設備の新設に約6000万円かかります。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161221-4.pdf、http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161118-3.pdf、北海道新聞ホームぺージ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0351083.html、朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/CMTW1703010100002.html)

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JR九州の社長が長崎新幹線のフル規格を求める?

 軌間の違うところを直通することができるフリーゲージトレインを導入する予定の長崎新幹線。この3日から走行試験を再開しています。この走行試験は半年ほど行い、2017年の5月か6月に耐久走行試験に移行することができるかを技術評価委員会で評価します。その結果でフリーゲージトレインを導入するかどうかを最終的に判断します。

 長崎新幹線を運行するのはJR九州です。ところがそのJR九州の青柳社長は、今行っている走行試験で安全性や経済性(通常の新幹線に比べて2.5~3倍のコストがかかるようです)といった問題が解決できない場合、国にフル規格での整備を求める考えであることを明らかにしました。半年で解決できないならば、フリーゲージトレインの実用化がさらに遅くなることは容易に想像できます。長崎新幹線は2022年度の段階では、博多-武雄温泉間が在来線特急、武雄温泉-長崎間がフル規格という「リレー方式」をとる予定ですが、JR九州としてはこの「リレー方式」はあくまでも暫定的なものだと考えています。比較的短期間で解消するから途中での乗り換えが必要な「リレー方式」が是認されるのです。長崎新幹線はそれなりの需要がある新幹線であり、関西地方からの直通もできるフル規格にすることは望ましい方向性と言えます。

 がフリーゲージトレインにこだわるのは、もしフリーゲージトレインが実用化しなかった場合、これまで投じてきた400億円余りが無駄になるからです。確かにもったいないかもしれないですが、使えなかったら仕方がありません。無理に使う必要はないのです。
(参考:佐賀新聞ホームぺージ http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/388523、長崎新聞ホームぺージ http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/12/21091001049899.shtml、朝日新聞12月22日朝刊 中部14版)

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JR西日本も東北新幹線への乗り入れを検討へ

 普段は直通運行することのない東北新幹線と北陸新幹線ですが、11月に仙台と金沢を結ぶ団体臨時列車が運行されました。11月のときは東北の団体客を対象にしたものですが、JR西日本も北陸の乗客を対象に東北新幹線への直通列車を運行することを考えています。

 東北新幹線に乗り入れるためには、JR東日本との調整が必要です。とは言っても、北陸新幹線用のE7系は宮城県内の総合車両センターで点検を行っているので、問題なく東北新幹線に乗り入れることができます。どうやら、速度と長さ(E7系は12両編成)の問題はともかくとして、JR東日本の運行管理システム上は北海道新幹線新函館北斗まで直通運行することが可能なようです。

 ただ反対に、北陸新幹線の運行システムは東海道・山陽新幹線のものとは違うため、北陸新幹線が新大阪まで直通しても乗り入れることができません。札幌-新大阪間は可能でも、金沢-鹿児島中央間はできないのです。与党の整備新幹線建設促進プロジェクトチームは20日、北陸新幹線敦賀以西のルートについて、小浜市を経由して京都駅に至る、「小浜-京都ルート」を採用することを正式に決めました(京都-新大阪間については、「北回り」にするか「南回り」にするかを2016年度中に決めます。JR西日本としては、この京都-新大阪間を含めて一括で開業させることを求めています)。北陸新幹線が東海道新幹線に乗り入れることが保証できていない以上、米原で乗り換えを迫られる「米原ルート」は採用できないというのは当然の結論ともいえます。ちなみに、詳細なルートの調査に1~2年、環境アセスメントに4年程度かかるとのことです。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21I3R_R21C16A2TJC000/、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161220-00000057-mai-soci、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161220-00000128-mai-bus_all&pos=3)

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2017年3月ダイヤ改正発表(4)(JR東海、JR九州、JR貨物等)

 最後に、JR東海(在来線)、JR九州、JR貨物を中心に取り上げます。

 JR東海の在来線では、静岡地区で増発や列車の接続改善を行います。「ホームライナー」については休日に追加で運転するようになったり、逆に休日運休になったりするものもあります。

 熊本地震の影響により熊本-新八代間の一部で徐行運転を行っていましたが、今回のダイヤ改正で所定の速度での運転に戻ります。朝に広島発鹿児島中央行きの直通新幹線がありますが、それが広島6:43発となります。終点鹿児島中央には9:33に着くので、新大阪始発の「みずほ」より先に鹿児島中央に着くのです。平日朝の通勤時間帯には、下りの一部「さくら」、「つばめ」について、自由席が拡大します。また夜も、新大阪20:09発が熊本行きになります(現行は博多止まり)。新大阪発熊本行きの「さくら」になるのです。

 肥薩線には新しい観光列車、「かわせみ やませみ」がデビューします。特急として、熊本-人吉間を3往復します。朝の1往復のみ自由席がありますが、後の2往復は全車指定席です。「いさぶろう」や「しんぺい」も熊本-人吉間は特急となります。長崎線の「かもめ」も朝や夕方に増発します。佐賀7:38発の「かもめ4号」(平日のみ運転)は、鳥栖で「有明4号」と併結します。

 筑豊線若松-折尾間はすべてが蓄電池電車の「DENCHA」になります。直方-博多間を運転する一部の列車も「DENCHA」になります。豊肥線は肥後大津-阿蘇間が運転を見合わせたままとなっています。「九州横断特急」も阿蘇-大分・別府間で2往復するだけです。

 JR九州の在来線の料金について見直されます。2017年3月4日乗車分から、現行310円または510円の座席指定料金を通年520円とします(閑散期の設定は廃止します)。適用例は少ないですが、普通列車のグリーン料金を50キロまでが510円から770円に、51キロ以上が720円から980円に値上げします。本当は運賃を上げるのが望ましいかもしれませんが、収益改善のための第一歩なのでしょう。

 JR貨物は、盛岡貨物ターミナル-笠寺間の「TOYOTA LONG PASS EXPRESS」を増発し、1日2往復体制とします。インターネットによる各種通信販売サービスの多様化により、宅配便を中心にした積合せ貨物は増加しています。それに対応するため、名古屋貨物ターミナル-福岡貨物ターミナル間においても、積合せ貨物の専用列車の運転を開始します。2016年3月のダイヤ改正で新設された東京貨物ターミナル-吹田貨物ターミナル間のコンテナ列車を神戸貨物ターミナルに延長します。このほか輸送力増強や速達化を図ります。設備投資としては、EH800を3両、HD300を5両新製します。

 JRグループ以外では、愛知環状鉄道が水曜日と金曜日の夕方に三河豊田-新豊田間において、「シャトル列車」を運行します。時刻表上では、朝の「シャトル列車」が「あさシャトル」、夕方が「ゆうシャトル」と表示されます。肥薩おれんじ鉄道は八代-出水間で運行していた「ゆうゆうトレイン」を休止します。利用状況が低迷していたためです。「おれんじ食堂」は夜の4便「おれんじバー」を休止します。
(参考:JR東海ホームぺージ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000032473.pdf、JR九州ホームぺージ http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2016/12/16/H29TimetableRevision.pdf、http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2017/01/30/20170130kawasemiyamasemi.pdf、JR貨物ホームぺージ http://www.jrfreight.co.jp/common/pdf/news/2017.3kaisei.pdf、愛知環状鉄道ホームぺージ http://www.aikanrailway.co.jp/pdf/PressRelease28_117.pdf、肥薩おれんじ鉄道ホームぺージ http://www.hs-orange.com/cgi_bin/webpat/document/topics/2016/121601/index.html)

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2017年3月ダイヤ改正発表(3)(東海道・山陽新幹線、JR西日本等)

 ここでは東海道・山陽新幹線とJR西日本を中心に取り上げます。

 東海道新幹線では、N700Aの新車投入を進めたため(2017年3月の時点で、N700AはJR東海が111編成、JR西日本が25編成)、全ての定期「のぞみ」、「ひかり」がN700Aタイプでの運転となります。「こだま」を含めても定期列車の約9割がN700Aタイプでの運転となります。また、一部の「のぞみ」、「ひかり」において東京-新大阪間の所要時間を短縮します。

 山陽新幹線でスピードアップに大きく貢献するのが、デジタルタイプの新ATCの導入。新大阪-博多間で「のぞみ」、「みずほ」は平均約1分、「こだま」は平均約15分も短縮します。先ほども述べたようにN700Aの投入と合わせて、東京-博多間で最大7分の所要時間短縮となります。東京-博多間の最速記録も1分だけですが更新され、4時間46分になります。新ATCは停車ブレーキ時の衝動が減るので、乗り心地の向上にもつながります。「みずほ」に関しては臨時列車を2往復増発し(割合多く運行されるようです)、定期列車と合わせて1日8往復となります。

 北陸線では一部の「サンダーバード」の設定時刻を見直し(30分程度ずらし、特急列車の運転間隔を均等化します)、北陸新幹線「かがやき」、「はくたか」との乗り換え時間を短縮します。首都圏-福井間、長野-関西間の利用がしやすくなります。朝の金沢行き「サンダーバード」4本と夜の大阪行き「サンダーバード」4本が高槻に停車します。金沢-敦賀間でも一部の列車がワンマン運転を始めます。

 休日の新快速は全て12両編成で運転されていますが、今回の改正では平日の新快速もごく一部(平日夕方の大阪始発列車と京都8:20発米原行き)を除いて全て12両編成になります。8両編成だと座席数は約550席ですが、12両編成だと約800席(補助いすを含みます)になり、サービスの向上になります。嵯峨野線では昼間時間帯(10~16時台)に京都-嵯峨嵐山間に普通列車を増発し、運転間隔を20分間隔からおおむね15分間隔にします。嵯峨野線は訪日外国人の利用が多く、嵯峨嵐山の1日当たり平均乗降客(2015年度)が5年前の3割増しの約6800人になっています。

 吉備線では平日の朝に岡山-備中高松間に1往復増発しますが、昼は岡山-備中高松間の3往復が廃止されます(代わりに岡山-総社間に1往復が増えます)。広島では可部線可部-あき亀山間1.6キロを延伸します。河戸帆待川、あき亀山の2駅が開業します。同じく広島エリアでは、山陽線西条-八本松間に新駅、寺家が開業します。芸備線では休日に快速「みよしライナー」を3本増発します(平日と休日でダイヤが変わります)。広島行きの朝と昼、三次行きの夜に増発します。普通列車からの変更等で対応します。反対に廃止されたり区間短縮されたりするなど、変化が激しいです。呉線では16時以降に広島や広を出る快速を「通勤ライナー」から「安芸路ライナー」に変更します。平日夕方の呉方面行はパターンダイヤ化され、普通を立て替えるかたちで「安芸路ライナー」が増えます。岩徳線では昼間の列車を減らして、朝ラッシュ時の列車を増やします。

 あいの風とやま鉄道では列車の増発が行われ、富山-高岡間では4本増えます(泊-富山間も増えます)。「あいの風ライナー」を含めて、上下合わせて88本となります。IRいしかわ鉄道では休日に津幡発金沢行きの「IRホリデー号」(津幡10:47発)を増発します。

 上郡と智頭を結ぶ智頭急行は、途中駅の佐用の乗り場を固定します。京阪神と鳥取を結ぶ「スーパーはくと」は従来通り上下ともに1番線から、岡山と鳥取を結ぶ「スーパーいなば」は上下ともに2番線からの発着となります。
(参考:JR東海ホームぺージ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000032473.pdf、JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/161216_00_nishi.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/161216_00_hokuriku2.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/161216_00_keihanshin.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/161216_00_okayama.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/161216_00_hiroshima.pdf、あいの風とやま鉄道ホームぺージ http://ainokaze.co.jp/wp-content/uploads/2016/12/21e81a17fefa515a001fdeffb1962992.pdf、IRいしかわ鉄道ホームぺージ http://www.ishikawa-railway.jp/info/pdf/20161216.pdf、智頭急行ホームぺージ http://site5.tori-info.co.jp/photolib/chizukyu/10785.pdf、京都新聞ホームぺージ http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20161216000173、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/61664/2/)

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2017年3月ダイヤ改正発表(2)(JR東日本等)

 次はJR東日本を中心に。

 東北新幹線東京-仙台間に「はやぶさ」が1往復増発されます。下りの「はやぶさ51号」は東京10:04発、上りの「はやぶさ58号」は仙台15:57発です。途中、上野と大宮に停まります。上越新幹線と北陸新幹線は運転時間帯のシフトを行います。夜間の「たにがわ」を見直し(越後湯沢20時台のものを廃止)、高崎などから利用しやすいよう、「Maxたにがわ412号」(越後湯沢16:01発)を追加します。金沢18時台と19時台の「かがやき」を1本にまとめ、「かがやき510号」(金沢15:55発)を追加します。平日朝の新潟7:58発長岡行臨時「とき490号」が廃止されます。前後の列車の運行間隔が狭くなったためです。

 外国人利用者が多い「成田エクスプレス」については、新宿方面に発着するものを2往復増やし、10~18時台の新宿発着列車は約30分間隔となります。反対に、大船方面は一部見直しがあります。夕方を中心に3往復については、東京-成田空港間の3往復を6両編成から12両編成に増強します。君津行きの「さざなみ1号」は姉ヶ崎に追加停車します。

 「スワローあかぎ」については、朝のラッシュ時前に1本増発します。熊谷6:06発の「スワローあかぎ2号」です。途中、赤羽、浦和、大宮、上尾、桶川、北本、鴻巣に停まります。反対に、夕方の新前橋17:34発の「あかぎ10号」は廃止されます。平日の「あかぎ」は全て「スワローあかぎ」になります。「草津」については2号を2時間ほど繰り下げ長野原草津口13:03発とするとともに、全列車の停車駅を減らします。赤羽、浦和、大宮、熊谷、高崎、新前橋、渋川、中之条のみにし、深谷、本庄、群馬原町、川原湯温泉を通過するようになります。

 烏山線は直流蓄電池電車「ACCUM」(EV-E301系)を3編成追加投入し、烏山線のすべての列車が蓄電池車両になります(これで、首都圏からキハ40がいなくなることになります)。運行本数は変わりませんが、蓄電池車両に統一されたため、若干速くなっているようです。男鹿線にも交流蓄電池電車「ACCUM」(EV-E801系)を投入します(運転開始日は別途発表されます)。こちらは1日2往復だけで検査日等は従来のディーゼルカーが代走します。そのため、「ACCUM」が走っても速くはなりません。

 平日深夜に新宿始発の特別快速がありましたが、これを東京始発に変更します。これまで通過していた、中野にも停まります。上野原と長坂はすべての特急が通過することになります。南武線は快速と各駅停車の接続駅を見直すことにより、休日の快速の所要時間が平均1~2分短縮されます。

 千葉方面へは、東京18:42発京葉線経由西船橋行きを増発します。京葉線の車両で運転します。大きく変わるのが内房線。以前にも記事にした通り、特別快速が廃止され、日中の千葉発着の館山方面への列車が木更津発着になります。途中の君津で東京直通の快速と接続します。同一ホームで乗り換え可能です。久留里線では久留里-上総亀山間の始発、最終の見直しがあります。総武線直通の快速が東京-君津間に1往復増発します。君津9:52発なので、隙間を埋めるかたちの快速となります。東京や千葉へのお出かけにも使えそうです。

 両毛線では朝に小山発桐生行きを1本増発するとともに、日中のパターンダイヤ化を進めます。高崎-伊勢崎間は約30分間隔、伊勢崎-小山間は約60分間隔となります。時刻表を見る限りは本数が減りそうです。また、上越線や吾妻線の一部列車は新前橋発着となります。新前橋では同一ホームで高崎発着の両毛線直通列車と接続します。

 磐越西線の郡山-喜久田間には、新駅郡山富田が開業します。2017年4月1日に開業します。郡山富田では「Suica」等のICカードが使え(郡山富田では「Suica」の発売、払い戻し、再発行、チャージはできません)、郡山方面の「Suica」エリアとの間で「Suica定期券」が使えるようになります。郡山富田が開業する2017年4月1日からは先日復旧した常磐線駒ケ嶺-浜吉田間について新しいルートを基にした営業キロに変更されます。話を郡山富田に戻します。朝には、郡山-磐梯熱海間に1往復追加します。これまで4パターンあった郡山-会津若松間の快速列車のパターンが統一され、郡山富田、喜久田、磐梯熱海、猪苗代、磐梯町となります(一部は川桁-会津若松間各駅停車)。郡山-会津若松、喜多方間にE721系を投入し(一部列車を除きます)、ワンマン運転を開始します(一部列車を除きます)。

 仙台空港アクセス線については、早朝、昼、夜間に1往復ずつ増発します。仙石東北ラインについては、朝の1往復が石巻あゆみ野に停車します。奥羽線では新庄-横手間の運転本数が見直されます。冬季に通過する赤岩については、通年列車が通過するようになります。実質的な廃駅状態になるのでしょうか? 北上線については小松川、平石、矢美津を通過する快速を6本設定し、速達化を図ります。新青森での接続を見直し、「はやぶさ10号」を利用して青森に行く場合の所要時間を14分短縮します。奥津軽いまべつから青森への通勤・通学がしやすくなります。青い森鉄道と直通する快速「しもきた」のうち1往復について、浅虫温泉-青森間が各駅停車になります。

 最後の485系定期列車である新潟-糸魚川間の快速列車の運行を取りやめ、代わりにE129系2両編成の直江津発長岡行快速列車を休日に運転します。直江津8:27発長岡9:35着です。えちごトキめき鉄道においてもこれに接続する快速が用意されます(こちらは毎日運転)。糸魚川直通の快速が無くなることにより、交直流電車が不要になります。地元の要望で直通列車をつくりましたが、大した需要はなかったのでしょう。今回の改正ではE129系がさらに増え、新潟支社内の約8割の普通電車がE129系となります。信越線直江津-長岡間の列車のうち4往復がワンマンとなります。北越急行では普通列車2本を快速に置き換え、東京方面との速達化が図られます。

(追記1)
 三陸鉄道も2017年3月4日にダイヤ改正を行います。北リアス線では2017年3月25日に開業する十府ヶ浦海岸開業に対応したダイヤにします。南リアス線では午後に1往復運転している臨時列車が、休日のみの運転から、花巻発釜石行き「SL銀河」の運転日のみの運転となります。

(追記2)
 男鹿線で「ACCUM」の運行を開始する日が、ダイヤ改正と同じ2017年3月4日に決まりました。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2016/20161219.pdf、JR東日本八王子支社ホームぺージ https://www.jreast.co.jp/hachioji/20161216/20161216_info04.pdf、JR東日本千葉支社ホームぺージ http://www.jreast.co.jp/chiba/news/pdf/pre1612_daikai.pdf、JR東日本高崎支社ホームぺージ http://www.jreast.co.jp/takasaki/news/pdf/20161216_info.pdf、JR東日本仙台支社ホームぺージ http://jr-sendai.com/upload-images/2016/12/20161216.pdf、JR東日本盛岡支社ホームぺージ http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1481867916_1.pdf、JR東日本新潟支社ホームページ http://www.jrniigata.co.jp/Scripts/press/20161216daiyakaisei-1.pdf、JR東日本秋田支社ホームぺージ http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20161216-6.pdf、http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20170217-1.pdf、えちごトキめき鉄道ホームぺージ https://www.echigo-tokimeki.co.jp/userfiles/elfinder/information/161216_daiyakaisei.pdf、北越急行ホームぺージ http://www.hokuhoku.co.jp/press/20161216.pdf、下野新聞ホームぺージ http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20161217/2542924、マイナビニュース http://news.mynavi.jp/series/railwaynews/049/、三陸鉄道ホームぺージ http://www.sanrikutetsudou.com/?p=6552、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/64666/、「鉄道ジャーナル」2017年6月号 鉄道ジャーナル社)

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2017年3月ダイヤ改正発表(1)(JR北海道)

 12月16日、JR各社から2017年3月ダイヤ改正についての発表がありました(JR四国は小幅な修正にとどまるようです)。改正日は2017年3月4日、北海道新幹線が開業した2016年3月のダイヤ改正に比べると、大幅に早くなっています。北陸新幹線が開業した2015年3月、北海道新幹線が開業した2016年3月に比べて小規模なダイヤ改正ですが、これから何回かに分けて、改正の概要を紹介していきます。まずは厳しい経営状況のJR北海道から。

 稚内や網走への特急は札幌が始発駅ですが、すでに記事にした通り一部が旭川発着となります。宗谷線は札幌-稚内間の「スーパー宗谷」2往復と「サロベツ」1往復の組み合わせから、札幌-稚内間の「宗谷」1往復と旭川-稚内間の「サロベツ」2往復の組み合わせになります。「サロベツ」は旭川で同一ホームで乗り換えができます。接続する札幌-旭川間の特急は6両編成で、座席定員は現行の「スーパーカムイ」(改正後の「カムイ」)より60人ほど多くなります。車両は「サロベツ」を含めてキハ261系の4両編成に統一されます。そのこともあって、札幌-稚内間の所要時間の平準化が図られ、平均の所要時間は5時間18分から5時間17分と1分ではありますが短縮されます。

 石北線は札幌-網走間の「オホーツク」4往復から、札幌-網走間の「オホーツク」2往復と旭川-網走間の「大雪」2往復の組み合わせになります(特別快速「きたみ」は1往復のまま存続します)。「大雪」は旭川で同一ホームで乗り換えができます。接続する札幌-旭川間の特急は6両編成です。車両はどちらもキハ183系の4両編成です。札幌-網走間の所要時間は、乗り換えがある便も含めて5時間24分のままです。なお、札幌-稚内間および札幌-網走間の特急券・グリーン券については、旭川で改札を出ない限り、通しの料金で乗車することができます。この措置は企画切符や旅行商品用の乗車券類も含みます。

 札幌-旭川間については、北海道新幹線前に「スーパー白鳥」として使われていた789系0代が投入されます(785系は札幌-室蘭間の「すずらん」で使われるのみです。789系1000代と併用します)。名称も使われる車両によって分けられ、789系0代は「ライラック」、789系1000代は「カムイ」となります。本数は3本新設され代わりに1本廃止になるので、1往復増の24往復となります(現行は「スーパーカムイ」、改正後は「ライラック」14往復と「カムイ」10往復の合計)。「ライラック」は6両編成で、1号車がグリーン車と指定席、2号車が指定席、3~6号車が自由席です。ただし、「サロベツ」や「大雪」と接続する便については3号車も指定席になります。場合によっては4号車も指定席になることもあります。また、「ライラック」には運転区間である札幌-旭川間のほか、旭川で接続する列車がある稚内・網走方面の観光素材をデザインしたラッピングを行います。1号車と6号車に行います。編成ごとにテーマが決まっていて(宗谷、オホーツク、上川、空知、旭川、札幌)、そのテーマにある自然(旭川と札幌は動物園にいる動物)や名所をそれぞれ4つずつラッピングします。「カムイ」は5両編成で、4号車が指定席、その他の4両は自由席です。また、朝通勤時間帯の旭川への便については、時刻の繰り上げや繰り下げが行われます。そして、電車特急に使われていた「L特急」の表記がなくなり、特急となります。

 そのほかについては、函館線に新たにキハ261系を投入し、1往復が「スーパー北斗」になります。JR北海道の一部特急列車内にあった、飲み物の自動販売機サービスが無くなります。新函館北斗での乗り換えに余裕を持たせるため、一部の「はこだてライナー」の時刻を見直します。夜間の小樽方面について、札幌20:22発「ホームライナー」が廃止され、若干の行先等の修正があります。

 そして、今回のダイヤ改正においても、利用者がほとんどいない駅が廃止されます。千歳線の美々、根室線の島ノ下、稲士別、上厚内、釧網線の五十石、函館線の東山、姫川、桂川、北豊津、蕨岱の10駅が廃止されます。石北線の常紋信号場も廃止になります。

(追記)
 道南いさりび鉄道木古内では運転士後ろのドアのみを開けていますが、階段から乗降位置までの距離があり、かつホームの屋根が短いために雨のときには濡れてしまいます。

 そこで、木古内発の列車においては、すべてのドアが開くようになります。なお、木古内到着時については、これまで通り一番前のみ開きます。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161216-3.pdf、https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161216-4.pdf、道南いさりび鉄道ホームぺージ http://www.shr-isaribi.jp/info/2148/、「鉄道ジャーナル」2017年5月号 鉄道ジャーナル社)

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新年は「つどい」の中で

 普段は伊勢志摩を走っている、観光列車「つどい」。時々大阪に現れ、お酒を飲むツアー列車として使われています。

 その「つどい」ですが、2017年を車内で迎えることができます。「観光列車『つどい』のカウントダウンビール列車で乾杯」です。12月31日の深夜に大阪上本町を出発し(23:35発)、車内で新年を迎え、橿原神宮前(0:27着、0:50発)、大和西大寺(1:18着)を経由して大阪上本町に戻ります(2:08着)。乗車は大阪上本町だけですが、橿原神宮前、大和西大寺では下車もでき、そのまま初詣に行くこともできます。大阪上本町発着の場合の旅行代金は4680円(橿原神宮前、大和西大寺下車の場合は若干安くなります)、「キリンビール一番搾りプレミアム」の飲み放題のほか、日本酒(「豊祝上撰」)180ミリ一本、おつまみがつき、大みそかには年越しそばまであります。飲料やおつまみの持ち込みもできます。

 募集人員は70人、12月9日から乗車日の3日前まで募集していますが(申し込みは近鉄各駅営業所まで)、満員になり次第募集を終了します。
(参考:近鉄ホームページ http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/hpkautodaunntudi.pdf)

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「大雪」、「ライラック」復活か?

 JR北海道の札幌と網走を結ぶ特急「オホーツク」の一部が旭川-網走間の運行となることは以前に紹介しましたが、その続報です。

 キハ183系の老朽化が進んでいるため、現在札幌と網走を1日4往復している「オホーツク」のうち、2往復を旭川-網走間のみの運行にします。この旭川-網走間のみを運行する特急の名前に、かつて網走への急行列車として1992年まで使われてきた「大雪」が起用されるとも言われています。

 さて、もうひとつの「ライラック」についてなのですが、参考にした記事では明らかにされていません。どこに使うのでしょうか?
(参考:北海道新聞ホームぺージ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0348230.html)

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北陸新幹線敦賀以西はトンネルだらけ

 現在ルートが決まりつつある北陸新幹線敦賀以西ですが、トンネルだらけの新幹線になるようです。

 国交省によれば、最有力の「小浜-京都ルート」の場合、小浜-京都間は山岳トンネルが多く、地下駅の京都駅と新大阪駅の付近はともに地下トンネルになります(ということは、京都-新大阪間にはいくらか「明かり区間」ができるようです)。山岳トンネルと地下トンネルを合わせたトンネルの割合は、8割にもなります。「舞鶴ルート」も同様に山岳トンネルと地上トンネルがあり、トンネルの割合は8割程度。山岳トンネルのみの「米原ルート」では5割ほどでした。

 トンネルだらけだと、景色を楽しむことができません。列車の旅を楽しむなら、トンネルは短いほど良いのですが、トンネルのほうがいいこともあるのです。それは建設費が比較的安いこと。トンネル区間の建設費は山岳トンネルが1キロ当たり80億円、大都市の地下トンネルが同じく1キロ当たり150~210億円かかります。これに対して「明かり区間」は1キロ当たり100億円程度です。山岳トンネルより高くつくのです。

 なぜ「明かり区間」は高いのでしょうか? それは用地買収がいるからです。山岳トンネルだとトンネルの端だけ買収すれば済むので、その分用地買収の費用が節約できるのです。大都市の地下トンネルでは「明かり区間」のほうが安く見えそうですが、地価が高い分、用地買収の金額は膨れ上がることでしょう。
(参考:中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20161213/CK2016121302000013.html)

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クリスマスに日比谷線13000系プレ運行

 クリスマスの3日間(23日~25日)、東京メトロからプレゼントがあります。

 日比谷線の新型車両、13000系は2017年3月に運行開始する予定ですが、23日から25日の3日間、特別運行します。東京メトロからのクリスマスプレゼントです。

 3日間とも運行するのは1往復のみ。南千住9:16発霞ケ関9:42着、霞ケ関9:53発南千住10:19着というダイヤで運行します。途中で折り返すのは、東武や東急が管轄する北千住や中目黒で20メートル車の13000系を走らせるための準備が完了していないためです。予約は不要で、普段通りに自由に乗ることができます。車内では東京メトロの取り組みを紹介する「すすメトロ!」キャンペーンのキャラクターであるドラえもんが、日比谷線の路線カラーであるシルバーになって登場します。車内の中吊りやドア横のポスターで13000系を紹介します。ドア上にある3画面モニターでは、新型車両の特徴や新しい設備を、クリスマスをモチーフにしたドラえもんの動画で詳しく紹介します。
(参考:東京メトロホームページ http://www.tokyometro.jp/news/2016/157876.html、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2016/12/09/286760.html、http://response.jp/article/2016/12/11/286822.html)

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JR西日本の「e5489」等、現金の決済も可能に

 JR西日本、JR四国、JR九州はインターネットでも列車の予約ができますが、2017年春から順次サービスの改善が図られます。

 一番大きな変化は、決済方法。JR西日本、JR四国の「e5489」にしろ、JR九州の「インターネット列車予約」にしろ、これまでクレジットカード決済しか使えなかったのですが、これからはコンビニや銀行のATM、駅の「みどりの窓口」等で現金払いすることができます(予約区間や受け取り可能コンビニに制約があります)。クレジットカードがなくてもインターネットで予約できるのです。JRでは初めてのことですが、航空機やバスでは当たり前のサービスがようやく鉄道でも受けられるのです。

 このほか、「e5489」では、駅でのみ発売している一部のお得なきっぷの取り扱いを始めます。割引きっぷのバラエティが広がります。また、予約画面をリニューアルして、利用者の多い山陽・九州新幹線(新大阪-博多-鹿児島中央間)、北陸新幹線・北陸線(東京-金沢-大阪間)をトップメニューに表示するとともに、「経路・設備・きっぷ選択画面」においては予約できる切符の一覧を表示し、スムーズに予約できるようにします。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2016/12/page_9647.html、JR四国ホームページ http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2016%2012%2008%2001.pdf、JR九州ホームぺージ http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2016/12/08/konbinikessai.pdf、日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10461280Y6A201C1LX0000/)

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えちぜん鉄道福井口駅は駅全体を屋根で覆う

 現在、北陸新幹線が走る予定の場所を間借りしているえちぜん鉄道の福井-福井口間ですが、最終的には単独の高架となります。福井駅、新福井駅、福井口駅の3駅が高架になります。

 このうち三国芦原線と勝山永平寺線が分岐する福井口駅は、島式ホームとなります。乗り換え客が見込まれ、ホームに屋根の支柱を置くと混雑時に支障するため、線路とホームを屋根で覆う構造になります。相対式ホームの新福井駅は、2両編成の列車をカバーする長さ45メートル、幅2メートル、高さ3.5メートルの屋根がつき、外側には風よけや転落防止のためのコンクリート製の壁がつくられます。両駅ともホーム全体に屋根がつくのです。

 この屋根の設置に伴う費用負担はどうなるのでしょうか? 元々は両駅とも屋根はホームの一部しかありませんでした。その部分に関しては国が整備費を補助しますが、元々なかった部分はえちぜん鉄道が負担します。壁は福井県が整備します。
(参考:中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20161207/CK2016120702000020.html)

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「ふるさと納税」ができる自販機

 東京メトロなど3社は有楽町線銀座一丁目駅改札内において、12月14日10時からとある自販機を稼働させます。

 自販機で売るのは全国各地の水。北海道から九州まで14種類あります。しかし、ただの水の自販機ではありません。自販機本体あるいは水に貼られたQRコードやICタグをスマートフォン等で読み取ると、水を提供する地域のふるさと納税情報を掲載するサイト「ふるさとチョイス」につながります。ここから「ふるさと納税」ができるのです。インターネット上で寄付の申し込みからクレジットカードでの決済までできるのです。

 この自販機、すでに深谷市と美濃加茂市にありますが、東京ではこれが初めてです。これがきっかけになって「ふるさと納税」をする人もいるかもしれません。
(参考:東京メトロホームページ http://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews20161208_g53_3.pdf)

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木曽福島-伊那市-仙流荘間にバスを運行していた

 この夏のことですが、伊那市はジェイアールバス関東に委託し、木曽福島-伊那市-仙流荘間に「パノラマライナー号」を走らせていました。運行していたのは7月16日から24日までの休日と、7月30日から8月16日までの毎日(23日間)でした。

 木曽福島は名古屋からの特急、「しなの」の停車駅。その「しなの」と「パノラマライナー」を組み合わせると、3時間ほどで仙流荘につくことができました。さらに1時間ほど待って仙流荘から南アルプス林道バスに乗れば、標高2030メートルの北沢峠まで約1時間で行くことができました。この木曽福島-伊那市-仙流荘間の1往復(木曽福島9:40発、仙流荘16:55発。なお、木曽福島9:40発は伊那市での乗車不可)に加えて、バスの送り込みを兼ねて木曽福島-伊那市間に1往復(伊那市8:40発、木曽福島18:30発)が運行され、木曽福島や名古屋方面にも行きやすくなりました。運賃は木曽福島-仙流荘間が片道2000円、木曽福島-伊那市間が片道1200円でした。

 この「パノラマライナー」ですが、国道361号線(権兵衛トンネル)を経由していました。このトンネルを通り、木曽と伊那を結ぶバスは2008年から1年間運行されていましたが、それ以来のことです。また、大都市圏から南アルプスへのバスとしては2014年から運行を始めた、茅野駅と仙流荘を結ぶ「南アルプスジオライナー」(運行はジェイアールバス関東)があります。これがどうやら好調のようで、今回の取り組みとなりました。
(参考:伊那市観光協会ホームぺージ http://inashi-kankoukyoukai.jp/contents/archives/29542、Nagano Nippo Web http://www.nagano-np.co.jp/articles/4145)

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「流氷ノロッコ号」の後継はキハ54ラッピング車

 釧網線の冬の観光列車、「流氷ノロッコ号」は昨シーズン限りで運行を終了しました。その代替車両について考えられてきましたが、キハ54のラッピング車両で対応することになりました。「流氷物語号」です。

 「流氷物語号」は2両で構成されます。1両はオホーツク海の青などをイメージした「オホーツクブルー」車両、もうひとつは流氷をイメージした「白」車両です。「オホーツクブルー」車両には流氷をイメージした白を使って、知床連山とエゾスカシユリを描きます。「白」車両にはオホーツクブルーを使って流氷とクリオネを描きます。これらの車両は「流氷物語号」の運転期間以外は定期列車に使用します。また、運用の都合によりラッピングをしていない車両が使われることもあります。

 「流氷物語号」の運転期間は2017年1月28日から2月28日まで、網走-知床斜里間を1日2往復します。網走10:56発、13:40発と、知床斜里9:20発、12:10発です。途中、北浜、浜小清水、止別に停まりますが、下り(知床斜里行き)は2本とも北浜に10分ほど停まり、上り(網走行き)は2本とも浜小清水に20分ほど停まります。オホーツク海に一番近い北浜では駅の展望台からオホーツク海や知床連山を眺めることができ、浜小清水では駅に隣接する道の駅で買い物をすることができます。2往復とも全車自由席の2両編成で、ヘッドマークやサボが表示されます。当然ながら流氷をイメージしたものです。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160915-1.pdf、http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161021-1.pdf)

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我孫子の弥生軒、新津田沼に進出

 常磐線我孫子駅にある立ち食いそば弥生軒は、大きな唐揚げそばで有名なお店です。唐揚げはその場で揚げ、ボリュームがあります。

 その弥生軒ですが、9月10日から新京成の新津田沼駅に進出することになりました。上りホームに「我孫子 弥生軒」という名前でオープンします。定休日はありませんが昼から夜にかけての営業で、朝の通勤時間帯には営業しませんので御注意ください。
(参考:新京成ホームページ http://www.shinkeisei.co.jp/topics/2016/10183/)

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北陸新幹線京都-新大阪間は「南回り」か?

 長い間いくつもの案が出てきて、なかなか決まらなかった北陸新幹線敦賀以西のルート問題。どうやら決まりつつあるようです。

 最終的には与党整備新幹線建設促進プロジェクトチームが20日に決定するのですが、ある程度の採算性があり、利便性に優れている「小浜-京都ルート」がベースになります。途中で乗り換えさせられることがなく、むやみに遠回りではないので、これを選ぶのが妥当でしょう。

 ただ、京都-新大阪間は採算性が良く、最短距離に近い「北回り」ではなく、京田辺市を経由する「南回り」になります。もともと「南回り」は奈良県内も少し通る予定でしたが、負担することになる奈良県が反対し、京田辺市を通ることになりました。京田辺市には京都府内2番目の新幹線駅をつくります。過疎地帯ではないのでそれなりに利用者はいるでしょうが、全体からすれば小さな割合です。京都までそれほど遠くはなく、駅がなければどうしようもないというようなところではありません。京都府を説得するための政治的な駅でしょうか? 京田辺市を経由する「南回り」についてはあまりにも急な話のため、国交省の調査結果はまだありません。与党の検討委員会は国交省に京田辺市を通る場合の所要時間や建設費などを追加調査するように指示し、近く報告されます。ちなみに、京都府の独自試算では、学研都市に駅を設けた場合、小浜や京都よりも高い、約7200億円の効果が見込めるとのことです。

 それにしても「南回り」は不自然なルートです。「北回り」も不自然なように見えますが、かつてあった小浜と亀岡を経由するルートのときは、御堂筋線に並行して北陸新幹線の駅をつくるとされました。御堂筋線沿いにつくり(このようにすると、将来的な関空方面の延伸も不可能ではありません)、まっすぐ千里中央あたりに抜けるのでしょう。京都駅の位置も現在と同じく東西に置くことができます。しかし「南回り」の場合、京都市内を南北に貫くことは難しいでしょうから、京都駅を出た段階で急カーブで南に曲がり、さらにはどうやって新大阪に行くのかで頭を悩ましそうです。

(追記)
 与党の検討委員会は北陸新幹線敦賀以西のルートについて「小浜-京都ルート」にすることにしましたが、京都-新大阪間は「北回り」、「南回り」のいずれにするかを決めていません(一応は「北回り」のほうが優れているとしましたが)。国交省は2017年1月下旬から2月上旬に、「南回り」の新しい試算を発表する予定です。
(参考:京都新聞ホームぺージ http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20161208000019、「未来鉄道2020年 新線鉄道計画徹底ガイド 西日本編」 川島令三著 山海堂、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/161214/wst1612140091-n2.html)

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JR九州、「にちりん」等日豊線特急をワンマン運転か?

 JR九州は、2017年3月のダイヤ改正から、利用者が少ない大分-宮崎空港間の特急の一部を運転士が1人だけのワンマン運転にすることを考えています(これまでは車掌1人も乗っていました)。無人駅化などと同様、鉄道事業の効率化の一環のようです。

 ワンマン化されるのは4両編成の特急が対象のようです。しかし、普通列車でもワンマン列車は2両までがほとんどで、それ以上となると有人駅ばかりで運賃の収受漏れの心配がいらないところがほとんどです。特急だと比較的長距離を乗ることもあり、金額も大きくなります。さすがにキセルを容認することはできないでしょうから、車掌より給料の安い客室乗務員を乗せるのでしょうか?

(追記1)
 JR九州は3月4日のダイヤ改正で大分-宮崎空港間の特急上下38本のうち、4両編成の15本でワンマン運転を行います。そのための安全策として、緊急時のSOSボタンの増設、防犯カメラの車両への設置のほか、少なくとも半年間は案内係を乗務させることを宮崎県に提案し、宮崎県からの一定の評価を得ました。

(追記2)
 2017年6月に明らかになった話ですが、JR九州は、宮崎-鹿児島中央間の特急の一部においても、ワンマン運転を行うことを検討しているようです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20161207-OYS1T50012.html、宮崎日日新聞ホームぺージ http://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_23077.html、朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASK1S4R16K1STNAB013.html、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20170628/k00/00m/020/101000c)

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箱根登山鉄道、「アレグラ号」の2両バージョンを登場させる

 箱根登山鉄道は2014年11月に3000形(「アレグラ号」)の運行を始めましたが、3000形は単行です(ほかの車両と連結して走行します)。

 ところが、この「アレグラ号」に2両固定編成バージョンができました。3100形といい、2両編成あるいは3000形と併結しての3両編成が可能となります。

 この2両固定編成の「アレグラ号」、単行で走ることがないため連結部分に運転台は要りません。定員は2両で164人(座席を収納すれば166人)と、3000形の75人の倍以上となっています。連結間の窓を大型にし、箱根の雄大な自然のほか、箱根登山鉄道ならではの急曲線の走行シーンも間近で見ることができます。

 3100形は2両だけつくられます。2両連結しての長さは約28メートル、総製造費は2両で約6.2億円です。2017年4月に竣工し、5月に営業運転を開始する予定です。デザインは3000形のほか、VSEやMSEで実績があり、小田急70000形を手掛ける岡部憲明アーキテクチャーネットワークが行います。
(参考:箱根登山鉄道ホームぺージ http://www.hakone-tozan.co.jp/dat/pdf/3100%BF%B7%C2%A4%A5%EA%A5%EA%A1%BC%A5%B9%BD%A4%C0%B5%C8%C7.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/61110/)

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4月の「青の交響曲」は特別体制

 9月10日から運行を始めた吉野線の観光特急、「青の交響曲」。連日ほぼ満席状態であり、12月5日現在で約2万人が乗車しました。その「青の交響曲」ですが、吉野山の桜の開花時期となる2017年4月(1~23日)は、特別体制で運行します。

 通常、「青の交響曲」は1日2往復していますが、この期間中は運行しません。一般特急車両で運行します。その代わり、臨時特急としての運行があります。平日の4月3~7日、10~14日、17~21日は橿原神宮前-吉野間を1日1往復します。吉野12:47発橿原神宮前13:40着、橿原神宮前14:20発吉野15:12着です。休日のうち4月8、9、15、16日は早朝に運行します(1、2、22、23日は運行しません)。大阪阿部野橋6:30発吉野8:12着です。いずれも現在の料金と同じく、運賃、特急料金のほかに大人で210円の特別車両料金が必要です。

 このほか、期間中には旅行会社等によるツアーも予定しています。
(参考:近鉄ホームページ http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/hpsakuraaosinn.pdf)

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「四季島」に「13.5番線ホーム」、「カシオペア」北海道乗り入れは2017年2月まで

 すでに2017年8月出発分まで完売となっている、「TRAIN SUITE 四季島」。「TRAIN SUITE 四季島」の旅は上野駅から始まります。しかも列車に乗る前から「TRAIN SUITE 四季島」の旅が始まります。JR東日本はその上野駅の整備を行いますが、その詳細が明らかになりました。

 出発前及び到着後にくつろぐことができる場所として、上野駅13番線ホーム上にラウンジ「プロローグ四季島」を設置します。出発までの間、クルーやスタッフとも話をすることができます。到着後はここ「プロローグ四季島」でフェアウェルパーティを行います。「四季島スイート」や「デラックススイート」を利用する人には、専用のハイヤーが指定箇所まで出迎え、見送りも行います。「スイート」の人も追加料金でできます。上野駅正面玄関近くに専用のハイヤー乗降場所を設け、クルーやスタッフが出迎えます。上野駅まで車で来た人には、旅行中預かるバレーサービスもあります。乗降場所で車を預かり、帰ってきたときには時間に合わせて乗降場所に車を持ってきます。

 「TRAIN SUITE 四季島」はかつて東北・北海道方面への寝台列車が発着していた13番線を使います。しかし、乗降は13番線と14番線の間につくられる「TRAIN SUITE 四季島」専用ホーム(通称は「新たな旅立ちの13.5番線ホーム」)から行います。かつて荷物車の荷物の積み下ろしに使っていた、幅3.2メートル、長さ120メートルのホームです。列車が13番線に入ってから、ラウンジの「プロローグ四季島」からクルーの案内により専用ホームに入り、5号車のラウンジカーにあるエントランスから「TRAIN SUITE 四季島」に乗車することになります。

 話は変わりまして、E26系「カシオペア」車両を使用した臨時列車について。2017年1月、2月の運転計画が明らかになりました。2017年1月、2月は上野と札幌の往復運転です(2017年2月8日は冬の東北の魅力を訴求するキャンペーン「行くぜ、東北。SPECIAL 冬のごほうび」に合わせて、「カシオペア紀行 冬のごほうび号」として上野発盛岡行きを運転)。各旅行会社から、この区間の乗車を組み込んだ旅行商品として販売されます。ダイヤは下りが上野16:20発札幌翌11:15着、上りが札幌16:38発上野翌11:52着の予定です。運転日は下りが2017年1月1日と1月7日から2月25日までの土曜日、上りがその翌日です。

 実は、2017年2月26日の札幌発上野行きの運転を以て、「カシオペア」車両の北海道内での運転は終了するのです。機関車をJR貨物から借りたりダイヤを調整したりする手間と2017年5月から「TRAIN SUITE 四季島」が運行開始することを考え合わせた結果のようです。もともとJR北海道への乗り入れは期間限定で、少々早くなった程度なのです。それ以降は、東日本エリアでのみの運行となります。2017年1月と2月の上野-札幌間の運転は、「カシオペア」の現役時代の走行を思い出させる、最後の機会なのです。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2016/20161208.pdf、http://www.jreast.co.jp/press/2016/20161209.pdf、朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASJD65GFNJD6UTIL03V.html、http://www.asahi.com/articles/ASJD65D4PJD6UTIL03Q.html、北海道新聞ホームぺージ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0345858.html、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2016/12/06/286556.html)

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只見線、地元は鉄路復旧で合意

 2011年の大雨以来不通が続く、只見線会津川口-只見間。需要が極めて少ないのに、復旧にかかる費用は100億円を超えます

 ところが、これではあまりにも費用がかかりすぎます。そこでJR東日本は第8只見川橋梁のかさ上げを行わず、補強工事にとどめるという提案を行いました。こうすれば約27億円減らすことができ(復旧費用は約81億円になります)、工期もこれまでの4年から3年に短縮されます。

 これを受けて地元は鉄路を復旧させる方針です。JRは1/3の約27億円を負担し、残る約54億円を福島県と会津17市町村が負担します。すでに只見線復旧復興基金として約21億円積み立てていて、残りを分担することにします。復旧すれば、鉄道施設は地元が所有し、運行はJR東日本が行う上下分離方式となります。仮に不通になる前と同じように1日3往復を走らせた場合、会津川口-只見間で年間約2.8億円の赤字が出ます。このうち車両維持費などに当たる約7000万円はJR東日本が出し、残り約2.1億円は福島県と地元市町村が負担します。すでに割合も決まっていて、福島県が7割、市町村が3割負担します。会津鉄道の仕組みを参考にしたようです。負担するのは只見線沿線が主体ですが、そのほかの会津地方の自治体もわずかながらではありますが負担します。今の1日6.5往復のバス代替輸送を継続した場合、年間赤字額は約5000万円出ますが、これはJR東日本が負担します。当然ながら復旧費用は要りません。

 只見線をどうするかは年内に結論がでるようです。地元は復旧に向けて動いていて、どちらかと言えばバス代行の継続が望ましいと考えているJR東日本も、地元の方針を尊重したいという考えのようです。地元の思いはともかく、あれだけしか需要がない路線を大金をかけて復旧させる意味があるのかは疑わしいところです。それだけのお金は、バスで十分な路線ではなく、鉄道としての特性を発揮できそうなところにつぎ込まないといけません。
(参考:福島民報ホームぺージ http://www.minpo.jp/news/detail/2016112836828、http://www.minpo.jp/news/detail/2016120336986、朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASJCZ46F0JCZUGTB007.html)

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国は長崎新幹線のフル規格化を考えず

 長崎新幹線は暫定的には「リレー方式」で開業するものの、本来の姿はフリーゲージトレインです。

 ところがフリーゲージトレインの技術がまだ途上で、実際に使えるかどうかわかりません。また、フリーゲージトレインができても、走るのが確実なのは博多-長崎間だけで(JR九州は山陽新幹線を運行するJR西日本に対して、山陽新幹線へのフリーゲージトレイン乗り入れの協議を申し入れる予定ですが、フリーゲージトレインが時速300キロを出すことができないことから、JR西日本は厳しい見方をしています)、それならわざわざフリーゲージトレインでなくても構いません。狭軌で十分なのです。そういうことから、長崎新幹線を全線フル規格で建設すべき、という考えは根強くあります。

 ところが、国は全線フル規格化を考えず、800億円超という巨額の負担がのしかかる佐賀県はともかくとして、長崎県も全線フル規格化を求める考えはありません。追加負担や並行在来線の問題が生じ、改めて関係者の合意を取り付けるのが難しいからです。今現在行われている工事にも影響すると考えているのです。

 フリーゲージトレインの技術が確立すればこれでも問題ないのでしょうが、それでも単に「かもめ」を置き換えるだけのものです。やはり、新大阪からの直通が見込めるフル規格を目指して、関係者間で調整を図らなければならないでしょう。それができないのなら、全線狭軌で十分です。
(参考:長崎新聞ホームぺージ http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/11/22092608049681.shtml、http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/12/03090448049764.shtml、佐賀新聞ホームぺージ http://www.saga-s.co.jp/column/ronsetsu/380168、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/odekake/railway/20161129-OYS1T50020.html)

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「FUKURAM」の最終編成は桜色、福井県は「ヒゲ線」のループ化の検討

 福井鉄道の新型低床車両、「FUKURAM」。4編成導入する計画で、すでに3編成が走っています。

 そして、最後の4編成目が導入されることになりました。約3.3億円をかけたこの4編成目は、12月中旬から下旬に導入し、年明けには利用できるようになります。そしてその色は桜色。すでに走っている3編成はオレンジ、青、黄緑ですから、色違いになります。代わりに廃車になるのは、名古屋市交通局から来た610形のようです。

 4編成目もすでに走っているものと同様、3両編成で定員は150人ですが、ほかの3編成とは違って、田原町からえちぜん鉄道に乗り入れることはできません(ということは、3編成目も性能的にはえちぜん鉄道に乗り入れることができるということです)。

 話は変わりまして、「ヒゲ線」について。3月27日に143メートル伸びましたが、さらに伸ばす構想があるようです。「ヒゲ線」が枝線ではなく、別の地点で福武線に合流させて環状運転を行う考えのようです。案はいろいろありますが、中には福武線やえちぜん鉄道を越えるなど、壮大なものもあるようです。

(追記)
 桜色の「FUKURAM」は年末の29日から運行を開始します。
(参考:中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20161115/CK2016111502000015.html、マイナビニュース http://news.mynavi.jp/series/railwaynews/036/、福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/railway/111701.html)

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名古屋市交通局の一日乗車券が紙製に?

 地下鉄やバスが充実している名古屋市交通局には、一日乗車券があります。プラスチック製で1枚当たり15円かかります。

 ところが名古屋市交通局は、2017年度から券売機で発売される一日乗車券をプラスチック製から紙製に変更します(どちらも使い捨てとなります)。紙製だと1枚当たり2円で済み、年間では3000万円の経費削減になるのです。普通の乗車券と同じ、磁気の切符になるのでしょう。

 なお、駅長室などで販売する一日乗車券については、改札の機械を通す際に日付が印刷される仕組みのため(ということは、券売機で発売されるのは当日利用分のみになると思われます)、これまで通りのプラスチック製のままとなります。また、名古屋市交通局は外国人観光客向けに日本語と英語を併記した一日乗車券を発売する方針で、2017年度には定期券機能、地下鉄でのオートチャージ機能、クレジットカード機能等を搭載した「manaca」の発行を予定しています。

(追記)
 2017年10月1日から、地下鉄の券売機で発売される一日乗車券等が、紙製の磁気券になります。購入当日限り有効となります。利用日の指定のないものは駅長室等で発売します。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/feature/railnews/list/CK2016091702000223.html、payment navi http://www.paymentnavi.com/paymentnews/61622.html、「広報なごや」2017年9月号)

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名古屋市中心部にBRT、名古屋港-金城ふ頭間にバス

 名古屋市は2027年のリニア名古屋開業に向けて、名古屋駅と栄、大須、名古屋城など中心部との交通手段の向上を考えています。すでに2014年にまとめた「なごや交通まちづくりプラン」で、都心部でのLRTやBRTの導入を検討するとしています。

 しかし名古屋市が今回導入する方針なのは、LRTではなく、BRTです(11月28日の名古屋市議会本会議で明らかになりました)。名古屋市には路面電車がないので、何もない状態からつくるLRTの導入は難しいと考えたのです。また、BRTならば、部分的に完成させることも可能というメリットがあります。名古屋市にはすでに基幹バスというBRTの前例もありますし、新たにLRTをつくるよりはやりやすいのでしょう。一理あります。2017年度から整備計画を策定します。名古屋市は世界初の燃料電池車「ミライ」を発売したトヨタと協力し、燃料電池や自動運転の技術を活かしたBRT車両の開発も検討していきます。

 話は変わりまして、2017年4月に金城ふ頭にオープンするテーマパーク、「レゴランド」へのアクセスについて。名古屋駅から直通するあおなみ線がメインでしょうが、バスもできます。名古屋港水族館などがある名古屋港のガーデンふ頭とを結ぶバスができるのです。今まで直通する交通機関がなかったところにバスができるのです(名古屋港と野跡駅を結ぶ名古屋市交通局のバスはありますが)。

 バスを運行するのはタクシー会社のつばめ自動車。名古屋港水族館、「レゴランド」のほかに、「リニア・鉄道館」などに停車します。22人乗りのマイクロバスなどを使い、片道30分程度で1時間に2~4本を運行します。名古屋市交通局が運行するわけではないので運賃は均一料金でなくてもよく、片道500円(子供は300円)を想定しています。つばめタクシーは年内に中部運輸局に事業を申請し、1年間は実証実験として運行します。利用状況を見て本格運行に移ります。

 ガーデンふ頭と金城ふ頭には、笹島から中川運河を経てガーデンふ頭や金城ふ頭に行く水上バスの計画もあります。名古屋市は2017年10月から運行することを考えています。

(追記1)
 名古屋市はBRTをまず名古屋駅と名古屋城を結ぶ路線で走らせたいと考えています。2020年以降に開業予定です。その後、栄、大須の両地区と結ぶ第二期を、2026年のアジア競技大会、2027年のリニア名古屋開業のころに開業させたいようです。

 BRTはおおむね10分以内の間隔で運行します。停留所は500メートル程度で設置します。3連節の車両、燃料運転、自動運転技術も使うことを検討します。これらの技術をすべて使えば、バス1両あたり3.5億円ほどするようです。平日の場合、1キロ当たり3000~9000人の利用を見込み、工事費や維持管理費などを含めた費用を30年で償還します。

 名古屋市は2016年度中に市民や運輸業界から意見を聞き、2017年度以降にルートや事業内容を決めていきます。

(追記2)
 2017年5月23日につばめ自動車の名古屋港と金城ふ頭とを結ぶバスに乗りました。築地口15:05発のに乗りましたが、私以外の乗客はいませんでした。どうやら平日はガラガラで、休日もそう多くはないようです。

(追記3)
 名古屋港と金城ふ頭を結ぶバスは、2018年3月31日で運行を終了しました。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/aichi/news/20161128-OYTNT50276.html、中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016112802000239.html、http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016112990163021.html、http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20161223/CK2016122302000052.html、つばめタクシーグループホームぺージ http://www.tsubame-taxi.or.jp/minato/time.html)

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内房線、2017年3月ダイヤ改正で系統分割か?

 JRグループは2017年3月にダイヤ改正を行うようです。それを前提として組合との交渉を行っているのですが、内房線でまた縮小の動きがあるようです。

 2015年3月のダイヤ改正で内房線の特急が君津までの通勤特急になり、代替として平日に限り特別快速を1往復走らせました。しかし、この特別快速も振るわず、2017年3月のダイヤ改正で廃止されるようです。内房線の普通列車は千葉-館山間を直通運転していますが、廃止され(昼間は全廃)、どこか(木更津か君津?)で乗り換えしなければならないようです。そのほかにも、早朝の館山始発の列車2本が廃止されます。久留里線も、上総亀山始発の始発や最終が廃止されるようです。将来的には房総の南部や鹿島線でワンマン運転をすることも考えられています(どこから調達するかはともかく、2両編成の電車を走らせるのでしょうか?)。

 厳しい話ばかりですが、内房線の南部が負け続けていることには変わりません。東京近郊の一部である君津以北とは違い、そこから外れた君津以南は段違いに利用者が少ないのです。廃止の危機にまでは至らないのでしょうが、到底アクアライン経由のバスや車に勝てるわけはなく、JR東日本としてもローカル輸送を細々と続けるしか仕方がないのでしょう。
(参考:日刊動労千葉ホームぺージ http://doro-chiba.org/dc/?nikkan=%E5%86%85%E6%88%BF%E7%B7%9A%E7%9B%B4%E9%80%9A%E9%81%8B%E8%BB%A2%E5%BB%83%E6%AD%A2%E8%A8%B1%E3%81%99%E3%81%AA%EF%BC%81、千葉日報ウェブ http://www.chibanippo.co.jp/news/local/303572)

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「米原ルート」でも1時間に1本の乗り入れは可能?

 北陸新幹線「米原ルート」の欠点は、東海道新幹線に乗り入れないこと。米原で乗り換えを余儀なくされるのは、致命的な欠点です。それなりに採算が取れ、利便性の高い「小浜-京都ルート」の評価が高く、北陸で唯一「米原ルート」を支持していた自民党石川県連も、北陸新幹線を全線開業させるために「小浜-京都ルート」支持に転換しました。

 滋賀県は何とか「米原ルート」を採用させようと、5日の与党検討委員会で、「米原ルート」での東海道新幹線乗り入れを提案しますが、有識者の中でもとたえリニアの全線開業前でも北陸新幹線の東海道新幹線乗り入れが可能だという説を唱えている人がいます。

 大阪産業大の波床教授がその人で、東海道新幹線はピーク時でも1時間に15本程度の運行なので、ある程度の余裕を入れても、1時間に1本程度の余裕があるというのです。乗り入れの場合に障害となる運行システムと脱線防止装置の違いについても、何とかなるとしています。ほかの専門家の話でも運行システムの統合は数千億円かければできるようなので、「小浜-京都ルート」をつくるよりは安いのです。

 技術的には、「米原ルート」でも新大阪直通が可能なのかもしれません(ただし、あくまでも可能性であって、「小浜-京都ルート」みたいにお金をかければ必ずできるものではありません)。しかし、ルートは12月中に決まるのですが(20日に決まるようです)、肝心のJR西日本とJR東海からは拒否されています。JR西日本の場合はこれまで100%自社に入っていた収入が流出します。根っこの部分で自由が利きません。JR東海もいったん東海道新幹線乗り入れを認めたら、将来にわたってそれを保証しないといけません。今はとても確約できないのです。両社のこのような態度を非難することはできません。

 技術的な問題が解決したとしても、「米原ルート」にしたいのなら、両社を説得しないといけません。東海道新幹線米原-新大阪間はJR東海とJR西日本の共同経営とし、北陸新幹線列車に限りすべてJR西日本の路線とみなします。JR西日本1社で完結するのですから、料金も通しでできます。東海道新幹線米原-新大阪間はJR東海の持ち物ですが、北陸新幹線乗り入れに伴い、北陸新幹線乗り入れ分をJR西日本に売却します。この売却代金はリニア全線開業のための建設費に充てます。ここまでの絵が描ければよいのですが、それだけのことができる人はめったにいないでしょう。ここまでのことが現時点でできていない以上、「米原ルート」は「小浜-京都ルート」に劣後する存在で、たとえ技術的な問題に解決したとしてもせいぜい何らかの事情で「小浜-京都ルート」ができなかったときの補欠にしかならないでしょう。技術的な問題が解決しなければ、「米原ルート」は実現せず、敦賀でのフリーゲージトレイン(これも技術的には確立していませんが)あるいは乗り換えが続くだけです。
(参考:中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20161203/CK2016120302000027.html、福井テレビホームぺージ http://www.fukui-tv.co.jp/?fukui_news=%E7%9F%B3%E5%B7%9D%E3%81%AE%E8%87%AA%E6%B0%91%E7%9C%8C%E9%80%A3%E4%BC%9A%E9%95%B7%E3%80%8C%E5%B0%8F%E6%B5%9C%EF%BC%8D%E4%BA%AC%E9%83%BD%E3%80%8D%E3%81%AB%E8%BB%A2%E6%8F%9B%EF%BD%9E%E6%96%B0%E5%B9%B9、福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/110359.html)

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御堂筋線にもハートの吊り革

 大阪を代表する地下鉄路線と言えば、何といっても御堂筋線。その御堂筋線に10月末から1年間の予定で、変わった吊り革の列車が走っています。

 妊活応援サプリの製造販売をしているゲンナイ製薬(東京都)の社長は、元々吉本の芸人。その元芸人社長が御堂筋線の1編成を使って行っているのが、著名人の格言などを大阪弁に置き換えて紹介する企画。偉人や著名人の愛に関する格言を大阪弁に置き換えた「愛の大阪弁格言」と、恋や家族への愛を基本テーマとした「大阪ならではの迷言」を吊り革広告として掲示します。格言や迷言は全部で19パターンあります。このような企画は首都圏のいくつかの路線で行われていますが、大阪弁が出るのは関西初の御堂筋線が初めてです。

 御堂筋線には660本の吊り革がありますが、そのうちの1本はピンク色のハート型となっています。「幸運のハート型吊り革」です。どこにあるかは秘密です。
(参考:ゲンナイ製薬ホームぺージ http://gennai-seiyaku.co.jp/img/media/press20160929.pdf、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASJBS5JDGJBSPTIL01X.html)

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ドイツ鉄道のドアは発車30秒前に閉まる

 ドイツ人は真面目なので、時刻表通りに運行しているように思われますが、実はそうではないようです。ドイツ鉄道自体、2016年の目標は80%の長距離列車を定刻に到着させること。ただ、定刻とは5分以内の遅れで済むことであり、そう褒められたものではありません。

 しかも、この目標の達成が厳しいようです。そこでドイツ鉄道が考えた策が、発車前にドアを閉める時間を繰り上げること。もともと長距離列車のドアは発車10秒前に閉めていたのですが、これを20秒早くして30秒前に閉めることにしたのです。すでに半年間の試行が行われ、10月17日からドイツ全国の長距離列車で行われています。

 この効果があったのかは定かではありませんが、列車が発車時刻前に発車してしまうのは、日本の感覚で言えば意外な話です。場所がドイツだけに。
(参考:NEWSALT http://newsalt.jp/international/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E9%89%84%E9%81%93%E3%80%8C78%EF%BC%85%E3%81%8C%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%AB%E6%AD%A3%E7%A2%BA%E3%81%AA%E3%82%89%E6%BA%80%E8%B6%B3%E3%80%8D、http://newsalt.jp/international/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E9%89%84%E9%81%93%E3%81%AE%E3%83%89%E3%82%A2%E3%81%8C%E7%99%BA%E8%BB%8A30%E7%A7%92%E5%89%8D%E3%81%AB%E9%96%89%E3%81%BE%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AB)

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「中国ハイウェイバス」でもICカード、西日本ジェイアールバスに受験生応援割引

 西日本ジェイアールバスに関して、話題を2つ。

 伝統ある高速バスとして、西日本ジェイアールバスと神姫バスが共同で運行する「中国ハイウェイバス」(京都駅・大阪駅-西脇・加西・津山駅間)があります。この「中国ハイウェイバス」で10月1日から、交通系ICカードサービスを始めました。

 この交通系ICカードサービス(「ICOCA」「PiTaPa」など主要交通系ICカードが使えます。神姫バスの「NicoPa」は使えません)は、京都駅、大阪駅、津山駅を除く各停留所を出発するときに使えます。京都駅、大阪駅、津山駅を乗車するときは、あらかじめ乗車券を買っておく必要があります。

 話は変わりまして、年が明けると受験シーズン。西日本ジェイアールバスは「受験生応援割引」で受験生を応援します。2017年2月1日から3月15日までの東京-京阪神線、横浜-大阪線の夜行便(3列シートのみ)において、「受験生応援割引」を行います。大学などの受験を目的とした利用に限り(乗車時に受験票の呈示が必要です)、学割からさらに500円安くなります。通常運賃が7200円からの東京-京阪神線「ドリーム号」の場合、5300円からとなります。「グランドリーム号」や「プレミアムドリーム号」でも値段は変わりますが、利用できます。

(追記)
 「受験生応援割引」ですが、北陸、四国、中国方面でも適用されることになりました。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/09/page_9269.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/11/page_9587.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/12/page_9727.html)

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宮崎県内の自治体、JR九州の株購入

 宮崎県内の自治体で、10月に上場したばかりのJR九州の株を購入する動きがあります。

 日南市は10月にJR九州の3800株を988万円で購入しました。同じく日南線(南宮崎-志布志間、88.9キロ)沿線の串間市も約3300株を取得する方針です。吉都線沿線の小林市も購入することを検討しています。

 なぜこれらの市はJR九州の株を買うのでしょうか? 上場すると赤字路線が切り捨てられるということを危惧しているのです。少し古い2010年度のデータですが、日南線と吉都線の輸送密度はそれぞれ832人と560人、JR九州の中でも低い数字で、第三セクターやバスになっても不思議ではありません。

 もっともこれらの動きに対して、宮崎県の動きは鈍いです。その理由はいくら株を持っていても、少なかったから株主としての権利を行使できないからです。JR九州の株は160万株もありますから、日南市の所有割合は0.2%ほどに過ぎません。これでは廃止の動きがあっても、株主の力で止めることはできないのです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/economy/20161126-OYT1T50019.html、宮崎日日新聞ホームぺージ http://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_23007.html、「週刊東洋経済 『鉄道』完全解明 2013」 東洋経済新報社)

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日高線、鵡川-日高門別間再開を条件に日高町が負担を検討

 2015年の高波被害以降、大半の区間が不通となっている日高線。もともとの需要が少ないことから、JR北海道は単独では維持することが困難な線区とされています。JR北海道は沿線7町などから成る自治体協議会で、運行再開後の維持費として年間13.4億円の負担を求めていましたが、沿線7町は拒否していました。

 ところが三輪日高町長は、11月22日にJR北海道の担当者が日高町役場を訪れた際、鵡川-日高門別間(20.8キロ)について、一定の地元負担をする考えであることをJR北海道に伝えました。日高門別は日高町内にあり、そこまで運行再開ができれば町内に再び列車が走ることができるのです。折り返し運行に必要な設備の新設費用や赤字の補てん、施設維持費などの費用に充てるようです。

 鉄路の維持のために地元が負担するという意思を見せているのは、口だけで何もしないところに比べてはるかに称賛される行為です。ただ、残念なことに、日高線はどうしても鉄路を維持しなければならないほどの需要はありません。バスに転換されるのもやむなしといったところです。
(参考:北海道新聞ホームぺージ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0341866.html)

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滋賀県「米原ルート」での東海道新幹線乗り入れを提案へ、京都府は「舞鶴ルート」の費用対効果1以上を主張

 北陸新幹線敦賀以西のルートには3案ありますが、最有力とされる「小浜-京都ルート」以外の2案についての話です。まずは「米原ルート」から。

 「米原ルート」は米原で東海道新幹線に接続するもの。建設する距離が短いため建設費が安く、費用対効果が高いのですが、致命的な欠陥があります。それは、米原で乗り換えを迫られること。北陸新幹線の全線開業がリニアの全線開業後であるにもかかわらず、国交省の北陸新幹線調査結果では、乗り換えを前提にした結果しか出されていません。リニアが開業しても「米原ルート」なら、北陸新幹線は新大阪に直通しないのです。そこで滋賀県はこの致命的な欠陥をクリアするため、5日の与党整備新幹線建設促進プロジェクトチームの検討委員会で北陸新幹線が東海道新幹線に乗り入れることを提案します。

 それではなぜ「米原ルート」が米原乗り換えになったのでしょうか? 北陸新幹線、そして東海道新幹線を運営するJR西日本とJR東海は、東海道新幹線の過密ダイヤと接続に伴う運行システムの違いなどから乗り入れは困難だと表明しました。そのため与党の検討委員会は4月の段階で、「米原ルート」の場合は米原で乗り換えることを前提にしたのです。

 滋賀県は運行システムの問題は解決できるとしていますが、肝心のJR2社が乗り気ではないですし、北陸新幹線のシステムはJR東日本のものがベース、東海道新幹線のシステムはJR東海のものがベースでは、解決できない危険性が十分にあります。犬猿の仲の2社ですから、確実に新大阪直通が確約できる状況でないとリスクは高いでしょう。滋賀県は国交省の試算において、米原駅の乗り換え時間が長いなどと指摘していますが、たとえ東海道新幹線に合わせて北陸新幹線が発着するという都合のいい状況でも、滋賀県の主張のように5分では無理でしょう。10分はかかります。ですから、国交省の15分という前提も、決して厳しすぎるものではありません。「サンダーバード」の実績から最速列車は敦賀を通過するという設定もあり得ますし(国交省は敦賀を通過、滋賀県は敦賀に停車)、列車速度も最高速度が260キロであることを考えると、国交省の時速200キロが妥当なところでしょう(滋賀県は165キロとしています)。

 さて、「舞鶴ルート」については、採算性が問題視されていますが、山田京都府知事は30日に行われた与党整備新幹線建設促進プロジェクトチームの検討委員会において、「舞鶴ルート」でも費用対効果が1以上にあるという独自の試算を示しました。利用者便益のほかに地域活性化や企業立地の促進といった地域経済効果を加味すれば、費用対効果は1以上になるというのです。京都-新大阪間で学研都市を経由した場合、費用対効果は1.6になるというのです(経済効果は1兆円を上回ります)。「小浜-京都ルート」の1.5を上回るというのです(学研都市経由の場合)。ちなみに、「舞鶴ルート」でも京都-新大阪間で「北回り」のルートをとった場合、途中に駅ができないため費用対効果は1.0にとどまってしまいます。うまくできた数字です。それほど良いのならば、京都府が山陰線の改良をしたほうが良いでしょう。ちなみに、国交省によれば、「小浜-京都ルート」でも山陰方面への高速化が果たせるとされています。

 最後に本命視されている「小浜-京都ルート」ですが、一番便利であるものの、どうしても建設費が高くなります。京都-新大阪間の建設費が高くなりますので、この部分の建設を後回しにすべきだという社説(東京新聞)での主張もあります。確かに米原とは違い、京都で乗り降りする需要は多く(大阪府内でも高槻などは北陸新幹線を京都で乗り降りするでしょう)、最悪ではないでしょうが、後回しになる新大阪までの全線開業が難しくなるので、できるだけ避けたいところです。
(参考:中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20161129/CK2016112902000028.html、http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20161201/CK2016120102000038.html、東京新聞ホームぺージ http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016120102000144.html、日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10027950Y6A121C1LDA000/、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161130-00000019-kyt-l26)

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