JR西日本、一部路線のバス転換を検討か?
鉄道会社にとって頭が痛いのは、赤字ローカル線の存在。どう考えてもバスで十分な程度の需要しかなくても、路線の廃止は難しいです。
以前にもJR西日本は赤字ローカル線をバス転換する意思があることを表明していましたが、3月22日に来島JR西日本社長は改めて、赤字ローカル線のバス転換が避けては通れない話であり、将来の人口減が予想されることから、赤字ローカル線の整理をしなければならないことを表明しました。
赤字ローカル線のバス転換を食い止めたいのならば、それなりの数の人が乗らなくてはいけません。ところがその赤字ローカル線のひとつで、2018年3月に廃止される三江線の場合、外出時の移動手段として沿線住民が鉄道やバスなどの公共交通機関を利用するのは1割ほどに留まるというアンケート結果が出ています。7割と圧倒的に多かったのは、自動車(自ら運転)でした。
このアンケートは、広島、島根両県と沿線6市町などから成る「三江線沿線地域公共交通活性化協議会」が、6市町の11500世帯に対して1月に実施したものです(回収率は34%)。これによれば、過去1年間に三江線を利用したのはたったの28%、しかも約半数は年間5回未満でした。利用しなかった理由を複数回答で尋ねたところ、一番多かったのは、車を利用するためでした。83%もいます。次に多かったのは、36%の沿線で用事がないためでした。車があまりにも普及し、鉄道の使命はとっくになくなっていたのです。地元の人が使わない以上、山陽新幹線やアーバンネットワークの利益をつぎ込むのを当然として、三江線をJR西日本に維持させるのは無理な話なのです。政治の力で曲げるのはもってのほかです。もちろん、観光客を呼び寄せる方法もありますが(新幹線などを使ってくれることにより、トータルで稼ぐという方法です)、1回限りではなく、リピーターになってもらわないといけません。そして、ここが一番大事なことですが、鉄道としての使命を失った路線は三江線だけではありません。中国山地あたりだと、そうでない路線を探すほうが難しいぐらいです。
また、JR西日本は、路線によってはLRTに転換することを地元自治体に提案するようです。すでに吉備線が挙げられていますが、ほかにもあるようです。ただ、LRTにするということは、それなりに利用者がいるということであり、富山ライトレールがそうであるように、場合によってはチャンスともいえるでしょう。
(参考:朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASK3Q51XJK3QPLFA00C.html、http://www.asahi.com/articles/ASK3Y5SMYK3YPTIB00T.html、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/jr-nishinihon/)
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Comments
>政治の力で曲げるのはもってのほかです
それだと嵯峨野観光鉄道は誕生しなかったでしょうね。
ご意見は理解できる部分もあるのですが、そこは経営者目線で存続派や地元民をdisってるだけでは伝わらないと思いますよ。
Posted by: さんの | 2017.04.11 04:31 AM
さんの さん、おはようございます。
* それだと嵯峨野観光鉄道は
嵯峨野観光鉄道は純粋な観光鉄道なので、もし利用者が少なくなれば廃止することもできます。
* ご意見は理解できる部分もあるのですが、
できるだけ鉄道が使われるに越したことはないのですが、正直言ってどうみても鉄道で維持するのは無理というところがごろごろしています。
それならある程度鉄道が使われるところを強化したほうが、トータルとして便利な公共交通機関になるのではないでしょうか?
Posted by: たべちゃん | 2017.04.11 06:10 AM