宮崎県内の自治体、JR九州の株購入
宮崎県内の自治体で、10月に上場したばかりのJR九州の株を購入する動きがあります。
日南市は10月にJR九州の3800株を988万円で購入しました。同じく日南線(南宮崎-志布志間、88.9キロ)沿線の串間市も約3300株を取得する方針です。吉都線沿線の小林市も購入することを検討しています。
なぜこれらの市はJR九州の株を買うのでしょうか? 上場すると赤字路線が切り捨てられるということを危惧しているのです。少し古い2010年度のデータですが、日南線と吉都線の輸送密度はそれぞれ832人と560人、JR九州の中でも低い数字で、第三セクターやバスになっても不思議ではありません。
もっともこれらの動きに対して、宮崎県の動きは鈍いです。その理由はいくら株を持っていても、少なかったから株主としての権利を行使できないからです。JR九州の株は160万株もありますから、日南市の所有割合は0.2%ほどに過ぎません。これでは廃止の動きがあっても、株主の力で止めることはできないのです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/economy/20161126-OYT1T50019.html、宮崎日日新聞ホームぺージ http://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_23007.html、「週刊東洋経済 『鉄道』完全解明 2013」 東洋経済新報社)
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Comments
株主総会で発言できるとはいえ、配当など株主利益も享受できる立場なので、説得力が無いような...。
どうせなら、その財源で、上場後に課税される固定資産税を減免するスキームを作った方が、ローカル線維持のための地元負担というメッセージになると思いますが。
ちなみに、固定資産税減免は、本州3社のローカル線維持でも活用すべきと思っています。
Posted by: つばめ800 | 2016.12.10 07:50 PM
つばめ800さん、こんばんは。
* 株主総会で発言できるとはいえ、
発言はできますが、数多くいる株主ですから、効果があるかどうかは疑わしいです。
* ちなみに、固定資産税減免は、本州3社の
それよりも、これらのローカル線をJRが維持しなければならないのかから考えないといないでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2016.12.10 09:59 PM