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June 2017

仙台-山形間に新幹線?

 県庁所在地同士が隣り合っている、仙台市と山形市。仙台-山形間の移動需要は結構多いです。通勤通学者で見ると約3000人と10年前に比べて26%増えています。

 この両都市を結ぶ公共交通機関の主力は、高速バス。鉄道も1時間に1本ありますが、利用者の多い仙台-愛子間は各駅停車になるものが多く、快速でも1時間15分ぐらいかかるのです。それに比べて高速バスの本数は驚異的で、日中でも20分程度でバスが来ます。ところが大雨や大雪になると高速バスの遅れが頻発し、国道48号も通行止めが多くなります。

 そこで山形市はこのほど、仙山圏の交通網整備について調査を行いました(これらの構想は国や山形県、仙台市などに提示し、構想の実現を図ります)。そこでは天候に左右されない道路の整備を求めています。山寺付近から秋保か作並に向かう道路の建設を求めています。

 求めている交通網の整備は、道路だけではありません。鉄道の強化策も盛り込んでいます。愛子と山形の間をノンストップで走る列車を導入しようとしています。さらには仙台と山形の間をフル規格新幹線で結ぶという構想もあります。両都市を20分で結びます。新幹線は夢のレベルでしょうが、仙山線の強化は必要でしょう。ただ、この場合は仙台-愛子間の複線化(少なくとも交換駅の増設)をしないとどうにもならないでしょう。ここがネックになり増発が難しく、快速も大半が各駅に停まらざるを得ないのです。もちろん、複線化等を行うときは、地元自治体等の負担が求められるでしょう。
(河北新報ホームぺージ http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201703/20170314_51042.html)

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旧浜寺公園駅舎、高架工事期間中も活用

 浜寺公園の駅舎は、100年以上の長きにわたって使われましたが、高架化工事のため2016年1月に引退しました。この浜寺公園の駅舎、2028年に高架化された後に地上玄関口の一部として活用されるのですが、その間も活用されることになります。

 いったんこの駅舎、レールに乗せて動かす曳家の工法で、この秋に南西方向に約30メートル動かします。移動には1週間程度かかります。その後、2018年3月から、駅務室があった北側は交流スペースとし、カフェを運営するほか、市民が持ち寄った本を並べます。コンコースだった中央部分は多目的イベントスペースとし、朝市やフリーマーケット、ミニライブなどの開催を行います。駅舎として使われていたときから趣味活動の作品などが展示されていた南側のギャラリーはそのまま使われます。運営は地元のNPO、浜寺公園駅舎保存活用の会が行います。

 このような方法で5~6年使われた後、建物の文化財的な価値を調べる調査が行われます。その後、再び曳家で元の場所に戻します。

(追記)
 旧浜寺公園駅舎の活用は、2018年4月15日から始まります。
(参考:産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/170521/rgn1705210062-n1.html、南海ホームぺージ http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/180412.pdf)

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東急田園都市線に早朝通勤促進のための特急

 混雑する路線のひとつとして知られる、東急田園都市線。東急はこれまで「バスも!」キャンペーンなど、朝ラッシュ時の混雑緩和のための取り組みを行ってきました。

 そして、この夏新たに始める施策は、早朝時間帯の特急の運転。東急田園都市線では初めてのことです。7月11日から21日までの平日8日間に限りますが、臨時特急列車「時差Bizライナー」を運転します。「時差Bizライナー」は6:04に中央林間を出て、長津田、あざみ野、溝の口、渋谷と半蔵門線内の各駅に停まります。他社線との接続駅で乗降人員の多い駅に停車駅を絞ったため、二子玉川を通過するなど、急行に比べて5駅も少ないのです。渋谷着は6:43(押上着は7:15)なので、中央林間から39分で渋谷に着くことになります。渋谷8時台着の準急に比べて、中央林間から渋谷までの所要時間が約11分短縮されます(渋谷7時台着の急行に比べると2分短縮)。早朝の電車に乗った御褒美です。これに合わせて押上7:21発の長津田行き準急も運転されます(通常は半蔵門発)。なお、この「時差Bizライナー」の運転により、一部列車に発着時刻や退避駅の変更がありますので、御注意ください。

 東京メトロ東西線も同じ7月11日から21日までの平日、早朝に臨時列車「時差Bizトレイン」を運転します。西船橋6:15発快速九段下行きなど上下3本を運転します。

(追記)
 「時差Bizライナー」ですが、行先表示は「ライナー」となっています。
(参考:東急ホームぺージ http://www.tokyu.co.jp/file/170627-11.pdf、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/tokyu-denentoshisen/、マイナビニュース http://news.mynavi.jp/news/2017/06/27/229/、東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/180339、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/75734/)

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姫路の修学旅行、伊勢・奈良から京都・奈良に変更

 家島を除く姫路の小学校の修学旅行の行先は伊勢・奈良。全校に広がったのは1957年ごろ、そこから60年の伝統があります。5~6月に1泊2日の日程で行っています。行きは途中に奈良に寄り、東大寺の大仏を見学します。奈良から伊勢まで列車に乗り、翌日の早朝に二見浦の夫婦岩で日の出を見て、伊勢神宮や鳥羽の水族館を訪れます。

 かつては181系を使った貸切列車で移動していましたが、189系に置き換えられたために使えなくなり(カニのシーズンでないから余っているはずの189系での運転(JR東海エリアで走ることができるかは不明ですが)や直通できる近鉄・阪神・山陽の利用は考えられなかったのでしょうか?)、バスに切り替えられました。ところが、今度は児童の車酔いが相次いだのです。列車と違って動き回ることができないというのも影響しているようです。

 そこで校長会は2年前から修学旅行の行先の変更を検討してきました。そこで決まった新しい行先は、京都・奈良。移動距離が短いことがメリットです。宿泊場所も確保でき、2018年度から変更されます。半世紀以上伊勢・奈良への修学旅行が続いていただけに、この決定には不満を持つ保護者は多いようですが、児童の体のことを考えるとやむを得ないところなのかもしれません。ただ、姫路から同じ関西の京都・奈良だと、宿泊旅行としては近すぎるような気もします。
(参考:神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201612/0009714467.shtml)

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北海道新幹線と津軽海峡フェリーがセットになったツアー

 北海道新幹線は途中最高速度が時速140キロに制限される青函トンネル等を挟み、かつ新青森、新函館北斗のターミナルが街中から外れているので、青函間の所要時間は在来線時代よりもかかることがあります。しかも、値段はほかの新幹線より高いです。東京までならそこそこの値段でそれなりに速いのですが、青函間だと新幹線になったメリットが見当たらないです。

 ということでJR北海道函館支社が6月9日から始めているのが、津軽海峡フェリーと組んだ、青森への日帰りの旅。北海道新幹線と津軽海峡フェリーを片道ずつ乗って、青森まで日帰りの旅をするのです。ランチは青森駅から徒歩5分の青森魚菜センター。どんぶりに好みの刺身、惣菜などを乗っけるのっけ丼です。追加料金を払えば、青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸などの有料コーナーをお得に見ることのできるチケットもあります。

 このツアーの催行期間は6月12日から9月30日まで(8月10日から16日の間は除きます)。値段は大人8600円、子供5000円です。北海道新幹線で往復すれば14340円、北海道新幹線とフェリーを片道ずつ乗っても9940円しますので、お得です。北海道新幹線も開業2年目を迎え、初年度より利用者が減っているようです。5月の乗車率は前年同月に比べて8ポイント減少して30%、1日当たり利用者数も2割以上減って、5900人です。テコ入れのひとつでしょうか? なお、このツアーはJR北海道の新幹線駅を除く主要駅などで申し込みます。電話での申し込みも可能です。
(参考:JR北海道函館支社ホームぺージ http://jr.hakodate.jp/topics/pdf/20170609_press_aomorinotabi.pdf、日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGKKZO1784856019062017L41000/、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2017/06/12/295970.html)

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元住吉発恩田行き

 日帰りの変わったツアーを企画する株式会社ポケカルは、東急と組んで、6月から8月にかけて3回、長津田車両工場への見学ツアーを行っています。6月分はすでに行われ、残る7月分、8月分もキャンセル待ちとなっていて、今から申し込むことはできませんが、備忘録として残しておきます。

 目的地は先ほども述べたように長津田車両工場(最寄り駅はこどもの国線恩田)ですが、このツアーの集合場所は元住吉検車区。元住吉検車区から臨時列車に乗ります。元住吉検車区から恩田まで直通する列車は定期ではありませんが、この臨時列車は複数の線路を通っていきます。どの線を通るかは、乗車してみないとわかりません。恩田までの所要時間は約70~90分で、乗務員室内も見学することができます。

 恩田からは歩いて5~10分ほどの長津田車両工場へ行きます。ここで約60~90分、見学できます。車体が宙に浮く「車体吊り上げ」も見ることができるようです。

 その後15:10ごろ(6月24日は14:20)解散となりますが、このツアーには東急が1日乗り放題の「東急ワンデーオープンチケット」がついています。解散の時間が比較的早いので、そこから沿線内で寄り道することもできます。なお、ツアーの代金は崎陽軒のお弁当(シウマイ弁当)付きで、大人10000円です。
(参考:秋田経済新聞ホームぺージ https://kohoku.keizai.biz/headline/2157/、ポケカルホームぺージ http://www.poke.co.jp/book/calendar.php?eventid=P010242)

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阿蘇山ロープウェー、ロープを撤去していた

 阿蘇山ロープウェーは1958年開業の伝統あるもの。しかし、阿蘇中岳の噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられたため、地震前の2014年8月から運休を続けています。運休期間は3年近くに及び、過去最長です。

 2016年4月の熊本地震では駅舎に亀裂が入るなどの被害が出ましたが、噴火警戒レベルが1(活火山であることに留意)に下がった後は再開できるように、入山の許可を得てロープの点検やゴンドラの清掃作業を行っていました。

 しかし、2016年10月の噴火で状況は変わりました。火口に近い火口西駅は噴石で天井に穴ができ、駅の中に収納していたゴンドラ1台が破損しました。ロープウェーのロープは切れませんでしたが、支柱4本の一部が損壊し、ロープは使えなくなりました。2月には噴火警戒レベルが1に下がりましたが、火山灰の撤去や噴火で破損した火山ガス検知器の復旧が進んでいないため、火口への立ち入り規制は続いています。

 そしてついに4月のことですが、運営会社の九州産交ツーリズムは、ロープウェーのロープを撤去しました。阿蘇山西駅に近い阿蘇山上広場駅舎内の施設は営業していますが、ロープウェーが運休している状況では、観光客に与える印象は違うでしょう。ただ、相手が自然現象だけに、再開を強行することはできません。
(参考:熊本日日新聞ホームぺージ https://this.kiji.is/235946822736299511?c=80488020680492539)

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大阪市旭区、区内のおおさか東線の駅名に城北公園通を要望

 おおさか東線は2019年春に北側部分が延伸開業し、途中、4つの新駅ができます。このうち、大阪市旭区赤川にできる新駅は仮称を都島といいますが、ここに仮称とは違う駅名を要望する動きがあります。

 旭区役所や旭区内の地域団体で構成する「旭区おおさか東線新駅名称期成会」は1月31日、新駅の名称を駅の近くを走る幹線道路、城北公園通にすることを求める要望書をJR西日本大阪支社に提出しています。仮称は都島となっていますが、大阪市営地下鉄にも同名の駅があり、しかもその駅とは約1.6キロも離れています。利用者が混乱するというのです。確かに一理あると言えます。旭、都島の名前は区名として存在しますが、「大阪都構想」はくすぶっていて、区名がずっと続くとの保証がないことも影響しているのでしょう。

 しかし、都島という新駅の所在地は旭区となっていますが、西側は都島区です。都島区側では違う駅名をつけるように求めています。都島区側が売り出しているのは、江戸時代の俳人、与謝蕪村です。今の都島区出身なのです。すでに2006年には大東商店街(現:蕪村通り商店街)が蕪村生誕、蕪村旭都島などの駅名を要望しています。2014年には同じ商店街が蕪村公園口などの駅名を要望しています。

 ただ、都島区側の案は、奇をてらった第三セクターやローカル私鉄の駅名みたいです。蕪村公園口という名前は実際にある公園に基づいているのでそういう問題はないのですが、蕪村公園自体8年ほど前に出来ばかりの公園で、規模も小さいです。いくら与謝蕪村が偉大とは言っても、旭区側の案のほうが優れているといってよいでしょう。城北公園は旭区にありますが、城北公園通は旭区と都島区にまたがる道路であり、都島区にも配慮されています。
(参考:産経WEST http://www.sankei.com/west/news/170201/wst1702010010-n1.html、レスポンスホームぺージ https://response.jp/article/2016/12/18/287194.html)

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女城主の岩村を巡るツアー

 今年のNHKの大河ドラマは、「おんな城主 直虎」。遠州井伊谷(今の浜松市北部)が舞台となっています。しかし、女性の城主がいた城はほかにもあります。以前から有名なのが、岐阜県の岩村。おつやの方(織田信長の叔母)が城主を務めていました。

 岩村が沿線にある恵那市観光協会はNHKの大河ドラマに便乗してか、「岩村女城主ものがたり列車」特別ツアーというものを企画しています。

 開催期間は6月1日から7月22日までの水~土曜日。水木が「城下町散策コース」、金土が「岩村城址散策コース」です。いずれも明知鉄道恵那駅に9:45~10:00に集合し、10:12発の明智行きに乗ります。明知鉄道の列車内から地元の歴史に詳しい観光ガイドが解説を行います。値段は、明知鉄道の1日フリー乗車券、600円相当の「女城主の里いわむら おとくーぽん」(名物のカステーラや銘酒「女城主」などに引き換え可能です)、特製「女城主タオル」がついて、「城下町散策コース」は1500円(子供800円)、「岩村城址散策コース」は1700円(子供1000円)です。なお、乗車2日前までに恵那市観光協会に申し込む必要があります。
(参考:明知鉄道ホームぺージ http://www.aketetsu.co.jp/modules/bulletin/index.php?PHPSESSID=a41ce3410e859fe37b9ef1ddffeee410、岐阜新聞ホームぺージ http://www.gifu-np.co.jp/hot/20170527/201705271051_11271.shtml)

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名古屋市交通局の一日乗車券、「敬老パス」、ガイドウェイバスの動き

 名古屋市交通局の話題をいくつか。いずれも6月21日の名古屋市議会本会議で出た話です。

 名古屋市交通局には1日乗車券がありますが、そのうちの地下鉄に乗り放題の1日乗車券(740円)について、有効期限を東京メトロのように、使用開始時から24時間に変えることを検討することを明らかにしました。2020年の東京オリンピックまでに実施することを目指しています。現行だと夕方に1日乗車券を買っても終電までしか使えませんが、24時間有効だと、翌日の午前中もそのまま使えます。名古屋に遊びに来た観光客にはうれしいサービスです。

 65歳以上の名古屋市民だと大変お得なのが「敬老パス」。年1回1000~5000円というわずかな負担金で市営地下鉄や市営バスが乗り放題となります。そして高齢者でこのところ問題になっているのが、高齢ドライバーが起こす事故の問題。運転免許を取るにはそれなりの練習が必要ですが、その後の更新は非常に簡単で、技量が落ちていてもなかなか返納してくれません。そこで名古屋市交通局は自主返納を促進させるため、自主返納をした人は1回だけ負担金をなしにすることを考えています。確かに自主返納を促すには有効な策でしょうが、低所得者や障害者でない限り、運転免許証の自主返納をしないと「敬老パス」を与えないというのも一つの策かもしれません。

 最後に紹介するのが、バスの自動運転の話。バスの運転士不足は深刻な問題で、事業者の頭の痛いところです。とは言っても、研究はいろいろ行われているものの、歩行者もほかの車も通る一般道でバスの自動運転を行う技術はまだ確立していません。しかし名古屋市にはバスしか通らない道があります。正確には鉄道の一種ですが、ガイドウェイバスの大曽根-小幡緑地間です。ここで2018年度にバスの自動運転の実験を行います。バスに特別な装置を取り付け、自動で加速や減速を行います。安全性やバス停を定時に発着できるかどうかを検証します。実験の具体的な内容や時期、費用の負担(国の補助金があるのでしょうか?)についてはこれから決めます。
(参考:朝日新聞6月22日朝刊 中部14版)

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敦賀開業後の在来線特急、JR貨物に委託か?

 北陸新幹線金沢-敦賀間は2022年度末に開業しますが、そうなったら「サンダーバード」や「しらさぎ」は敦賀止まりになってしまいます。それなりに新幹線の区間がある金沢はともかく、福井は新幹線に乗ってもその距離はわずかで、乗り換えの手間だけがクローズアップされてしまいます。新幹線ではなく在来線に乗ろうとしても、「サンダーバード」や「しらさぎ」が乗り入れるホームは新幹線の真下で、在来線ホームとは約200メートル離れています。

 福井県は新幹線が開業しても在来線特急を存続させることを求めていますが、JR西日本は否定的見解を示しています。それはそうです。新幹線と在来線特急を並行させて、採算が取れるわけがありません。金沢より西に新幹線を敷くのは、福井の需要が大きいのではなく、関西の人が使ってくれるからです。福井県の要望が通るのなら、今ごろ「サンダーバード」は富山まで走っているはずです。

 言うことを聞かないJR西日本に業を煮やして、与党の整備新幹線推進プロジェクトチームが考えているのが、JR貨物に委託するという案。貨物列車に客車を連結して、一緒に走らせます。金沢-敦賀間の貨物列車は深夜や早朝に走るものが多いですが、昼間にも走らせます。

 夜行列車のように旅客列車がやらないものならともかく、昼間の列車にくっつける意義はどこにあるのでしょうか? 今どきの貨物列車は国鉄時代とは違って直行タイプのため、時間が恐ろしくかかるということはありませんが、それでも「サンダーバード」のような俊足は期待できません。食堂車も付けた、旅を楽しむ列車ならいいでしょうが、それなら新幹線と棲み分けができる、「サンダーバード」とは別の観光列車になります。せいぜいできるのは、並行在来線の第三セクター鉄道に快速を走らせることぐらいです。もっとも、福井-敦賀間よりも需要が大きい富山-金沢間でも快速は「ホームライナー」レベルのごくわずかに留まっており、たくさん走ることは期待できないでしょう。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO17673250U7A610C1LB0000/)

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沖縄都市モノレール、8月に増発&値上げ

 沖縄都市モノレールは8月1日にダイヤ改正を行います。

 現在のダイヤは平日と休日の2種類ですが、今回のダイヤ改正で4種類に分けられます。月~木、金、土、日祝の4種類です。いずれの日も増便が行われ、現行ダイヤでは平日が235本、休日が203本のところ、月~木は247本(+12本)、金は267本(+32本)、土は237本(+34本)、日祝は217本(+14本)となります。運行間隔は月~木が朝4.5分(現行5分)、夕6分(現行7分)、金が朝4.5分(現行5分)、昼8分(現行10分)、夕6分(現行7分)、土は朝8分(現行10分)、昼8分(現行10分)、夕8分(現行10分)、日祝が朝8分(現行10分)、夕9分(現行10分)です。かつてと同様、金曜日に手厚いダイヤです。

 このように増発すると、コストがかかります。沖縄都市モノレールの2016年度決算は観光客数の増加で売り上げが増え(売上高に当たる営業収益は前期比7.6%増の35.9億円、過去最高の数字です)、かつ開業以来の時の経過により減価償却費が減少したため、純損益は2.2億円の黒字となりました。単年度黒字は開業以来初めてのことです。とはいえ、まだ55.9億円の債務超過状態であり、油断はできないのです。かかるコストをどこかで埋めないといけません。

 そこで沖縄都市モノレールが考えたのが、企画乗車券の値上げと、「OKICA」のポイント付与率の縮小(65歳以上や、日曜の利用を除いてポイント付与率は減ります)。観光客に影響を及ぼす企画乗車券についてみると、1日乗車券は700円から800円に、2日乗車券は1200円から1400円になります。110円の「おとなりきっぷ」は150円です。

(追記)
 増発によって必要となる車両数は増えますが、それはてだこ浦西への延伸に伴い増備を計画していたものを前倒しで投入して賄います。
(参考:沖縄都市モノレールホームページ http://www.yui-rail.co.jp/info/file/5880.pdf、琉球新報ホームぺージ http://ryukyushimpo.jp/news/entry-503421.html、「鉄道ジャーナル」2017年10月号 鉄道ジャーナル社)

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深日-洲本間航路、夏の3か月間で試験運航

 以前当blogで記事にした深日-洲本間航路の話ですが、明日6月25日から9月下旬まで、社会実験というかたちで毎日運航が行われます。本来、不定期航路は年3日までしか運航できないのですが、社会実験なら最長1年間の運航ができるのです。この期間で需要や採算性を調査します。

 深日-洲本間航路は約70人乗りの双胴船を使い、1日4往復運航します。所要時間は55分、運賃は大人1500円、子供500円です。輪行バックを使えば、自転車も無料で運ぶことができます。

 なお、以前話があった関空と洲本とを結ぶ航路ですが、こちらはまだ運航開始の具体的な話はないようです。

(追記)
 関空と洲本とを結ぶ航路ですが、7月9日から運航することになりました。10年ぶりの復活です。所要時間約65分で、217人乗りの高速船が1日5往復します。バスと違って直線で結ぶので、大幅に所要時間が短縮されるのです。運賃は関空の港と関空を結ぶバスを含めて、大人2800円です。
(参考:岬町ホームぺージ http://www.town.misaki.osaka.jp/umi/doc/pilot_cruise.pdf、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/170603/wst1706030033-n1.html、http://www.sankei.com/west/news/170707/wst1707070086-n1.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/economy/20170707-OYT1T50086.html)

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651系が常磐線普通列車に

 651系はかつて常磐線の看板列車でしたが、657系の投入によって常磐線の特急列車の運用がなくなり、高崎線の特急用になったり、観光用になったりしています。

 そんな中、JR東日本水戸支社は、7月22日からいわき-竜田間の普通列車の一部を651系に変更します。いわき9:22発、14:42発、竜田10:03発、15:24発の1日2往復が対象です。なお、いわき9:22発は現行ダイヤでは水戸始発(水戸7:18発)ですが、7月22日からはいわきで乗り換えとなります。当然ながら特急料金は要りません。
(参考:JR東日本水戸支社ホームぺージ http://www.jrmito.com/press/170623/press_01.pdf)

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一部「スーパーおおぞら」で沿線地域の特産品販売

 札幌と釧路を結ぶ「スーパーおおぞら」ですが、4時間もかかるにもかかわらず、車内販売はありません。3月のダイヤ改正で全廃となったのです。ところがこの夏、試行として一部の「スーパーおおぞら」で車内販売を行います。

 7月から9月の土日のうち12日間で販売するのは、地域の特産物。池田町の「バナナ饅頭」などです。地元(新得町、池田町、本別町、陸別町、足寄町。日によって販売する自治体が変わります)の観光協会などが「スーパーおおぞら4号」、「スーパーおおぞら5号」に乗り込み、トマム-帯広間で販売します(南千歳-トマム間で準備等を行います)。なお、車内販売することによる使用料はかかりません。

 JR北海道は、この夏の販売状況によっては、夏期以外での実施や、ほかの区間での実施を検討します。
(参考:JR北海道ホームぺージ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2017/170614-2.pdf)

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新夕張で鉄道とバス等の接続改善

 石勝線の新夕張-夕張間は、2016年8月から夕張市との間で、効率的で持続可能な交通体系の構築に向けた協議を行っています。

 石勝線の新夕張-夕張間が廃止になると、新千歳空港から夕張に行こうとすれば、新夕張でバスに乗り換えることになります。ところが、夕張の南の玄関口となる新夕張、バスとの乗り換えに適した構造になっていません。駅前広場の構造上、大型バスが乗り入れることができないのです。現行のバス乗り場は、駅前広場を横断し、階段を降りた、かなり離れた場所です。

 そこでJR北海道は、新夕張の駅前広場の改修を行います。大型バスが駅前広場で回転できるようにし、駅前広場内にバス停を設置します。工事は7月中旬に完成予定ですが(約1700万円の工事費はJR北海道が負担します)、現在2.5往復(平日)の路線バスは10月1日、駅前広場に乗り入れ開始予定です(タクシー乗り場の使用開始時期は未定です)。駅舎内には、バス・タクシー利用者のための待合室ができます。駅舎から隣接するバス・タクシー乗り場(スクールバス乗降場所としても使うようです)までは、駅舎から続く上家を新設します。雨や雪でも乗り換えしやすくなります。
(参考:JR北海道ホームぺージ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2017/170614-4.pdf)

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「新たな長距離列車」は117系の改造?

 JR西日本が豪華寝台列車だけではなく、気軽に、自由に利用することのできる「新たな長距離列車」を導入するということは以前にも記事にしましたが、その続報です。

 この「新たな長距離列車」の運行開始時期はまだ決まっていませんが、2020年夏までに運行を開始する予定です。運行区間はどこか1か所に固定せず、時季によって複数の区間を運行する予定で、一例として京阪神から山陰方面、京阪神から山陽方面が挙げられています。117系を改造するので、非電化区間や交流電化の区間に乗り入れることができません。6両編成の予定で、各車両とも違う接客設備を備えています。1列+2列のグリーン車、グリーン個室、2列+2列の普通車、コンパートメントの普通車、フルフラットシート(「ノビノビ座席」)、そして歓談や食事が自由にできるフリースペースです。定員は100人前後です。また、値段は「サンライズ出雲」等を参考にして、1泊2日で数千円から2万円台までを想定しているようです。臨時列車扱いかツアーかはわかりません。なお始発駅や途中駅において、美味や美酒等の販売を検討しています。

 「新たな長距離列車」のデザイナーも決まっています。えちごトキめき鉄道の「雪月花」でも実績のある、川西康之氏です。
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/06/page_10635.html、東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/177152、神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201706/0010299467.shtml)

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只見線会津川口-只見間、上下分離で復旧に合意

 只見線会津川口-只見間は、2011年の大雨以来、不通の状態が続いていました。

 しかしその只見線ですが、3月31日に福島県知事から要望書を受け、その後福島県と交渉を続けてきました。そしてついに6月19日、福島県と協議がまとまり、基本合意書を締結することになりました。その内容とはどういうものでしょうか?

 只見線は、鉄道で復旧することにします。代行バスは復旧まで運行を続けます。復旧時期は正式には決まっていませんが、2021年度を目標としています。復旧工事はJR東日本が行いますが、福島県(会津17市町村を含みます、以下同じ)が2/3、JR東日本が1/3の割合で負担します。復旧させた区間は営業運転再開までに福島県に無償で譲渡されます(福島県は第三種鉄道事業者、JR東日本は第二種鉄道事業者となります)。JR東日本は自社の車両を用いて、使用料(ただし、会津川口-只見間の収支が赤字にならないように調整されます)を払って走らせることになります。被災前と同じ1日3往復走らせることを考えています。営業運転後の鉄道施設等の維持管理は、福島県が行います。

 正直言って、1日3往復のローカル列車しか通らない路線を鉄路で復旧させるというのは無駄なような気もします。ただ、国のお金を当てにせず、過半数を地元のお金で賄うというのは評価できる点でしょう。北海道もローカル線を残したければ、地元がお金を出さないといけないのです。

(追記1)
 只見線の復旧工事は2018年5月から準備工事を始めます。2018年6月からは橋梁工事等も行います。起工式は2018年6月15日、第7只見川橋りょう付近にある、金山町営大塩運動場サブグラウンドで行う予定です。

(追記2)
 改正鉄道軌道整備法の成立により、只見線の復旧工事の負担割合は、国、福島県など地元自治体、JR東日本が1/3ずつということになりました。
(参考:JR東日本ホームぺージ http://www.jreast.co.jp/press/2017/20170619.pdf、JR東日本仙台支社ホームぺージ http://jr-sendai.com/upload-images/2018/05/20180516.pdf、福島民報ホームぺージ http://www.minpo.jp/news/detail/2017061842550、朝日新聞ホームぺージ https://digital.asahi.com/articles/ASL6H44Z0L6HUGTB00G.html?rm=351)

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南阿蘇鉄道、2022年度に全線復旧か?

 2016年4月に起きた熊本地震で、南阿蘇鉄道は一部の区間を除いて今なお運休したままです。大きな被害を受け、全線復旧には65~70億円を要すると言われています。年間の売上高が1億円と規模の小さい第三セクター鉄道には厳しい数字です。

 ところがこの南阿蘇鉄道、2022年度に全線復旧する見込みです。特例をつくり、国がほとんど、97.5%を負担することになったからです。どうして国がこんなにも負担をするのでしょうか?

 もともと、鉄道の災害復旧では、経営が苦しい、赤字の会社を対象に、鉄道会社が50%を負担すれば、国と地方自治体が25%ずつ補助する制度があります。しかしこんな制度では、復旧には程遠いです。半額を負担してくれるとはいえ、南阿蘇鉄道も30年以上の売り上げを復旧につぎ込まないといけないからです。

 そこで特例をつくり、鉄道会社の負担をゼロにしたうえで(その代わり、鉄道施設を自治体の保有に移すなどの対応が必要となります)、国と地方自治体が50%ずつ負担するという支援制度をつくりました。しかし今度は、地元自治体が負担に耐えられません。そこで国が95%を交付税としてカバーする、補助災害復旧事業債の活用を地方自治体に認めることにしました。つまり、実質的には国が97.5%を負担し、地元自治体の負担はたったの2.5%、1.6億円程度で済むようになったのです。地元自治体分は熊本県、南阿蘇村、高森町などが負担します。結局、三陸鉄道に準じた方法で、ほぼ国のお金で利用者の少ないローカル鉄道を復旧させることになりました。特急の通る幹線鉄道ならともかく、利用者の少ないローカル鉄道を復旧させるのは地元の仕事でしょう。復旧することはともかく、国頼りというのはあまり喜ばしいことではありません。

 今後の運行再開予定は、当初より遅れて2018年度中に長陽-中松間の再開を行うようです。立野-長陽間は橋の架け替えも必要となり、2022年度の予定です。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/335097/)

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那覇-本部間に高速船?

 沖縄本島内でも、南北の移動では、結構時間がかかります。決して北の端とは言えない本部まででも、那覇からはバスで約2時間かかってしまうのです。しかし、高速船を使えば、速く行くことができるようです。約40分短縮することができるようです。

 なぜ高速船を使う構想が出ているのでしょうか? 実は国は5月16日に、沖縄県の観光振興のために行う2017年度の事業をまとめた、「沖縄観光ステップアップ戦略2017」を策定していたのです。沖縄県が3月に、2021年度までに達成することを目指している年間の観光客数を1000万人から1200万人に増やしました。それを受けて国がつくったのが「沖縄観光ステップアップ戦略2017」であり、そこに那覇と本部を結ぶ高速船の導入が明記されているのです。

 まだ具体的な動きはありませんが、6月中には公募を行うようで、そのうち具体的な話が明らかになることでしょう。

(追記)
 第一交通産業のグループ会社は2019年4月13日から、那覇-本部間に高速船を運航します(4月中旬から11月中旬までの運航)。那覇から北谷、恩納を経由して本部までを2時間20分で結びます。1日2往復し(このほかに通勤通学用に那覇-北谷間を1日1往復します)、那覇-本部間の運賃は2500円です。
(参考:時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/article?k=2017051601011&g=eco、第一交通産業ホームページ http://www.daiichi-koutsu.co.jp/group/gaiyou/data/pdf/h31topics/190313daiichi-marine.pdf)

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野田線高柳が2面4線に

 東武野田線の逆井-六実間が複線化されることは以前にも記事にしましたが、ここではその区間にある駅、高柳について書きます。

 高柳のある柏市は、高柳の駅舎を橋上駅舎にし、自由通路を設けます。これまでは東側にしか改札がありませんでしたが、新興住宅地のある駅の西側からも乗り降りができます。複線化が完成する2019年度末までに完成させますが、この橋上駅舎化によって、ホームの位置が船橋方に約60メートル移動するとともに、現状の2面2線から2面4線になります。

 野田線も特急や急行が走るようになりましたが、特急は運河までで、急行は春日部以東は各駅に停まります。今のところ高柳を2面4線にしなければならない理由は見当たりませんが、将来その必要が出てきたときに備えているのでしょうか?
(参考:柏市ホームぺージ http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/140700/p021767_d/fil/takayanagi_sinntyoku.pdf)

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JRバスも仙台-金沢間に夜行バス

 現在、仙台-金沢間の高速バスは北陸鉄道と富山地方鉄道の共同運行によって運行されていますが(山形、富山経由の夜行)、この仙台-金沢間の夜行バスに新たな業者が参入することになりました。

 新たな業者はジェイアールバス東北と、西日本ジェイアールバス。2社が初めて共同運行します。7月28日から週末を中心(8月は毎日)に運行するバスの名前は、「百万石ドリーム政宗号」。どこを結ぶかすぐわかる名前です。金沢行きは仙台駅23:00発、富山駅7:00着、金沢駅8:10着、仙台行きは金沢駅22:10発、富山駅23:20発、仙台駅7:20着のダイヤで走ります。

 バスは3列完全独立の新型クレイドルシート、ゆりかごのような心地を味わうことができます。隣りから見られることのないカーテン、充電に使えるコンセントもあります。運賃は日によって変わり、仙台-金沢間で9500~9900円、仙台-富山間で9000~9400円ですが(北陸鉄道等と同水準か、若干高めです)、お得な「早売5」、「早売1」の設定があり(乗車変更ができず、販売席数に限りあり)、9月30日乗車分までは仙台-富山・金沢間が7000円となる、割引キャンペーンも行います。

(追記)
 2018年2月9日から、「百万石ドリーム政宗号」は毎日運行となります。ダイヤも変わります。運賃は2018年2月1日から変更され、毎日運行を記念して2018年2月1日から5月31日までの間、割引キャンペーンを行います。
(参考:西日本ジェイアールバスホームぺージ https://www.nishinihonjrbus.co.jp/news/2115/、https://www.nishinihonjrbus.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/01/20180111%E3%80%80%E9%87%91%E6%B2%A2%E4%BB%99%E5%8F%B0%E7%B7%9A%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E6%9C%80%E7%B5%82.pdf、北陸鉄道ホームぺージ http://www.hokutetsu.co.jp/highway-bus/sendai)

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北陸新幹線、財務省は貸付料を多く取るように求める

 北陸新幹線の敦賀以西のルートはようやく決まりましたが、問題となるのは莫大な建設費。新大阪まで直結できるという利便性を重視したため(米原で乗り換えを迫られたり、あまりにも遠回りとなったりするルートはその点で落選しました)、約2兆円もします。今のままでは開業まで30年もかかってしまいます(実際にはもう少し早いと思いますが、それでも20年はかかってしまうでしょう)。

 そこで財務省から出ているのが、JR西日本に高額の貸付料というかたちで負担させるという案なのです。貸付料は運営会社が損しないように設定するものなので、不思議な話といえば不思議な話なのですが、JR西日本との交渉次第で何とかなると踏んでいるのでしょう。実際に開業するまでの間、このような交渉が続くものと思われます。

 話は変わりまして、北陸新幹線敦賀開業時の話。この敦賀開業時に対応して、福井県は小浜線の高速化を国に要望しています。

 小浜線は敦賀と東舞鶴を結ぶローカル線で、電化はされたものの、普通列車のみの運行に留まっています。敦賀-東小浜間(46キロ)に58分、東小浜-東舞鶴間(38キロ)に50分かけています。北陸新幹線敦賀開業時の二次交通としても、北陸新幹線全線開業時(東小浜に駅ができる予定です)の二次交通としても、心もとないです。路盤の強化や快速運行のための待避設備などが高速化のメニューです。風雨による運行停止を防ぐための防風柵やシェルターの設置も求めています。

(追記)
 福井県の試算によれば、北陸新幹線敦賀以西の各府県の負担は、福井県が900億円、京都府が1600億円、大阪府が1000億円となります(貸付料で建設費の半分を賄い、残りの半分を国と沿線自治体が2:1で負担するとしています)。

 なお実際には、地方交付税でカバーされる部分があり、各府県の実際の負担額はこれよりも少なくなります。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGKKZO17596570T10C17A6PP8000/、中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20170608/CK2017060802000027.html、福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/203267、47NEWS https://this.kiji.is/256044020584824835)

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JR貨物に新型ディーゼル機関車

 JR貨物は、非電化区間の貨物列車牽引、貨物駅構内での入換作業の両方に使うため、DE10及びDE11(DE11は、DE10をベースに入換用として開発されたもの)を保有していますが、分割民営化から30年が経過し、国鉄時代のディーゼル機関車は老朽化しています。以前にも簡単に書きましたが、JR貨物は新しいディーゼル機関車、DD200をつくることになりました(HD300は入換専用で、本線では使えません)。DF200と同じ、電気式です(DE10は液体式)。蓄電池を搭載すると重量が増えるため、HD300のようなハイブリッド式は採用しませんでした。

 幹線用のディーゼル機関車はDF200がありますが、DF200はローカル線には使えません。DD200は、DE10相当の走行性能を有し(最高速度は時速110キロです。ちなみに、DE10は時速85キロでした)、DE10より1軸少ない4軸しかないものの(3軸台車は特殊な構造のため、つくりにくいそうです)、1割ほど軽くすることによって、軸重を低く抑えています。これまでDE10しか走ることのできなかった路線にも対応しています。また、本線運転、入換作業の両方に対応できるように、車体の中ほどに横向きに運転台を配置し(DE10などと同じように凸型の機関車です)、入換作業等において誘導を行う操車担当が作業しやすいよう、車端にデッキスペースを設けました。

 DD200は現在、試作車1両の製作を進めています。6月下旬に出場予定です。

(追記1)
 小規模貨物駅の下関には、HD300の代わりにDB500という液体式ディーゼル機関車が入換用として働いています(2017年3月4日運用開始)。2軸の入換動車をベースにしていますが、鉄道車両扱いとなっています。

(追記2)
 DB500ですが、2021年、西大分にも配備されることになりました。その後、延岡にも配備されています。
(参考:JR貨物ホームぺージ http://www.jrfreight.co.jp/common/pdf/news/2017-06-15-02.pdf、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2017/06/16/296189.html、https://response.jp/article/2017/07/05/297040.html、「鉄道ファン」2017年8月号 交友社、railf.jp https://railf.jp/news/2021/09/14/190000.html、https://railf.jp/news/2021/10/13/180000.html)

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「雪月花」、大糸線乗り入れか?

 えちごトキめき鉄道の食事付き観光列車、「雪月花」。どうやら大糸線(2017年で全線開通60周年を迎えます)に乗り入れるようです。5月31日に糸魚川市で行われた日本海ひすいライン等利用促進委員会の総会で、嶋津えちごトキめき鉄道社長が明らかにしたのです。そもそも、「雪月花」の大糸線乗り入れについては、米山新潟県知事が会長を務める県鉄道整備促進協議会が2月にJR西日本金沢支社に要望していたもの。これに応えることになったのです。

 もっとも、JRに乗り入れるためには、JRとの協議が必要になります。南小谷までならJR西日本との協議だけで済みますが、南小谷から南に乗り入れるなら、JR東日本との協議も必要となります。えちごトキめき鉄道はすでに協議を進めているようですが、いつから乗り入れができるかは決まっていません。
(参考:新潟日報ホームぺージ http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20170531327151.html)

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長崎新幹線、フリーゲージトレインの導入を見送りか?

 長崎新幹線は、新幹線(武雄温泉-長崎間)と在来線(博多-武雄温泉間)を乗り継ぐ「リレー方式」で2022年度に暫定開業し、2025年度以降にフリーゲージトレインでの全面開業を目指しています。博多-新鳥栖間は九州新幹線に乗り入れ、新鳥栖-武雄温泉間は在来線を活用します。

 この長崎新幹線を運営するのはJR九州。しかしそのJR九州ですが、2025年度以降になってもフリーゲージトレインを長崎新幹線に導入しないようなのです。その理由として挙げているのが、以前にも書いたとおり、メンテナンスコストの高さ。車輪構造が複雑なので、通常の新幹線の2.5~3倍もかかるのです。経済的でないのです。

 確かに長崎新幹線は中途半端です。新大阪まで行かないフリーゲージトレインにどれほどの価値があるかはともかくとして、そのフリーゲージトレインでさえも実現が危ぶまれる状況では、新幹線をつくる意味はあまりありません。スピードは速くなるものの、博多でさえも乗り換えが必要になります。

 理想は新大阪まで直通することのできるフル規格新幹線ですが、地元負担は大幅に増えます。未着工区間は佐賀県内なので、フル規格新幹線をつくるためには佐賀県の負担は高額になります(佐賀県の負担は約800億円ですが、この9割について地方債を発行することができ、その償還には国からの地方交付税交付金を充当することができます。実質的は負担は驚くほど小さいです)。ところが、佐賀県内からの所要時間の短縮はわずかです。長崎新幹線の全線フル規格化の道のりは長そうです。武雄温泉で乗り換えを迫られる事態が長く続くだけです。
(参考:産経WEST http://www.sankei.com/west/news/170614/wst1706140071-n1.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/73680/6/)

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琴電も全国主要ICカード利用可能に

 香川県の琴電は、独自のICカード、「IruCa」が使えます。しかし、「IruCa」は独自のICカードで、ほかの鉄道会社では使えませんし、「ICOCA」などほかのICカードを琴電で使うこともできません。

 ところが、その琴電で「ICOCA」、「Suica」などほかの交通系ICカードが利用できるようになるのです。2018年春からの予定で、ビジネスや観光で香川を訪れた人には便利になります。

 琴電で主要交通系ICカードを利用できるようにするためには、「IruCa」のシステム改修が必要です。8.37億円かかりますが、国が1/3を助成し、香川県や沿線の3市4町も支援します。高松市は3月の段階で、2016年度3月補正予算案に必要な費用を計上しています。議会で予算案の議決がされた後で実行に移されます。琴電は鉄道以外でも空港リムジンバスなどに利用対象を拡大する予定です。なお、「ICOCA」等、「IruCa」以外のICカードでは、乗継割引などの特典は使えません。

(追記1)
 2018年春から琴電でも主要交通系ICカードが使えるようになりますが、バスは利用できません。

(追記2)
 2019年3月2日からは、バスでも交通系ICカードが利用できるようになります。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO14177490W7A310C1LA0000/、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/78640、琴電ホームページ http://www.kotoden.co.jp/publichtm/bus/new/2019/ic_card_kaishi/index.html)

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秋田の貨物線に旅客列車が走る?

 秋田駅のひとつ青森寄り、土崎駅からは海のほうに貨物線が伸びています。

 この秋田港まで伸びる貨物線に旅客列車を走らせるという構想があるようです。JR東日本秋田支社と秋田県がこの貨物線を活用して、クルーズ船で秋田に来た観光客向けに旅客列車を走らせるようです。早ければ8月上旬の竿燈まつりでの運行を目指しています。駅は秋田港に設置するようです。

 今後、どのような車両を使うか、運賃をいくらにするか、クルーズ船以外の客も利用できるようにするかを検討するようです。

(追記1)
 6月30日、JR東日本秋田支社、秋田県、秋田市は、8月3~6日の竿燈まつりに合わせて、秋田-秋田港間(8.9キロ)にクルーズ客向けの臨時列車を走らせることを発表しました。

 4両編成のディーゼルカーを使い(男鹿線用のキハ40、キハ48を使います)、所要時間は約15分。8月3~5日は1日1往復、大型豪華客船のダイヤモンド・プリンセスが就航する8月6日は1日2往復します。朝もしくは昼に秋田に向かい、夜に秋田港に戻るダイヤです。秋田港での乗降は、タラップにて行います。

 国からの補助も受けて秋田港に旅客用のホームを整備する方針で、2018年度以降も継続して運行する見込みです。

(追記2)
 秋田港の駅は、クルーズ船の停泊する中島埠頭から600メートルのところにあります。埠頭と駅との間は、バスで運びます。
(参考:秋田魁新報ホームぺージ http://www.sakigake.jp/news/article/20170524AK0007/、http://www.sakigake.jp/news/article.jsp?kc=20170722AK0003、産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/170701/rgn1707010038-n1.html、JR東日本秋田支社ホームぺージ http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20170721-5.pdf、鉄道ジャーナル」2018年10月号 鉄道ジャーナル

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JR西日本、夜行列車の個室をイメージしたカプセルホテルをつくる

 JR西日本は2月に、カプセルホテルの運営を行うファーストキャビン社との合弁会社を設立しました。その合弁会社が、「ファーストキャビンステーション」という新ブランドで(ブランドロゴも用意されています。列車をモチーフにし、色はブルートレインをイメージさせる濃紺となっています)、夜行列車の個室をイメージしたカプセルホテルの運営を始めます。

 今のところ、2か所で開業する予定です。ひとつは大阪市阿倍野区のファーストキャビンステーションあべの荘、JR西日本の福利厚生施設をリノベーションします。天王寺が最寄りで約120キャビンを予定しています。もうひとつは和歌山市のファーストキャビンステーション和歌山駅、ホテルグランヴィア和歌山の宴会場の一部をリノベーションします。和歌山が最寄りで約70キャビンを予定しています。いずれも2017年秋開業予定です。

(追記1)
 ファーストキャビンステーション和歌山駅は2018年8月1日に開業します。

(追記2)
 2020年4月にJR西日本が発表した内容によれば、ビジネスホテルが大幅に増えたことから当初の計画通りの収益を挙げることができず、法人を解散させることにしました。店舗も一部を除いて閉鎖されます。

(追記3)
 そのファーストキャビン社など5社は2020年4月24日、東京地裁に破産を申請しました。5つある直営店舗は営業を終了します。FC店舗は新型コロナウイルスの収束後に営業を再開するものもあるようです。
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/05/page_10429.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/05/page_10439.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2018/05/page_12357.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200416_00_JRFC.pdf、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58462860U0A420C2XQH000/)

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京阪、電気を新電力から購入

 電車を走らせる鉄道会社にとって欠かせないのが電気。鉄道会社で自前の発電所を持っている例は少ないので、どこかから調達してこなければなりません。以前は電力会社は地域独占で、京阪の場合は関電から買わざるを得ませんでした。

 しかし、電気が自由化され、いくつか電力会社ができました。関電だけでなく、ほかの電力会社(新電力)から買ってもよくなったのです。そこで京阪は、関電との契約満了を迎えるタイミングで、電気の購入先を変更することにしたのです。新電力に切り替えるのは関西の大手私鉄では初めてです(ほかでは、すでにJR九州が一部切り替えを行っています)。新しい購入先は、エネット。NTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガスが出資する新電力の大手で、5月から京阪線、7月から大津線の電気を切り替えます。京阪で電車の運転に要する電力費は2015年度で約36億円ですが、この切り替えによって最大で数億円安くなるようです。

 関電は福島第一原発事故の前まで(目先のコストが安い)原発に依存していたこともあり、再稼働がフルに行われない現状ではどうしてもコストが高くなってしまうのでしょう。
(参考:京都新聞ホームぺージ http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20170510000087)

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大分県内の日豊線でスイーツ列車

 7月22日のことですが、大分から佐伯まで、車内で季節のスイーツを味わう貸切列車が運行されます。

 「或る列車」が出張運行するわけではありません。大分発佐伯行きの片道1本のみが運行される(大分13:16発、鶴崎からの乗車も可)、「佐伯産ティータイムトレイン」といい、参考にした記事によれば、787系が使われるようです。

 車内では地元菓子店がつくる自慢のアイスバー、和菓子、フルーツゼリー、杏仁プリンなどの5品。佐伯特産の因尾茶もあります。交換駅では上浦吹奏楽団によるフルートの演奏も行われます。終着の佐伯では構内に「さいきビアホーム」が開設され、ビールのほか、ごまだしうどん、唐揚げ、かき氷などを楽しむことができます。

 料金は大人、子供共に3500円、「或る列車」と違って高くはありません。大分から佐伯までの運賃のほか、スイーツやビアホームで利用することのできる1000円分のチケットが含まれています。子供にはカブトムシのプレゼントもあります。先着36人限定です。
(参考:大分合同新聞ホームぺージ http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2017/06/11/JD0055838968)

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アルピコ交通、大阪・京都-扇沢・白馬間にバス

 アルピコ交通(実際の運行は、2016年に関西圏でのバス事業拡大を目指して設立された、完全子会社のアルピコ交通大阪が行います)は6月30日から、大阪・京都と扇沢・白馬・小谷村を直結する高速バス、「大阪・京都-白馬・扇沢線」(大阪(阪急三番街)-白馬コルチナ間)の運行を開始します。

 このバスは大阪発が夜行で、白馬発が昼行。4列シートで、トイレ付きです(2号車以降はトイレがありません)。特定日のみの運行で、11月5日までの週末(大阪発は金土と祝前日、白馬発は土日と祝日)と7月14日から9月23日までの毎日(大阪発の場合、白馬発はその翌日)走ります。主な停留所のダイヤは大阪発が大阪(阪急三番街)22:40発、新大阪22:49発、京都駅八条口23:55発、信濃大町駅5:48着、扇沢駅6:28発、白馬町7:20着、白馬コルチナ8:00着、白馬発が白馬コルチナ14:00発、白馬町14:40発、信濃大町駅15:13発(扇沢駅は経由しません)、京都駅八条口21:05着、新大阪22:10着、大阪(阪急三番街)22:20着です。白馬側はこのほかにも、安曇野穂高、白馬五竜、白馬八方バスターミナル、栂池高原、白馬乗鞍に停まります。

 運賃は大阪・京都-扇沢・白馬間の場合、大阪発が8400円、白馬発が7400円です。
(参考:アルピコ交通ホームぺージ http://www.alpico.co.jp/traffic/news/002926.html、http://www.alpico.co.jp/access/express/hakuba_osaka/、北陸新幹線で行こう! 北陸・信越観光ナビ http://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000010873)

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東岸和田駅、10月22日に上り線切り替え

 踏切が無くなることによる慢性的な渋滞の解消と岸和田市の東西の地域の一体化を図ることを目的として、阪和線東岸和田駅付近の高架化が行われています。すでに2015年2月に下り線が高架化されたのに続いて、上り線も10月21日夜から翌日早朝にかけて線路の切り替えが行われ(この際、一部列車で運休等が行われます。代行輸送もあります)、高架化されることとなりました。これで上下線ともに高架化されることになります。

 高架下にできる駅舎には、有人改札1通路、自動改札4通路、券売機3台、トイレが備えられています。新しくできる上り線には、幅7メートルの島式ホーム1面、8両対応の上家、エレベータ1基、エスカレータが上下各1基備えられています。10月22日の午前中には、西口に通路ができ、駅の西側からも利用ができます。その後2018年度末には東駅前広場、西駅前広場、駐輪場などが整備されます。駅構内に店舗もできます。コンコースに面して飲食店などが、改札の横にコンビニができます。

 高架化等に伴い、営業キロも変わります。現行の天王寺からの営業キロは26.6キロですが、10月22日以降は26.5キロになります。これにより、現行より高額となる区間、低廉となる区間が発生します。高額となる場合は、10月21日までに買えば、以前の運賃が適用されます。定期券も10月21日までに買えば、最後まで使えます。逆に低廉となる場合については、乗車券や回数券は下車時に(自動改札ではなく)係員にきっぷを渡すことにより払い戻しが受けられ、定期券の場合も有効期間満了後に手続きをすれば払い戻しが受けられます。
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/05/page_10472.html)

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「スーパー早特21」で新大阪-鹿児島中央間13000円

 JR西日本は、会社発足30周年を記念し、期間限定の割引切符を出していますが、複数人の利用が前提のものが多いです。しかし、JR九州と連携して発売する、「スーパー早特21」は違います。1人からでも使えます。

 7月21日から9月30日まで(利用日基準、お盆でも使えます)の期間限定商品である「スーパー早特21」は、JR西日本ネット予約の「e5489」、もしくはJR九州の「JR九州インターネット列車予約」限定商品。事前に無料ですが、会員登録をしておく必要があります。でも、そのような手続きをしておけば、かなりお得。21日前(JR西日本は23:30、JR九州は23:00)までに買えば、新大阪・新神戸-熊本間は12000円、新大阪・新神戸-鹿児島中央間は13000円です。それぞれ新大阪からの「みずほ」普通車指定席(通常期)片道利用時に比べて、6850円、9210円お得です。14日前までに買えばよい「スーパー早特きっぷ」よりさらにお得です。ただ、格安の商品なので予約できる席数には限りがあり、予約後の変更はきっぷの受け取り前でも一切できません。支払いはクレジットカードがなくても、駅やコンビニ等での現金払いもできます。

(追記)
 「スーパー早特21」の発売期間が延長され、2018年3月31日まで使えるようになりました。
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/06/page_10576.html、http://www.westjr.co.jp/press/article/2017/08/page_10970.html、JR九州ホームぺージ http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2017/06/07/HPsuperhayatoku21.pdf)

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8月26日ダイヤ改正で「泉北ライナー」、朝や夕方以降に増発

 南海及び泉北は、8月26日に高野線、泉北線のダイヤ改正を行います。

 今回のダイヤ改正の目玉も、やはり「泉北ライナー」。好評なのでしょうか、増発されます。平日は朝1往復、夕方以降4往復増え、平日朝は上りが3本、下りが2本、夕方以降は上りが9本、下りも9本となります。休日は朝1往復、夕方以降3往復増え、平日朝は上りが4本、下りが4本、夕方以降は上りが8本、下りも8本となります。平日朝の通勤時間帯には、和泉中央7:31発難波8:08着という、ラッシュの真っ最中に走る便もできます。また夕方以降9往復も走るということは、デビューしたばかりの12000系1編成だけで足りるとは思えません。どうやって9往復走らせるだけの車両を調達できるかが気になります。

 「泉北ライナー」以外にも、泉北関係には変更点があります。朝の上りの区急と準急の運転間隔を均衡化します。昼間は区急を増発します。夕方以降は「泉北ライナー」以外の泉北直通列車を準急に統一して増発します。泉北直通列車の運転間隔を均衡化するのです。「泉北ライナー」の欠点として、「泉北ライナー」の前後は区急や準急の運転間隔が広がってしまうというのがあります。詳しいダイヤがわからないので何とも言えませんが、それが改善されるのであれば喜ばしいことです。

 泉北絡み以外では、昼間の時間帯の急行と各停の接続駅を堺東と金剛から、堺東と北野田に変更します。従来の姿に戻すことになります。
(参考:南海ホームぺージ http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/170608_3.pdf)

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JR東海、ハイブリッド方式特急車両を投入

 JR東海は非電化区間の特急、「ひだ」、「南紀」用に85系を使っています。しかし、85系も分割民営化後につくられたとはいえ、30年近く経過しています。そろそろ取り換えの時期です。そんな中、JR東海は85系置き換え用の新型特急車両を製造することを発表しました。

 2017年末から試験走行を行うその車両はハイブリッド方式。エンジンで発電した電力と、ブレーキ時等に蓄電池に貯めた電力を組み合わせて使用し、モーターで走行します。このモーターで走行するというのがキーポイントで、ディーゼルカー特有の回転部品が不要となり、乗り心地を悪化させる要素であるギアチェンジも解消されます。エンジンが1両あたり2台から1台に減ること、及び駅停車時のアイドリングストップの採用等によって、静粛性や乗り心地が向上します。蓄電池に貯めた電力を加速時や停車時に使用するため、燃費が約15%向上します。二酸化炭素の排出量は約15%減ります。電車と同様の機器を採用するため、メンテナンスがしやすくなり、コストの削減が図れます。最高速度はハイブリッド方式の鉄道車両では国内初の時速120キロを目指します。

 車両のデザインは白地にオレンジの帯で、近鉄特急の新塗装を思い出させます。接客設備面での特徴的な事柄は、グリーン車へのセミアクティブダンパ、客室内荷物スペース、全座席へのコンセント、温水洗浄機能付き洋式トイレ、改良型ハンドル形電動車椅子に対応した車椅子スペース、オストメイト対応多機能トイレ、客室とデッキへの防犯カメラ、LED照明が挙げられます。

 新型特急車両はまず試験走行車として1編成4両をつくります。車両は2019年末に完成しますが、1年程度、ハイブリッド技術確立のための試験を行います。量産車は2022年度に投入する予定です。

(追記1)
 JR東海が開発している、ハイブリッド方式の特急車両の形式がHC85系に決まりました。HCはHybrid Carに因んでいて、85はこれまで活躍してきた85系ディーゼルカーに因んでいます。

(追記2)
 HC85系は2022年度に58両、2023年度に6両つくられます。
(参考:JR東海ホームぺージ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000034155.pdf、https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040122.pdf、朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASK675TWJK67OIPE01B.html、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2021/06/25/347082.html)

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宮城教育大がたった500メートルの短距離送迎バスを走らせる

 宮城教育大は平日の夜、大学正門から地下鉄東西線青葉山駅に向かう無料のバスを走らせています。27人乗りのマイクロバスを使い、18時台から22時台まで約15分間隔で運行しています。2016年10月から試行を行い(試行の5か月間、1日平均で126人の利用がありました)、4月から本格運行を行っています。

 しかし、このバスが走るのは大学正門から最寄り駅までのたった500メートル、1分余りで着いてしまいます。なぜこんな短距離のバスを走らせるのかと言えば、付近でツキノワグマの目撃が相次いでいるため。宮城教育大付近では2016年以降、8件の目撃情報があります。夜は街灯が少なく、道が暗いので、学生には評判のようです。大学側も女子学生も多いという事情から、なにかあってはいけないということでバスを走らせています。このような動きはほかの大学でも見られるようです。

 実は、2015年12月の地下鉄東西線開業前は大学正門から仙台駅へ直通するバスがあり、それに乗ればよかったのですが、バスが廃止されたので、最寄り駅まで歩かざるを得なくなったのです。地下鉄の開業により並行する区間のバスが整理されるのはよくある話ですが、クマが出没するというのであれば、何らかの対策をとらざるを得ません。
(参考:河北新報ホームぺージ http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201705/20170524_13049.html)

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相模鉄道、都心直通用20000系導入

 相模鉄道がグループ創立100周年を記念して新型車両をつくるという話は以前にも書きましたが、5日、その新型車両について相模鉄道から発表がありました。

 11000系以来9年ぶりとなるこの新型車両は20000系と言います。最終的には16編成できる予定ですが、まずは12月に7000系の代替として1編成(10両)のみを導入する予定ですが(増備はJR直通線の開業後となります)、この20000系は2022年度下期開業予定の、相鉄・東急直通線用の車両としても使われます(幅の狭い東急目黒線にも対応しています)。なお、相鉄・JR直通線用の車両は現在検討中です。JRに乗り入れるなら、クロスシートがいるとか、トイレがいるとか、グリーン車がいるとかを考えないといけないのでしょう。相鉄だけで決められる話ではありません。

 それでは、「デザインブランドアッププロジェクト」のコンセプトを反映させた新型車両、20000系とはどういうものでしょうか? 車体の色は9000系リニューアル車両と同じ、新たな相鉄のイメージカラーである濃紺色、「YOKOHAMA NAVYBLUE」です。照明はLEDですが、時間帯によって色調が変化する、調色調光式です。そのほかも、都心に乗り入れる車両であることから、いろいろな取り組みを行っています。車内は、空調設備を工夫して天井を高くし、ガラスの荷棚、仕切り(荷棚まで届く大型のもの)、貫通扉を採用することによって、開放感のある車内としました。すべての車両にベビーカー、車いす用のフリースケースを設け、優先席の一部には両側に手すりを置くことによって立ち座りが簡単になる、「ユニバーサルデザインシート」を導入しています。座面の高さを上げ、下に荷物を置くこともできます。車内には空気清浄機もあり、駅に長時間停車するときは客自身がドアの開閉を行うことができる「個別ドアスイッチ」も備え付けられています。日差しを遮るブラインドを復活させ、車内に鏡もあります。

(追記)
 相鉄・JR直通線用の車両より先に相鉄・東急直通線用の車両をつくったのは、幅の狭い東急に対応するため、試験や訓練の必要があるからです。
(参考:相模鉄道ホームぺージ http://www.sotetsu.co.jp/news_release/pdf/170605_01.pdf、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/sotetsu20000/、railf.jp http://railf.jp/news/2018/01/17/160000.html、:「鉄道ジャーナル」2018年4月号 鉄道ジャーナル社)

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北陸・中京新幹線構想

 2日、大津市において、中部や北陸などの9県と名古屋市による中部圏知事会議がありました。そこで出てきたのが、北陸・中京新幹線という構想。2022年度末に開業する北陸新幹線敦賀駅と東海道新幹線の米原駅との間を結ぶというものです。約50キロの建設費は5900億円と想定されています。

 この区間の新幹線、すでに聞いた話です。北陸新幹線のルート案にあった「米原ルート」を焼き直ししたものです。想定された建設費も国交省が調査したデータを持ってきたのです。

 北陸新幹線の敦賀以西が「米原ルート」で決まっていたならば、わざわざこんな話は出てきません。落選したからこそ、このような蒸し返す話が出てきたのです。「米原ルート」は低コストでできるという面では優れた案だったのですが、致命的な欠点があり、採用されませんでした。その致命的な欠陥とは、たとえリニアが全線開業したとしても、北陸新幹線車両が東海道新幹線に乗り入れることができる保証がない、ということです。同じフル規格同士なのに、米原で永久に乗り換えを迫られるという危険性があるのです。

 しかも、北陸新幹線が「小浜-京都ルート」に決まった以上、北陸・中京新幹線を利用する人は少ないと考えられます。売りだった費用対便益も、北陸-関西間の旅客が使わないことから、大幅に悪化してしまいます。今さら言っても遅いのですが、北陸新幹線のルートが決まる前に、JR東海から北陸新幹線車両の東海道新幹線乗り入れの約束を取り付け、(東海道新幹線新幹線に乗り入れることによる)JR西日本の収益減対策を考えておくべきだったのではなかったかと思われます。リニアと北陸・中京新幹線を組み合わせることによって、東京-福井間はリニア、北陸・中京新幹線経由が大幅に速くなりますが、これは北陸新幹線を運営するJR西日本等にとっては好ましくない事態ですので、何かと理由をつけて否定的になると予想されます。「米原ルート」の復活ともいえる北陸・中京新幹線は、「小浜-京都ルート」自体を否定することにもなりますから。
(参考:朝日新聞6月3日朝刊 中部14版、中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20170603/CK2017060302000039.html)

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タクシーなら高速道路一部区間で無料

 阪神高速やNEXCO西日本の高速道路の一部は、6月3日から料金制度が変わり、これまで均一料金だったところ距離に応じた料金になりました。しかし、その6月3日から高速道路を走っても無料になる車が出たのです。

 それはタクシー。近畿道、阪和道(松原ジャンクション-岸和田本線間)、西名阪道、第二京阪(京田辺本線-門真ジャンクション間、下りのみ)において、タクシーの通行料が無料になるのです。1日約3000台がこの恩恵を受けると推測されています。

 なぜタクシーは無料なのでしょうか? 別にタクシーを優遇したいわけではありません。ETCのシステム改修が間に合わず、無料にせざるを得なかったのです。タクシーの通行料は乗客が払います。タクシーにもETCが搭載されていますので、割引を受けることがありますが、実際いくらになるかははっきりわからず(利用区間の料金の上限しかわかりません)、後日の請求のときに明らかになります。これでは乗客との間でトラブルになるとタクシー協会から反発を受け、乗客を乗せたタクシーに限り、システムを改修するまでの間、無料にすることにしたのです。システムの改修には2018年6月までの1年ほどかかり、その間減収となる約3億円はNEXCO西日本が負担します。

 しかし、すでにそのようなシステムの改修を行った高速道路もあります。阪神高速がそれで、出口で実際に支払うべき料金を表示することができるため、タクシーも高速料金を支払い、乗客に負担させることができます。NEXCO西日本も3月にシステムの不備を認識しましたが、間に合わなかったようです。タクシーの運転士、乗客にとってはありがたい話かもしれませんが、お粗末な話です。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGXLASHC31H35_R30C17A5AC8Z00/、朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASK505416K50PTIL020.html)

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「或る列車」は阿蘇へ

 「あそぼーい!」「ななつ星in九州」も大分側から阿蘇を目指しますが、これに「或る列車」も加わることになりました。日ごろは久大線や大村線を走っていますが、豊肥線を走るのです。

 豊肥線大分-阿蘇間を走るのは、7月19日、8月23日、9月20日の3日間。大分11:08ごろ発阿蘇14:05ごろ着、阿蘇15:14ごろ発大分17:26ごろ着のダイヤで運行します。ほかの「或る列車」同様、旅行商品として発売されます。片道だけの個人旅行商品(1人24000~30000円、追加料金を払えば博多など発着のプランもあります)のほか、「或る列車」に乗車して熊本城や城下町日出などの観光地を訪れる、1泊2日の団体旅行商品(大人65000~77000円)も用意しています。

 申し込みは個人旅行商品が5月31日からJR九州旅行のホームページで、団体旅行商品が5月25日からJR九州旅行支店、駅旅行センター、或る列車ツアーデスクで受け付けます。
(参考:JR九州ホームぺージ http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2017/05/24/HPasosweettrain_1.pdf)

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長崎新幹線の配線

 武雄温泉-長崎間のみが開業し、博多方面は在来線と乗り換える、いわゆる「リレー方式」の長崎新幹線。どのような配線となるでしょうか? 以前、武雄温泉付近については記事にしましたが、新幹線全線についてのものがありましたので、紹介します。

 武雄温泉-長崎間には武雄温泉、嬉野温泉(仮称、武雄温泉から10.9キロ)、新大村(仮称、武雄温泉から32.2キロ)、諫早(武雄温泉から44.7キロ)、長崎(武雄温泉から66.0キロ)の5駅ができますが、2面4線の長崎を除いては、全て2面2線です。当面の乗換駅の武雄温泉には長崎方に渡り線があり、新大村には車両基地があるため、新大村の武雄温泉方にも渡り線がありますが(早朝や深夜などには、新大村-長崎間の区間運転便もできるかもしれません)、残る嬉野温泉と諫早にはポイントは全くありません。

 武雄温泉以西のみの部分開業にとどまっている間はともかく(九州新幹線の部分開業時代のように、途中駅を通過する列車はあっても、追い越すことは考えられないでしょう)、将来は博多まで全線フル規格でできる可能性があることを考えると、どこに追い越し設備があったほうがよさそうです。しかし、駅数のバランスから考えて追い越し設備を置くのに一番よさそうな嬉野温泉は、駅の前後がトンネルになっていて、設置できるスペースはなさそうです。
(参考:鉄道・運輸機構ホームぺージ http://www.jrtt.go.jp/03Tender/pdf/c20170322K.pdf)

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磐越西線の719系は秋田に転属していた

 719系は、標準軌用等を除いて、E721系1000代の投入によってほぼ引退するものと思われていましたが、変わった動きがありました。磐越西線で使われていた車両が秋田に転属していたのです。

 所属の表記は「秋アキ」(秋田車両センター所属)になり、マスコットの「あかべぇ」も消されましたが、帯は磐越西線時代のままです。5月初旬からは羽後境-秋田間で試運転をしています。

 この動きは何を意味するのでしょうか? 続報を待ちたいところです。

(追記)
 秋田に転属した719系ですが、7月28日に営業運転を開始しました。帯は秋田車両センター所属の701系に合わせて、ピンクになっています。
(参考:railf.jp http://railf.jp/news/2017/05/24/160000.html、http://railf.jp/news/2017/08/01/123000.html)

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JR北海道、意外と北海道や沿線自治体の支援も必要だとする声多い

 北海道には鉄道として維持するのが極めて厳しい路線がたくさんあります。自治体や政治家はJR北海道や国に負担を押し付けようとしていますが、肝心の地元北海道の人はこれらの路線をどのようにしたいと考えているのでしょうか? 北海道新聞社は4月に世論調査を行いました。

 それによりますと、意外と多かったのが、国だけではなく北海道や沿線自治体も負担すべきという考え。主要路線のみの存続を求めるという考えかたと、すべての路線について存続を求めるという考えかたの2種類がありますが、合わせて58%の人が、北海道や沿線自治体の負担を求めています(内訳は主要路線のみが40%、全路線が18%)。

 バスでも対応できる程度の需要しかないのに、鉄道の存続を求めるなら、地元の積極的な姿勢が必要です。旧国鉄だからと言って国を当てにしたり、民間会社だからと言って補助を渋っては、廃止になっても仕方がない、と意思表示をしたことになります。国が負担をできるのは、特急や貨物列車がある程度走っている路線ぐらいです。ただ、特急や貨物列車の維持のために国はお金を出すのであって、普通列車まで面倒を見るものではありません。やはり、普通列車を維持したいのなら北海道や沿線自治体が負担しなくてはならないのです。
(参考:「鉄道ファン」2017年7月号 交友社)

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