長崎新幹線、どのように整備するかは2018年度以降に先送り
27日のことですが、長崎新幹線の整備手法を検討する、与党の検討委員会が開かれました。そこで検討委員会は国交省に対して、2018年3月末までに長崎新幹線に全線フル規格やミニ新幹線を導入した場合の建設費や投資効果などを調べて報告することを求めました。当初予定していたフリーゲージトレインも再調査します。全線フル規格(佐賀空港を経由する話もあるようです)、ミニ新幹線(改軌中は長期間列車の運行を止める必要があります。JR九州の話によれば、佐賀までの需要の多い区間でも、何か月も列車の運行を止めないといけないようです)、フリーゲージトレインの3つが考えられています。
調査する項目は、建設費、投資効果、収支採算性、山陽新幹線の乗り入れの可否、着工までの期間及び完成までの工期、並行在来線の取り扱いなどです。地元負担の見積もりの試算を求めた委員もいました。検討委員会は国交省から報告を受けて、2018年度以降に長崎新幹線の整備方針について決めます。また、フリーゲージトレインについては、新たな摩耗対策を実施することを求めます。メッキを厚くするなどの改良を施した台車で実験を行います。フリーゲージトレインは通常の新幹線に比べて2倍ほどのコストがかかりますが、コストの削減を目指すとのことです。長崎新幹線に導入することはできなかったとしても、フリーゲージトレインの開発は続くのです。どこかで使えるかもしれませんから、研究を続けること自体は悪いことではありません。
ただ、フル規格、ミニ新幹線、フリーゲージトレインの3つを比較するのには意味がありません。当然、予算の制約がなければ、全線フル規格の方が鉄道として優れているのは明らかです。それなのになぜフル規格新幹線に進まないのかと言えば、負担増を恐れる佐賀県が反対しているからです。佐賀は博多に近く、新幹線をつくる気になれないのです。結局のところ、佐賀県を説得できればフル規格にするのが良く、そうでなければ、乗り換えも要らないし、いまだに確立していない技術に頼る必要もなく、改軌の手間も要らないスーパー特急がいいでしょう。
(参考:佐賀新聞ホームぺージ http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/466859、http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/466978、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXLASJC28H41_Y7A920C1LX0000/)
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