福島-米沢間にトンネルを掘る費用は1500億円
山形新幹線は元々奥羽線。新幹線が直通できるように改軌などの改良が施されたものです。しかし、フル規格新幹線みたいに一からつくったものではないので、福島、山形の県境の山岳区間はかなり厳しいところを走っています。スイッチバックの駅が連続していることで知られた板谷峠は、スイッチバックこそなくなったものの、急勾配であることには変わりありません。雨や雪などの影響で年間約200回の運休や遅延が発生しているのです。
これを解決する方法として考えられているのが、板谷峠に長いトンネルを掘ること。JR東日本は2015年度から庭坂-米沢間について2年をかけて調査を行い、県境部に23キロのトンネルを掘る費用を1500億円と見積もりました。工期は着手から15年を見込んでいます。また、あと120億円かけると、フル規格新幹線にも対応可能なものとなります。山形新幹線がフル規格になる可能性は低いでしょうが、せっかくつくるならこの長大トンネルの存在が足かせとならないよう、フル規格対応にしたほうが良いでしょう。
さて、このような長大トンネルを掘る意義はどこにあるのでしょうか? まず、現在頻繁に起きている自然災害による運休・遅延のリスクが大幅に軽減されます。所要時間も10分以上短縮されます。今後JR東日本は、この調査結果を踏まえて、事業に着手するかを検討します。当然ながら、山形県等の負担は必要不可欠でしょう。
(参考:山形新聞ホームぺージ http://yamagata-np.jp/news/201711/30/kj_2017113000612.php、河北新報ホームぺージ http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201712/20171201_53040.html)
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Comments
山形新幹線、はやぶさと比べると兎に角「遅い」し、車両も一世代前ですから、先ずはスピードアップのテコ入れが必要です。新青森より時間かかるのはいくらなんでもです。だからシブチンだがメリハリのある東が投資検討するのでしょう。
名寄線高速化事業のようなスキームを組んで、新板谷トンネルによる高速化事業に自治体も半分ないし2/3負担する様な提案あってもいいと思います。
Posted by: 仙台藩主 | 2017.12.09 10:28 AM
仙台藩主さん、おはようございます。
* 新青森より時間かかるのはいくらなんでもです。
山形まで2時間半なので新青森よりは早く着きますが、板谷峠の抜本的な改良は望まれるところです。
福島-山形間の全線フル規格化はともかく、板谷峠をトンネルでぶち抜くような部分的な改良は、地元の財政的な支援がある限り、高速化事業として進めるのが望ましいです。
普通列車に関しても地下駅をつくるか、現行路線に沿ってバスを走らせたら良いでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2017.12.09 11:19 AM
たべちゃんさん、久しぶりです。面白く読ませていただいています。博学ぶりに感心しています。
でも、たしかに東京一新庄、3時間40分は、遠く感じますね。勿論、山形まで、こまくさに乗って乗り換えていた時代よりはるかに便利ですけどね。
Posted by: そえちゃん | 2017.12.21 10:16 AM
そえちゃんさん、こんばんは。
* でも、たしかに東京一新庄、3時間40分は、遠く感じますね。
しかも、山形新幹線新庄延伸時より、最速列車がかなり遅くなっています。延伸時の最速列車は、停車駅を絞りまくったため速かったのですが。
Posted by: たべちゃん | 2017.12.21 10:04 PM