2018年夏、越中宮崎から南岩国までひとつのエリアに
JR西日本はICカード、「ICOCA」のエリアを拡大し続けています。2003年11月に最初にサービスを始めたときは近畿圏だけでしたが、2007年には岡山・広島エリアに、2012年には会社の枠を超えてJR四国の香川エリアに、2017年4月には石川エリアに拡大しました。しかし、今なお「ICOCA」のエリアは石川、近畿圏、岡山・広島・山陰・香川の3つに分かれたままです。
ところが、2018年夏、3つに分かれた「ICOCA」のエリアがひとつにくっつきます。すでに発表された北陸線大聖寺-近江塩津間に加えて、山陽線相生-和気間、赤穂線播州赤穂-長船間にも「ICOCA」サービスが導入されるのです。
こうなると、東は越中宮崎、西は南岩国までひとつのエリアになり、エリア内ならどこでも「ICOCA」で移動できそうに思えるのですが、さすがにそういうわけにはいきません。2018年春以降、「ICOCA」を利用できる距離を原則200キロ以下に制限します。利用区間にIRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道がある場合は、利用区間が越中宮崎-大聖寺間及び高岡-新高岡間に限られます。例えば、岡山-岩国間は200キロを少し超えます。こういうところでは、これまで「ICOCA」が利用できたところでも使えなくなるのです。エリア拡大による運賃計算のパターンを複雑化させないための措置でしょうが、200キロを超える距離を普通列車だけで移動するのはレアケースで、こういう制限が課せられてもそう不便になることはないでしょう。
ただ、原則には例外があります。200キロを超えても「ICOCA」を利用することができるケースが3つあります。(1)大阪近郊区間内相互間の利用 (2)在来線特急列車停車駅相互間の利用(大阪-金沢間、新大阪-新宮間、岡山-出雲市間) (3)大阪近郊区間内の駅と在来線特急列車停車駅相互間の利用(例:尼崎-新宮間) です。もちろん、特急に乗るときは別途特急券が必要です。
さらに、2019年春には「ICOCA」エリアが拡大します。新たな導入路線は境線。1日当たりの乗降客数が約6000人の路線です。境線の全駅で利用することができます。車内でICカードを利用することができるように、車載型IC改札機を導入します。バスや路面電車ではよく見られるものですが、JR西日本では初めての導入事例となります。IC専用型改札機を導入する境港を除いて、中間の各駅(全て無人駅)では車載型IC改札機で対応します。JR西日本は22両ある境港線の車両を今後1年半かけて改造します。導入費用は8億円します。今後は山陰線などにも「ICOCA」を導入する予定で、これらの施策によりJR西日本は「ICOCA」の利用率を現状の7割から8割に増やしたいとしています。
(追記1)
これまで、石川(北陸)、近畿圏、岡山・広島・山陰・香川の3つに分かれていた「ICOCA」エリアの一体化は、2018年9月15日に行われます。
(追記2)
福井県内で自動改札機が設置されるのは、福井と敦賀に限られます。芦原温泉、鯖江、武生などそのほかの駅はIC専用型改札機で対応します。
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/10/page_11312.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/10/page_11308.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/10/page_11304.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2018/05/page_12448.html、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2017/10/18/301245.html、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22419900Y7A011C1LC0000/、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/171019/wst1710190022-n1.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20171019-OYO1T50000.html、福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/344415)
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