前橋のLRTは断念か?
JRの前橋駅と上毛電鉄の中央前橋駅は少々離れています。この2駅間を路面電車で結ぶという話は以前からありますが、どうやら実現は難しいようです。
2016年、利用者の減少が続く上毛電鉄(中央前橋-西桐生間)を再生させるため、前橋、桐生、みどりの3市でつくる「上電沿線市連絡協議会」が民間機関に委託してLRT導入に関する調査を行いました。その結果が8日に行われた「上電沿線市連絡協議会」の非公開の総会で報告されたのです。LRT導入の予定区間は(1)前橋-中央前橋間(1キロ)、(2)前橋-中央前橋-大胡間(9.3キロ)、(3)前橋-中央前橋-西桐生-桐生間(26.7キロ)の3つが考えられていました。ところが整備費がかかる一方、それを埋め合わせるだけの乗客数の増加が望めなかったのです。
新しくつくるのは前橋-中央前橋間及び西桐生-桐生間ですが、整備費はそれぞれ(1)が118~122億円、(2)が163~175億円、(3)が220~239億円かかります。たった1キロの前橋-中央前橋間で100億円以上かかるのも不思議な話ですが(フル規格新幹線ができそうなぐらいの金額です)、道幅を広げないといけないところがあり、用地買収や移転補償費がかかるのが原因のようです。軌道を敷く費用だけでなく、道路の建設費自体を計算に入れているのでしょう。LRTを開業させた後の年間運営費についても試算しましたが、いずれの場合でも上毛電鉄が現在負担している約5.7億円を上回ります。コストがかかってもそれに見合った利用者の増加があればいいでしょう。しかし、それも厳しいのです。採算を確保するのに必要な乗客数は1日5300~7400人ですが、現在の4310人から1.2~1.7倍に増やす必要があります。ところが群馬県は沿線人口が減少するため、約20年後には逆に3600人に減ると見込んでいます。
このようなことから、LRTを導入した場合の上毛電鉄の利用者見込みをさらに調べるとともに、コストの削減について考えるとのことですが、かなり厳しいようです。
(参考:東京新聞ホームぺージ http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201705/CK2017050902000179.html)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
「関東・甲信越私鉄」カテゴリの記事
- 宇都宮LRTの開業が2023年に(2021.01.22)
- 「箱根フリーパス」、抽選で現金キャッシュバック(2021.01.24)
- 2021年3月ダイヤ改正発表(2)(JR東日本在来線)(2020.12.20)
- いすみ鉄道でワーケーション(2021.01.03)
「路面電車」カテゴリの記事
- 宇都宮LRTの開業が2023年に(2021.01.22)
- とさでん交通、大幅減便で最大45分間隔に(2020.12.13)
- 熊本市電に3両編成&急行(2021.01.19)
- 「地域共通クーポン」でJR北海道1日乗り放題2000円(2020.10.31)
- 広電、終電を約30分繰り上げ(2020.11.14)
Comments