南海本線は単線で運転再開へ、日豊線の復旧は年末予定
10月22日の台風21号に伴う大雨で、南海本線も大きな被害を受けました。樽井-尾崎間の男里川橋梁の下り線の橋脚が沈んだのです。そのため、樽井以北は「サザン」が全面運休しているほか、若干の運休列車がある程度ですが、尾崎-和歌山市間は普通がほぼ30分間隔、そして樽井-尾崎間は上下とも運休し、樽井-箱作間には代替バスが走っています(箱作は尾崎の2駅和歌山市寄り)。JRでの振替輸送もあります。ただ、代替バスの輸送量は鉄道よりも少なく、バス待ちの列ができているようです。この状況を受けて大阪府教育庁は30日から高校生を対象にした無料の通学バスを1週間の予定で走らせます。府立高校のほか、私立の中高の生徒も利用でき、必要に応じて期間の延長も行います。
ところが、上り線には特段被害がないようで、上り線を使って単線での運転再開を目指します。台風22号が通過した後に試運転などを行い、できるだけ早期に運転を再開したいとしています。運転再開後は難波-和歌山市間に普通列車(朝と夕方以降は区間急行)をおおむね30分間隔で走らせるとともに、他社への振替輸送も継続して行います。バスよりも電車のほうが明らかにキャパが大きく、安全性に問題がなければ早期での運転再開を目指したいところです。なお、複線での仮復旧は1か月程度かかるようです。
さて、単線運行の場合、下り線はどこを走るのでしょうか? 幸い、樽井の北側には下り線から上り線への渡り線、尾崎の北側には逆に上り線から下り線への渡り線があります。これがあったから樽井で難波方面への折り返し、尾崎で和歌山市方面への折り返しができ、運休区間を最小限に留めることができたのですが、単線での運転再開時もこの渡り線をフル活用します。下り線の列車は樽井の手前の渡り線を渡って、上り線に入ります。樽井では全部副本線に入ります。樽井には通常ダイヤでも、数は少ないですが難波方面への始終着列車があります。難波方面から列車が入るための信号設備もあり、単線運転には役に立ちます。そのまま上り線を走り、尾崎の手前の渡り線で下り線に戻り、後は和歌山市まで下り線を走ります。通常ダイヤだと1時間に「サザン」が2本、普通が4本走りますが、単線での復旧の段階では普通列車(区間急行もこの区間では各駅に停まります)が1時間に2本だけですので、単線でも問題はないでしょう。
話は変わりまして、9月の台風18号によって不通になっている日豊線臼杵-佐伯間ですが、こちらは12月下旬に運行を再開する見通しです。もともと復旧には数か月以上かかるとのことでしたが、被害の大きかった津久見市徳浦について、地元住民の土地を使って機材を搬入することができ、運行再開が早まったのです。この区間はもともと複線だったのですが、単線で復旧させます(JR九州の話によれば、単線でもダイヤに大きな影響がないようです)。また、11月からは臼杵-佐伯間の代替バスを1日34本から38本に増やします。上下とも19本ずつです。
(追記1)
南海本線樽井-尾崎間の単線運転は11月1日から行われます。羽倉崎-和歌山間は原則として普通列車が30分間隔で運転するだけです(羽倉崎-樽井間も本数が減っています)。ダイヤを見る限り、下りは樽井、上りは尾崎で数分間、時間調整をします。
バスは平日の朝のみ、箱作から泉佐野へ、樽井から泉佐野への片道輸送を行います。ノンストップで、途中の駅には停まりません。
(追記2)
日豊線の不通区間は12月18日から運行を再開する予定です。「ななつ星in九州」も本来のルートに戻ります。
(参考:南海ホームぺージ http://www.nankai.co.jp/traffic/info/transfer.html、http://www.nankai.co.jp/traffic/info/transfer2.html、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/171025/wst1710250065-n2.html、http://www.sankei.com/west/news/171026/wst1710260075-n1.html、大分合同新聞ホームぺージ
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2017/10/26/JD0056279647
、JR九州ホームぺージ https://www.jrkyushu.co.jp/railway/notice/、鉄道ホビダス http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2017/12/jrin_6.html)
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