群馬県民、4人に1人が100メートル未満でも車?
群馬県は2年前から2年がかりで、社会生活における移動手段を追跡した、パーソントリップ調査というものを行いました。23年ぶりの調査で、前橋・高崎地区だけで行った1993年と違い、群馬県内全域で行いました。約6万世帯にアンケートを行いました。
調査結果は2016年秋から順次公表され、免許保有率が全国トップクラスであることもあり、県民の交通が車に依存している状態が浮き彫りとなっています。県民の77.6%が移動手段に車を使うと答え(全国的にも高い数字)、100メートル未満の短距離でも26%が車に乗ります。1~1.5キロだと70%にもなります。エンジンをかけている間に目的地に着いてしまいそうです。
それでは、車を持たない人はどうするのでしょうか? 運転免許を持たない65歳以上(高齢者)の48.2%はどうやって移動するのかといえば、ほかの車に同乗します。鉄道やバスなどの公共交通手段を使うのは3.5%しかいません。ということは、近くに車を持っている人がいなければ、外出の機会も減ります。山間部で車が使えない高齢者が外出する割合は30%前後に落ちます。車の免許がない高校生はどうするのでしょうか? 公共交通が不便な県北部の高校生の約6割は通学のために親などに車で送迎してもらっています(駅まで送迎してもらう生徒を含みます。ちなみに、高校まで送迎してもらうのは全体の2割ほどです)。
その一方、公共交通は利用者の減少が見込まれます。20年後の2037年には、鉄道の利用者が2割以上減ると想定されています。特に減少が著しいのが上信電鉄で半減する区間もあります。ただ、東京へ向かうJR東日本の高崎線や東武の伊勢崎線は減少率が低く、観光需要が見込まれるわたらせ渓谷鐵道でも減少率が15%を切る区間があります。
過度の車依存を是正するためには、公共交通の整備が欠かせないですが、これにはどうしてもお金が必要です。県や市町村のお金をどうやって公共交通の充実に振り向けることができるかが、課題といえるでしょう。
(参考:産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/170603/rgn1706030035-n1.html、http://www.sankei.com/life/news/161009/lif1610090038-n1.html、上毛新聞ホームぺージ http://www.jomo-news.co.jp/ns/1014907508125513/news.html)
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Comments
車がないと生活できない田舎者の▲から見ると、そんなものでしょう、って感じです。
前の職場なんて、職場内の移動も車でした。休日だと、職員室から体育館まで(120mほど外を歩きます)の移動は車でした。田舎の感覚はこんなものです。
車に乗れないご老人だと、公共交通の利用は難しいです。駅・バス停までの移動が大変だからです。うちのあたりでは、デマンド型の福祉バス(乗り合いジャンボタクシーったかんじです)が走っているのでまだましですけど。車がないと外出しないというのはよく理解できます。
Posted by: ▲ 飛遊人 | 2017.07.09 07:32 PM
▲ 飛遊人 さん、おはようございます。
* 車がないと生活できない田舎者の▲から見ると、
ここは考えかたが大きく異なるところです。
* 車に乗れないご老人だと、公共交通の利用は難しいです。
そして需要が少ないことから、公共交通を整備するのが難しいところです。民間では手を挙げるところはありませんし、官でも赤字を垂れ流してしまいます。
Posted by: たべちゃん | 2017.07.10 05:49 AM