大雨で日田彦山線の一部区間、鉄道以外で復旧か?
7月の九州豪雨により、今なお久大線と日田彦山線の一部区間が不通となっています。久大線は時間はかかりますが、いずれ復旧します。それでは、日田彦山線はどうなるのでしょうか?
日田彦山線については、鉄道にこだわらず、バスなどのほかの交通機関で対応することも考えているようです。青柳JR九州社長の話によれば、大きな被害のあった路線を復旧させるのは、新たに鉄道を一からつくるようなもののようです。需要のある路線ならともかく、今どきそうでない路線をつくる必要はありません。
日田彦山線の必要性の薄さは、数字の面からも現れています。同じく九州豪雨で被災した久大線は、時間がかかるとはいえ復旧します。久大線久留米-日田間の輸送密度(2016年度、以下同じ)は3867人もいます。日田に近いのでこれよりは少ないでしょうが(ただし、久大線全体で見ても2754人います)、それなりに鉄道は使われています。これに対して、不通区間を含んでいる、日田彦山線の田川後藤寺-夜明間はたったの299人しかいないのです(城野-田川後藤寺間の輸送密度は2595人)。しかも、この数字は1987年度の約3割にとどまっています。これでは、鉄道以外の交通機関を考えたくなります。
このように鉄道を残すのは絶望的な数字と言える日田彦山線南部の状況ですが、地元自治体等が負担すれば鉄道として復旧させる選択肢もあるようです。只見線みたいな感じでしょうが、それが全体にとって望ましい解かどうかは難しいところがあります。少なくとも、「鉄道を残したい」という熱意を見せるだけでは意味がないことは明らかでしょう。数字が必要性の薄さを現しているのですから。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/company/info/data/rosenbetsu.html、西日本新聞ホームぺージ https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/363133/、https://www.nishinippon.co.jp/feature/i_live_here/article/363237/、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20171005/k00/00m/020/149000c)
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