近江鉄道、鉄道の維持は困難とのこと
近江鉄道は滋賀県内に3路線59.5キロの鉄道線を営業している私鉄です。西武の完全子会社になっています。ところがその近江鉄道ですが、滋賀県や沿線自治体(5市5町)に、将来的には鉄道事業を自社の経営努力だけでは維持することが難しくなると伝えています。
近江鉄道の赤字は20年ほど続いています。2016年度の赤字額は経費の約2割に当たる3億円を超えています。過去最大の数字です。バス事業などの黒字で対応していますが、今後は老朽化したレールや車両を更新する費用がかさみます。10年後には現状の1.5倍になるようで、収支が改善される見込みは低いです。また、鉄道が社会的に必要とされる基準となる輸送密度で見てみると、八日市線(近江八幡-八日市間)は4000人を超えているものの、ほかに輸送密度2000人以上あるのは本線の彦根-高宮間というごく短い区間のみ。それ以外は近江鉄道が考えている採算ラインである2000人を下回り、1000人未満のところもあるようです。
近江鉄道としては地元と協議のうえ、鉄道が地元にとって必要ならば存続に向けて協力することを求めています。将来的な方向性として、鉄道施設を第三セクターが所有する公有民営方式を採用したり、一部をバスに転換したりすることも考えているようです。これに対して地元はどういう反応を示しているのでしょうか? 東近江市は近江鉄道を町の基幹交通と認識しているため、鉄道の存続を強く求めています。近江鉄道が廃止になれば、市の中心部から鉄道が消えますから。これに対して、甲賀市や米原市のように、財政負担に拒否感を示しているところもあります。八日市線のように需要のあるところならともかく、そうでない限り、地元が金銭面での協力姿勢を示さなければ、バスに転換されても文句は言えないでしょう。
(追記)
滋賀県は、近江鉄道の代替手段として、BRTを導入することも考えているようです。
(参考:中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20171220/CK2017122002000011.html、京都新聞ホームぺージ http://kyoto-np.co.jp/politics/article/20180226000177)
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