高橋北海道知事、JR北海道への赤字補填を拒否
利用者が少ない路線を多数抱えているJR北海道。鉄道を維持しようとするなら、誰かが赤字分を負担しなくてはなりません。鉄道の運営会社が被るか、値上げというかたちで利用者が負担するか、あるいは中小私鉄や第三セクターであるように沿線自治体が負担するかです。
ところが高橋北海道知事は、赤字を補填するための財政支援を行わない方針です。国に対しても求めません。国に求めるのは、JR貨物からJR北海道に対して支払われる線路使用料の積み増しや鉄道施設の老朽更新対策を進めることだけです。北海道民の税金を赤字補填に充てるというのは、北海道民に対して説明ができないというのです。JR北海道はコストの徹底的な軽減などの自助努力をしなければならないというのです。
JR北海道は地元の支援が得られない中、どうすればよいでしょうか? コストを削減する方法があります。赤字ローカル線を廃止してしまうのです。只見線の一部区間廃止の話が出たときに鉄道を維持した場合とバスにした場合の比較がありますが、たとえJR直営でもバスのほうが安上がりです。北海道新幹線、札幌近郊と都市間特急だけの会社になってしまうのです。こうなっても北海道は廃止に反対する資格はないでしょう。
(追記)
3月21日、高橋北海道知事は北海道議会予算特別委員会で、JR北海道については赤字の補填は行わないが、車両更新などの鉄道維持に向けた支援策を検討することを明らかにしました。
こうなると、話が全く違います。鉄道がその本来の特性を発揮するところに限って投資をするという条件が付きますが(あまりにも利用者が少ない路線はおとなしく廃止する)、目的を持った支援策は、単なる赤字補填よりずっと好ましいものです。今後の動きを見ていきたいと思います。
(参考:北海道新聞ホームぺージ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0377626.html、UHBニュースホームぺージ http://sp.uhb.jp/news/?id=1405)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 521系の「大和路快速」(2025.11.16)
「JR北海道」カテゴリの記事
- 「赤い星」、「青い星」のプラン概要発表(2)(2025.10.05)
- 「赤い星」、「青い星」のプラン概要発表(1)(2025.10.05)
- JR北海道、新型特急電車導入へ(2025.09.22)
- 室蘭線でただで定期券も配るモニター事業(2025.06.22)
- 「青春18きっぷ」は値上げせず、「北海道&東日本パス」は小幅な値上げ(2025.06.03)


Comments
ここまで来ると最終的には札幌近郊だけの会社、室蘭線は東室蘭から西が廃止になるのがオチ、というのもありそうです。都市間特急も痩せ細るのみでしょうし、北海道新幹線を"失敗"扱いにしたい勢力はこれから結集するでしょうし。そうしたい理由はよく分かりませんが。
Posted by: 日置りん | 2017.03.18 08:24 AM
日置りんさん、こんにちは。
* 北海道新幹線を"失敗"扱いにしたい勢力はこれから結集するでしょうし。
北海道新幹線をやらなければ事態は好転したわけではありません。北海道新幹線があってもなくても厳しいことには変わりはないのです。
JR北海道で普通列車だけでやっていけそうなのは、札幌を中心にして、苫小牧、新千歳空港、小樽、北海道医療大学、岩見沢を結ぶ範囲ぐらいです。
Posted by: たべちゃん | 2017.03.18 12:13 PM