姫新線の乗客数、2年連続で300万人を突破
姫新線姫路-上月間の乗客数は、1990年代には300万人近くまで迫っていた年もありましたが、1990年代後半から落ちていき、2009年度には238万人になってしまいました。ところが、このところ好調です。2016年度の乗客数は前年度よりも3.2%増えて、約310万人にもなりました。34年ぶりに300万人を超えた2015年度に続いて、2年連続で300万人を突破したのです。2009年度と比べると、7年で25%以上も増えたのです。
このところの好調のきっかけは、2010年3月から2年間実施された増便社会実験。地元自治体とJR西日本がお金を出し合い、姫路-播磨新宮間で上下16本、播磨新宮-上月間で6本の増発を行いました。80億円を投資して新型車両を導入し、スピードアップも行いました。増便実験終了後、多少便数は減っていますが、それでも増便実験開始前よりは増えています。駅ごとに乗客数を比較すると(増便実験前の2009年度と増便実験終了後の2012~2016年度の平均の比較)、播磨高岡-上月間の12駅のうち、減っているのは西栗栖と三日月の2駅のみ。68.1%増えた上月、52.7%増えた播磨高岡などが目立ちます。2015年4月の公立高校の学区再編や「ICOCA」導入も乗客数増加に寄与しているようです。大雑把に言えば、本数が大きく変わる播磨新宮より東のほうが数字が良いようです。
姫新線全体の輸送密度は1550人(2016年度、以下同じ)ですが、姫路-播磨新宮間は7156人と幹線並みの数字を誇ります。それに比べて、播磨新宮-上月間は一気に下がり、935人しかいません。日中でも30分間隔の姫路-播磨新宮間に比べて、1.5~2時間間隔と少ないからでしょう。これでは使いづらいのも当然と言えるところで、播磨新宮以西を存続させたいのなら、兵庫県や沿線自治体は(口だけではなく)お金を出してJR西日本に増発をさせるようにしなければならないでしょう。何も努力しなければ、将来の人口減少傾向を踏まえると、鉄道を存続させる価値があるのは姫路-播磨新宮間だけということになりかねません。
(参考:神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/seiban/201705/0010239447.shtml、JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2017_08.pdf)
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