長崎新幹線、長崎県はフル規格化賛成、佐賀県は反対
長崎新幹線の整備方針を決める与党の検討委員会は、運営会社のJR九州と地元の長崎県、佐賀県に意見を聞いています。このうちJR九州については以前に記事にしましたが、28日は長崎県と佐賀県に意見を聞きました。
中村長崎県知事は、フリーゲージトレインの実現が怪しくなったことを受けて、これまで財源面などで否定的であったフル規格による全線建設が望ましいとしました。全線フル規格にすると当然建設費は上がり、現在の5000億円から倍増すると言われています。建設期間も伸びることになり、財源が足らないことから(「増やせばいい」という話はともかくとして)北海道新幹線や北陸新幹線もつくることから全線開業は20年以上先になるとも言われています。「リレー方式」はあくまでも暫定的なものと考えています。これに対して山口佐賀県知事は、実質的な地元負担が現在の225億円から800億円以上に増えることから、全線フル規格化は佐賀県の財政負担が増えない限り反対しています。ただ、在来線の軌間を広げて新幹線を走らせるというミニ新幹線については話があれば対応するとのことでした。
JR九州、長崎県、佐賀県に考えかたの違いはいろいろありますが、共通しているところがあります。長崎新幹線をつくることによって関西直通が実現するということです。この点を考えたら、「のぞみ」、「さくら」などが時速300キロで走る山陽新幹線で、時速300キロを出すことができないフリーゲージトレインは失格で、フル規格新幹線かミニ新幹線しか採る案はないということでしょう。ただ、九州新幹線で直通の実績があるフル規格はともかく、JR西日本にはないミニ新幹線については、実際に導入できるかどうかを調べないといけないでしょう。直通運転の相手先であるJR西日本に意見を聴取したほうが良いでしょう。
今後の予定としては、8月の次回会合で、国交省からフル規格とミニ新幹線の費用や工期についての説明資料の提示を受けます。結論が出るのは9月以降になるようです。
(参考:朝日新聞ホームぺージ http://digital.asahi.com/articles/ASK7X53QZK7XTIPE01Q.html?rm=538、佐賀新聞ホームぺージ http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/450427)
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